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スパルシアとクライドとレオルpart4

お久しぶりです!

ずっと休んでいて申し訳ありません!

完結までぶっ飛ばしていくので、どうかよろしくお願いします!

「ん? どうしたんだ、そんなきょとんとして?」


 セカンドは裸なのだ。

 と言うより、ここにいる複製体は全員もれなく素裸なのだ。それにセカンドの身体はテンより遥かに魅惑的だ。

 引き締まったウエスト、取り立ての桃のように美しいヒップ。だが、そんなとこより、まずは胸だ。はち切れんばかりに強調してくるそれはまさに男を釘付けにする魔性の塊。


「…………あ、えーと、すまない。つい見惚れてしまった」


 クライドは正直に告白する。レオルは鼻を抑え、良い年であろうスパルシアも目を泳がしている。三人揃って動揺を隠せない。


「ははっ! 面白いこと言うお客様だ! まぁ、素直にお褒めの言葉として受け取っておこう!」


 セカンドが豪快に笑うと、周りの複製体もくすくすと笑う。しかし、それは決して馬鹿にするような笑いではなく、自然と溢れる素敵な笑う声だ。


「それでじゃの、わしらはメッキガーデンに会いに来たのだが、どうやって、謁見の間に行けばええかの?」


 スパルシアは本来の目的を思い出したように話を進めた。

 レオルもこの光景に目が慣れてきたのか、鼻を抑えるのを辞めて、うんうんと強く頷く。


「…………本当に行くの?」


「あぁ、大切な仲間の友人が囚われているんだ、引き下がる訳には行かないんだ」


 クライドはそう言うと拳を前に構えた。

 これはもし、抵抗するなら戦闘を直ちに開始するという意思の表れ。つまり威嚇のようなものだ。


 それに対してセカンドは、


「私は止めないよ? でも、これだけは教えとく。メッキガーデンは私たちの生みの親であると同時に、ここで暮らしていける権利をくれたお方なんだ。私たちにとっては最高なお方だ」


 メッキガーデンが最高。その言葉に三人は眉を顰める。

 少なくとも、三人にとっては最高なんて商号が値するような人物ではないからだ。クライドとレオルは大切な仲間を殺され、スパルシアは大事な娘を酷い目に遭わされ、孫を利用し禁忌である自然の力に手を出そうとしている。

 しかし、ここにいる複製体は最高な親だと言って退けた。


「でも、あの方がそんな一面だけではないことを私たちは痛感している。何故なら、戦闘で同士たちが次々と死んでいったからだ。それに彼がしてきたことが悪であることは否定できない」


 セカンドの口から零れる言葉の一つ一つが三人には信じられなかった。

 噓、ではないとわかる。

 でも、それ以上にそんなわけがないと、否定したい、そうしないと決意が、崩れてなくなりそうなのだ。

 セカンドも悪だと言った。口では確かにそう言った。だが、苦しそうなのだ。はっきりとした口調とは裏腹に。


「君たち三人では到底勝てないだろう、もしかしたら、私にすら及ばない力かも知れない。ただ、仲間と一緒なら、もしかしたら、メッキガーデンを、彼を止めてくれる、そう、思うんだ。だからこそ、私たちの願いはただ一つ」


 セカンドの言葉にここにいる複製体は真っ直ぐ一列に並ぶ。

 そして、膝をつき、首を垂れる。

 

「…………そ、そんなこと、まで」


 この行動は三人も良く知っている。

 貴族や位の高いものに最大の礼儀作法の所作として用いられるものだ。


「メッキガーデンを殺さないでくれ、彼にやり直せるチャンスを、どうか、与えてやってはくれないだろうか、この通りだ」


「…………それは」

 クライドは返答に困った。

 少なくもこの光景を見るまではメッキガーデンを殺そうと、それほどまでに憎んでいたのだ。

 だが、複製体の邪魔するのではなく、戦闘能力的にも劣る者に対して、懇願しているのだ。

 数秒の空白。

 その中で声を上げたのは意外な人物だった。


「…………だめです!」


 レオルだ。


「メッキガーデンがやったことは、絶対許せません! 例え、貴方たちにとってどれほど大切な人でも、仲間を殺され、大好きな人を傷つけたあいつは、許すわけには行かない」


 レオルの言葉にクライドはたじろぐ。レオルはいつも何処か頼りなかったが、今の彼の背中は大きく見えるのだ。


「…………レオルの言った通りだ。すまないが、君たちの願いは叶えられない」

「そうですか、分かりました…………」


 セカンドは頭を上げる。

 そして、悲しそう微笑んだ。


「私たちには戦闘する意思はありません、謁見の間はあの扉を開けて直ぐです」


「…………ありがとう」


 クライドは礼を言って、素早く、扉を開ける。

 扉の向こうには上へと続く、螺旋階段が見える。


「最後に一つだけ。メッキガーデンは恐ろしく強いです、先程の発言とは矛盾するかもしれないが、勝率はかなり低いだろう。それでも、戦うのか」


「あぁ」


「そうか、ならば行け、私たちのことを気にするな」

 そう言って、セカンドは三人を送り出した。


 もう二度と会うことはない、勇敢な三人の戦士を――。


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