スパルシアとクライドとレオルpart1
男くさい物語。
「……いてて、年寄りを落っことしよってから」
メカリル族の村長であるシシカ・スパルシアはアナウンスで落ちた時、得意の飛行で浮かんでいたが、暗がりの途中、腰を岩肌にぶつけてしまい、結局、落っこちた。
「おーい、誰かいないかのー?」
スパルシアは周りに呼びかける。
落ちた先には大きな扉があり、そこには光が灯っている。その光のお蔭で、周りを見渡せるが人影はない。
「いないのか……」
スパルシアは前を向く。
この扉は圧倒的に怪しい。一人で入っていいのものなのか。
「おい! そこのじじぃ!」
突如聞こえたその声にスパルシアは振り返る。
そこには身体が細く、今にも死にそうな、老人たちが複数人いた。
「ぼさっとするな、休憩は終わりだ!」
「いや、わしは…………!」
「言い訳をするな! 早くこい! こんな大事な時サボるとは何たる奴じゃ!」
スパルシアは無理矢理、謎の老人集団に連れていかれた。
道中は洞窟のような道が続いていた。申し訳程度に照らされたろうそくの光で何とか足元が見える程度。
そしてその道を抜けると、開けた空間に出た。
「あ! 貴方は確か……!」
そこにはスパルシアも見覚えのある、若者が二人椅子に座っていた。
「お主は確か、クライドとレオルだったのかの?」
「はい、グレンドランゴ島―調査・護衛部隊隊長、アリルン・クライドです」
大きな体に似合った大剣を拵える姿はかなりの強者だと見てくれでわかる。
スパルシアもそれを察していた。
しかし、気になったのは横の男。
「あ、私はグレンドランゴ島―調査・護衛部隊隊員、ラインハート・レオルといいます、よろしくお願いします……」
確か、クライドの部下だと聞いていたが、かなり貧弱そうだ。
武器も素人が良く使う、短剣で、本当にあの、グレンドランゴ島の部隊員なのだろうか。
「わしは、メカリル族の村長―シシカ・スパルシアじゃ。それでお主らは何でここに?」
そんな本音は隠しつつ、スパルシアは情報提供を求めた。
ここは何処で、何故ここに来たのか。勿論気になることは沢山あるがまずはそこだ。
「アナウンスの後、私とレオルはここに落ちてきました。そこには今いる叔父様たちがせっせと働いていまして、話を聞くと、ここで労働者として強制的に働かせているらしいんです」
クライドはしんみりと語りだした。
スパルシアと同じく、ここに落ちたらしい。だが、落ちた場所は違う。それは飛行のせいであろう。だから、二人とは全く違う場所に落下したと考えられる。
「それで、私たちが、メッキガーデンを倒したら、ここから解放するといったら……」
「この方たちは私たちを自由に導く解放者なのじゃ!」
「…………この通り、叔父様たちは舞い上がってしまったというわけだ」
元気に踊りを始める彼らを三人は眺めることしか出来なかった。
この爺さんたちは何者なのか。そして、あの扉はどこに繋がるのか。
それはこれから三人が感じ、答えを知っていく――。




