表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/130

アナウンスと鉄の花園

「……本当にこっちで合ってるのか?」

「あぁ、勿論。メジザ島には何度か来たことがあるからね、間違いないよ」


 メジザ島についたエオたちは、根本的なミスに直面していた。 

 メジザ島の何処にピースが囚われいて、何処にシル・マッカザージルのニセモノ魔愚たちがいるのか。それを知らない。

 しかし、それを解決してくれたのが、本家本元のシル・マッカザージル。

 シルはこの島に何度か来たことがあるらしく、道案内をしてくれた。


「この裏道を辿っていけば、城に入ることが出来るよ、ついてきてー」


 シルの言葉に疑いを覚えた者もこの中にいるかもしれない。しかし、エオは信じていた。目の前のシルからは、あのニセモノのような違和感がない。

 後だしじゃんけんみたいになるかも知れないけど、これが生きているひとの気配だと、エオは感じていた。


「ここが、入口なのか……?」


 大きな要塞から想像もできないほど、小さな入口。しかも、ボロボロだ。エオは昔一度だけ行ったことのある、遠い親戚の家を思い出していた。

 田舎のボロ民家。その玄関に似ている。


「あぁ、入って。お父さんの性格はよく知ってるつもりだから言うけど罠はないと思う」

「……何故そう思う?」

 注意深く、周りを見ているクライドは目線を合わさず、シルに尋ねた。

「入口の罠を仕掛けるのは面白くないからさ。僕と同じでつまらないことが大嫌いなんだ、シル・メッキガーデンという男は、ね」


 シルは堂々と入口から入る。エオも他のみんなも後に続く。

 

「……これって? 遊園地か?」


 城の中は予想だにしていない空間だった。

 テーマパーク。外見とは全く異なる、近未来的な空間。

 空中には物理法則を無視したジェットコースターが飛び回り、噴水は音楽に合わせ色を変える。マスコット、だろうか、風船を持っておどけている。

『レディース&ジェントルマン!! ようこそ、メジザ島の大型テーマパーク鉄の花園へ!今日の参加者を発表するよ』


 アナウンスが鳴っている。ふざけた声だ。

ホルセとグレイは呆気にとられている。防衛部隊のほとんどは警戒を怠っていないようだが、パンヌだけ、呑気に風船をもらっている。


『エオ、クライド、レオル、ホルセ、グレイ、アル、パンヌ、スパルシア、シル。計9名の方が参加です! 今回のアトラクションの選択に移るよ! 目の前の画面に注目!』


 大型モニターに映し出されたのは、ルーレット。さっきのマスコットがそれを回す。

 そして画面の端っこから鋭利な何かを投げる大きな人の手。

 投げたそれはルーレットに突き刺さった。


『今回のアトラクションは3on3on3です! それじゃ、楽死んでいってね~」


 ふざけた声が急に不気味な音に変わった。

 エオだけじゃない。皆、背筋が凍るような、そんな恐怖を感じた。


「…………」

「…………」


 変な空気が流れる。ここはどうにか何か言わないと。


「……あの」


 その刹那。

 足元の床がぱかりと開いた。


「うあぁぁぁぁあああ!!」


 誰一人として対応することができず、真っ逆さまに落ちていく。





「さぁ、始めようか、最高のショータイムを」


 シル・メッキガーデンは、ほほ笑んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ