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ケミッカトリッチとエオと仲間part2

「…………まぁ、簡単には行かないよね」


 シルは嘆息しながら、次の攻撃に構える。

 しかし、エオは違った。

 ゴルゴラーダを一撃で葬った爆発魔法。

 それを全く通じない。その事実にエオの心は折れかけていた。


「…………エ………………くん…………」


 どうすればいいのだろうか。

 エオは次の策を考えたいが、頭が上手く回らない。


「…………エオく……ん……」


 どうすればいいのだろうか。

 どうすれば勝てる。


「エオくん!!」

「な、なに?!」


 耳元に爆音で聞こえたその声につい、驚いてしまう。


「ぼーとしてる暇はないよ、相手は正直、強いんだ。勝利の鍵はエオくん! 君だよ!」


 シルは微笑んでいる。複製体とは違う、温かみのある笑顔。

 でも、そんな顔で見つめられる資格はない。

 だって、


「僕の力じゃ、勝てないよ…………」


 エオの攻撃は全く通じなかった。


「エオくんはまだ、本気じゃないでしょう?」

「……はい?」


 本気じゃないだと?

 エオは不快だった。

 だって、命懸けで、ここまで戦闘を繰り返してきた。正直、運で生き残ったことは否定できないけど、それでもいつだって、全身全霊で挑んできた。


 なのに、本気じゃないなんて。


「ごめん、言い方が悪かったね。エオくんはまだ、自分の実力を、本領を発揮していないんだよ」

「本領を発揮してない……か…………?」


 実感はない。

 あの爆発だって、かなり強力な魔法だし、十分な気がしていた。

 そう、思っていたのはついさっきまで。

 今はもっと力が欲しい。

 圧倒的な力の差があっても、決して立ち向かうことを辞めず、今の尚、ケミッカトリッチとその取巻きに攻撃を続ける仲間たちに報いたい。

 

 勝ちたい。 

 

 ピースを救いたいという僕の我儘に付き合ってくれるみんなをこんな場所で傷つく姿を眺めるなんて嫌だ。


 勝ちたい。


 ピースを助けるんだ!


 勝ちたい!


「その顔、僕は好きだよ、エオくん」

「え、うん! 勝とう」

「鼻からそのつもりだよ」


 その時だった。

 エオの身体が光を放つ。

 その光はここいる全員が一瞬、動きを止めるほどに、輝いた。


 そして、エオは立ち上がり、


「みんな、絶対勝つぞ!」


 その掛け声に、みんなこう言った。


「「「当たり前だ!!」」」


 と。



「ほう! あの輝きは確かに自然エネルギーと大差ないな」


「…………はぁ、エオには手を出さないで!」


「まだ、喋れるか」


 メッキガーデンはピースを見つめる。

 ピースは今、カプセル型の機会にはめ込まれている。

 この機会はピースの生命力ともいえる、自然エネルギーを吸い取る機械だ。


「…………エオには手を出さないで、お願い」


「ほう。妖精ともあろう者がたかが、人間一人に固執するのは何故だ? あの力があるからか?」


「違う! 私はただ…………」


 ピースはそれ以上のこと言わない。

 一人ぼっちだったとき、私の傍にいてくれたエオ。

 一緒に過ごした日々。

  

 少なくとも、二人は愛し合っていたんだ。


「まぁ、よかろう。どのみちあいつも俺のコマになるだけだ」


 メッキガーデンはそう言うと部屋を後にした――。


 

 



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