スパルシアとクライドとレオルpart2
「さっきの失言お許し下さい…………」
「いや、そんなに謝らんでも、構わんよ」
スパルシアがこの老人たちの仲間ではないことを分かってもらった。
クライドとレオルがスパルシアは仲間であると伝えた時の彼らの顔はかなり衝撃と気まずさを表していた。
スパルシアとしても、別に暴行されたわけではないし、そんなに気にしていないのだが、彼らはかなり気にしていた。
「本当にすみません」
「もう、よい。それより君たちは何故ここで働いておるんじゃ?」
「はい、わしらは、メジザ島に元々住んでいた「ロウガ族」の末柄で、シル・メッキガーデン殿に雇われておるのじゃ」
ここは数か月前までソラーノ島と同じく、人々が営んでいた島だった。
しかし、シル・マッカザージルの父親であるシル・メッキガーデンが島ごと権利を買い取ったという。
そのせいでキャロルがこの場所に二号店を出店することが出来なかった。
「それで、メッキガーデンはどこにいる?」
クライドは本題に入るように急かした。
理由は簡単だ、今ここにいるのは三人だけ。他の仲間たちが運よくこのような場所に落下しているとは考えにくい。もしかしたら、戦闘になっているかも知れない。
そうなると、流石の彼らも、勝ち進めるのは困難であろう。
「メッキガーデン殿は、この城の頂上に位置する、「謁見の間」の玉座に座っておる。でもそこまでの道のりはわしらでも分からぬ」
「なるほど……」
彼らでも知らないとなると、見つけるのは難しいのかもしれない。
「あ! そう思えば……」
ロウガ族の一人が思い出したかのように声を上げた。
「ここに訪れたものは扉の前まで案内しろって、セカンド殿に頼まれていたことを思い出しまして……」
「セカンドってのは誰なんじゃ?」
「セカンド殿はメッキガーデン殿が作り出した、最高傑作の一人、様々な魔法に対して耐性を持つ対魔法型のエキスパート魔愚ですぞ」
魔愚。それはメカリル族の開発力を応用し作り出された、魔法の道具。
マジック・シェア社が広め、魔力が少ない者でも簡単に扱えると有名になった。
その魔愚の完全体とでも言うべきか。シル曰く、魔愚は遺伝子の複製まで可能にしてしまい、シルの遺伝子を複製した奴らが、皆を苦しめた。
三人は勘づいている。
「セカンド」はきっとシルの複製体であると。
特にクライドとレオルはその恐ろしさを知っている。ケラケラ笑うその声は今でも頭にこびりついて離れない。
スピッシュを殺した、あいつはもういない。
でも、それに似た、他の複製体は今もこの城の中に存在している。
その事実はクライドたちを緊張させる。
「……それでは、扉の前まで案内を頼む」
スパルシアは既にその扉を知っているが、ここロウガ族の案内に任せることにした。
扉までの道のりは相変わらず、暗闇が広がって、案内を頼んだのは正解だった。
「ここが、その扉か……。思ったより大きいな」
それが素直な感想だった。
「それじゃ、三人方、是非メッキガーデン殿を倒し、わしらを救ってください!」
「おう、言われずともそのつもりだ……!」
クライドは扉に手を添える。
そして一呼吸。
そして吐く息と共に全身の筋肉を奮い立たせ、扉を押す。
すると、扉はジワリジワリと開く。
「え? ここって……」
目の前の景色はあまりにもこの場に沿わないもだった――。




