表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/130

アルとグレイとホルセpart6

 そして、ブラックジャックが始まった。

 この局面でアルが参加したのには理由が勿論ある。

 アルの得意な魔法は精神支配といった相手の心を覗いたり、簡単な指示で操ったりすることだ。

 このブラックジャックは21を超えないようにカードを引き続けるその駆け引きが大事だ。

 つまり、イレブンの精神支配を一瞬支配してしまえば、良い。

 そう思っていた。

 

「あ、因みに、知ってると思うけど、魔法の使用は禁止ね、そんなことしたら、折角のゲームが面白くないからさ」


 イレブンは相手の思考を読む能力でもあるのだろうか。

 アルの密かな策略は一瞬で意味がなくなった。


「それでは始めるよ!」


 イレブンはリズミカルにカードをシャッフルする。

 パッと見、不正はしていないように見える。グレイもイカサマについてはそこそこ詳しいが、今のところ、そんな仕草は見えない。


「それではまず、グレイ二枚っと」


 イレブンは慣れた手つきで、グレイに二枚カードを配る。

 数字はQと3。10、J,Q、Kは全て10として数えるので今現在のグレイの数は13ということになる。


「まぁまぁ、だね、そしてアルはっと」


 アルの数字はAceと7。Aceは1と11になるのでアルは勿論、11を選んでだ。つまり合計は18。そこそこいい成績と言える。


「グレイ、どうする?」


「勿論、ヒットだ」


 ヒットはカードを引くことで、ディーラーからカードを一枚もらえる。

 カードをもらうことを辞め現状の手で勝負するときは、スタンドと言う。

 そして、グレイはヒット、つまりカードをもらうということだ。グレイは合計13なので、9以上の数字が出たらアウトだ。

 イレブンはさっと一枚のカードをグレイの前に置く。

 数字は。


 8、つまり合計は20となる。かなりいい成績だ。


 ディーラーは17になるように、引き続ける必要がある。逆を言えば17になるまでしか引けない。だとすれば、グレイはかなり有利な状況にあると言える。


「アルはどうする?」


「ス、スタンドで……」


「じゃ、僕の番だね!」


 グレイは経験で分かる。ここで勝ちを意識するのは良くない。

 20ということが相手は21を出して来たら負けなのだ。

 そして運命の時が来た。


 グレイにとっては仲間の命を賭けたバトル。

 ここで違和感に気付く。グレイはアルと、ホルセの命を背負って戦っているが、アルは何を賭けているのだろうか。

 そう、何も賭けていない。

 負けたらどうなるのか。

 何も聞いていない。ただ、このゲームに参加するなら、命を賭ける必要がある。それが参加条件だとイレブンは言っていた。

 つまり、アルも誰かの命を賭けているのだろうか。


 イレブンがカードを引く。数字は7、次に4。合計は11だ。

 一見、何でもないような数字に見えるが、これピンチだ。ここで10、J,Q、Kのいずれかを引かれたら、21となり、アル、グレイ諸共、敗北だ。


 イレブンが引いたのは。

8だ。

 つまり合計は19。

 この時点でグレイの勝利と共に、アルの敗北が決まってしまった。


「アル!!」


 グレイはアル呼ぶ。


「はい?」


「え?」


 何も起きない。アルは命を賭けたんじゃないのだろうか。


「はははっ! 僕の負けだね! いやー、久し振りの緊張感だったよ」


 イレブンは笑っている。


「……どういうことだ?」


「え? 何がだい?」


「アルは負けたから何かあるものかと……?」


「はははっ、なるほど、そんなことを気にしてたのか、いやね、僕は真剣なカードゲームがしたかっただけなんだよ、君たちの命なんて微塵も興味ないから、いやー、君たちは十分に僕を楽しませてくれたよ! さぁさぁ、次のステージに行っていいよ! 上ではお兄様が待っているんだ、きっと、楽しいゲームを考えてくれてるさ!」


 イレブンは戦闘力には優れているのに関わらず、戦うことに興味のないシルの複製。カードゲームやボードゲーム、テレビゲームなどを好み、それ以外には何の興味も示さない。そんな変わった、シルの遺伝子を受け継ぐものなのだ。


次の話はちょっと、脱線します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ