アルとグレイとホルセpart8
グレイたちに緊張感が走る。
目の前の如何にも異質な魔力を放つフォースという人物に対して、こちらは、魔力が尽き掛けた二人と、気絶している一人。
そして、敵か味方か、良く分からない立ち位置のイレブン。
端的に言えば、この状況はかなりまずい。
「私を倒したら、シル・メッキガーデン様までの近道を教えてあげましょう、さぁ、掛かってきなさいな?」
余裕綽々のフォース。
それもそのはずだ、イレブンの魔力ですら、グレイやアルより遥かに上だったのにも、関わらず、それと同等、若しくは上の魔力量を誇っていたであろう、トゥエルブがこの様だ。
敗北。その二文字がグレイの頭を過る。
「フォース、仲間を殺すって、どういうつもりだ……?」
イレブンの声は震えている。
でも、それは恐怖からではない。怒りだ。
慕っていた兄を殺された、悲痛な心の叫び。いや、実際に叫んでいるわけではないが、イレブンの背中から感じる圧は、それに匹敵する。
「イレブンよ、私と殺るというなら、手加減しないけど?」
「望むところだよ、僕は今、初めて本気で誰かを殺したと思っているんだ…………!」
二人の間には誰かが関与できる隙はないように思えた。
しかし、グレイは動く。
「……俺らも、あいつと戦うよ」
グレイにとってこれはチャンスだ。
少なくともグレイとアルの二人ではフォースを倒すどころから、足止めにすらならないだろう。
だが、そこにイレブンが加わるというなら、話は別だ。
ホルセが疑似的にも戦闘不能ならば、対等にやり合えるのはこの中で確実にイレブンしかいない。
その戦闘にグレイたちが参加するなら、少なくとも勝率は上がる。
「…………わかった、ここは一緒に戦おう」
こうして、イレブンはグレイたちと、一時的かも知れないが手を組むことにした。
これで勝てるかも知れない。
グレイの頭には少しだけ、甘えが生まれていた。
しかし、いざ、戦闘が始まれば、そんなことなかった。
「その程度か、イレブンよ」
横たわるイレブンと、ボロボロのアル。
勿論グレイ自身も無傷な訳がない。
フォースの魔法は実に奇妙なものだった、当たったはずの攻撃も、ノーダメージ。イレブンが強力な魔法を唱えても、全ての攻撃はまるで効果がないような立ち振る舞い。
なのに、フォースの攻撃は確実に当たる。フェースの魔法の攻撃そのものは大した威力ではなかった。それでも確実に当たるそれは体力を徐々に奪っていく。
「……アル、まだいけるか?」
「えぇ、勿論です…………」
強がってはいるが、みんな限界だ。
そんな二人の肩をそっと叩くものがいた。
「遅くなったな、グレイ、アル」
「…………ほんと、遅いぞ?」
グレイはほっとしたのか、その場で倒れてしまった。
「やっとお目覚めかな? ホルセさん?」
「あぁ、私と勝負だ!」
勝敗はまだ決していないようだ――。
※まだ、続きそうですが、気長に付き合ってもらえると幸いです。




