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素直とワガママ

「エオくん? この子を知ってるのかね??」

 マトソムは不思議そうにエオの顔を覗いた。

「はい、朝、起きたら横で寝ていました、裸で」

「エオくんはやっぱり、淫力使いですね、性欲がお強い!」

「ち、違いますよ! 勝手に寝てて、勝手に裸で、勝手に出ていったんですよ!」

 酷い勘違いをされそうだったので、訂正した。


「それはそうと、村長。この子は誰ですか?」

「あー、こいつはピースって言ってね、とても、こう、ユニークな子なのだよ」

「ユニーク??」


「……そそ、ユニーク…………」

何故、そんなに気まずそう顔と声色なのか、気になる。

「ユニークってどの辺が、ですか?」


「まぁー、何というか、フリーダムというか、浮浪者というか? みたいな??」

 エオは理解した。


「つまり、ニートだと言うことですね!」

「あ、えー、まぁ、はい……」

 

 やっぱり。


「ピースは昔から自由な女の子でした、それ言えワガママだと思われソラーノ島のみんなとあまり仲良く出来なかったんです」

「まぁ、良くある話ですよね」

 エオ自身、身勝手な部分も沢山あるし、他人もきっと同じだ。

「でも、ピースの特殊能力はあまりに強大だから、皆もあまり近づかないようになって、ピースの孤立は進んでしまったんです……」


「特殊能力??」


「はい、ピースは話した相手の本質を見抜きます、つまり、嘘は絶対バレます」

 それはそれは、なんとも面倒くさい特殊能力だこと。

 嘘は時として建前とも言われ、相手を傷つけないための保護をすることもある。ピースがワガママっていうのはもしかしたら少しだけ違うかも知れない。真実を正直に喋ってしまうのだろう。


「ピースのことは任せて下さい」

「彼女はとても、難しい性格をしていますから大変なことになるかもですけど……」


「いえ、それはソラーノ島の皆さんの勘違いです、ピースにとってピースがやって来たことは間違いないじゃないんですよ」

「というと??」


「彼女の願いは、直ぐに叶えられるかもしれません」


 エオは市役所を出てすぐに、自宅に向かった。


 エオ家にて。


「やっぱり、いたか、ピース」

「な、何故私の名前を? あ、村長さんから色々聞いたみたいですね……」

「まぁ、ある程度はな」

「だったら、私から離れた方がいいですよ、家を勝手に借りたことは謝ります、ソラーノ島の子供たちとちょっと喧嘩しちゃって、いつも休んでる小屋取られちゃったのでつい、本当にすみません」

 ピースは頭を下げて丁寧に謝罪した。


「僕は謝罪が欲しい訳では無いんだよ、ピース」

「何をすればいいですか? 裸、また見たいんですか……??」


「違うよ!!!」


 見たくない訳がないじゃないか?!


「ケダモノ、ですね……?」


心の声が読まれてる!


「まぁ、そういう能力ですので、私はこれで失礼します」


 まってくれ!言いたいことがあるんだよ!


「なんですか……? 怖いですけど」


 ピース!僕とと友達になってくれ!!


「え?」


「僕と友達になってくれと言った、僕には少しだけかも知れないけど、ピースの気持ち分かるよ、僕も人付き合いうまくないから、中学の頃から友達はほとんどいないんだよ、だから、友達になってほしいんだ……」


「……でも、私の能力のせいで、嘘はすぐにバレるし、一緒にいてつまらないから、その、迷惑だよ…………?」


「そんなことはない!! 迷惑なんていうなよ、そんな悲しいことは言うなよ。大丈夫だよ、この家ならいくらでも貸してやるし、きついときは協力するから!」


 ピースの瞳から大粒の涙が溢れている。


「な、泣かないでくれ、ごめんなさい、泣かせるつもりは…………」


「エオさん、私、友達がずっと欲しくて、こんなに、優しくされたの……はじめてです……」


 涙が止まらない。

 地面には小さな水溜りが出来るほどに。


「エオさん……」

「な、なんだ?」


「私は今、幸せです!」


 ピースはエオに抱きついた。


「ちょっと、ピース!」


 ピースの涙がエオの頬に触れる。

 その瞬間!


 光が満ちた。

 エオはこの光を知っている。


「今のは??」


「多分だけど……」


 エオは自分の右手を開く。

 そこには一つの鍵がある。


「やっぱり、封印の鍵だ」

「おぉー! これは! なんですか??」


「いや、知らないのかよ、呪いを封印する鍵だよ!」

「呪い? あー、なんとなく知ってますけど? 詳しくは私、わからないです!」


 そんな堂々と言われても。


「でも、どうする? ピース、本当にこの家に住むのか?」

「今更、撤回は許しませんよ?!」

「いやいや、そんなつもりはないよ、ただ、女の子が男の家で暮らすのはちょっと、嫌かなって?」


「襲うんですか……?」


「襲わないよ!」


 襲いたいけどね!!!


「じゃ、大丈夫です!」


 あれ?心の声が聞こえてない!

 おーい!ピース!

 聞こえるかーい??


「ん?? なんですか? エオさん?」

「ピース? 俺が今何思ってるかわかる??」

 おっぱい。おっぱい。ピースのおっぱいボインボイン。


「えーと、あれ?? 分からなくなってる!?!?」

「だよな」


 良かった。これでバレてたらエグいことに。


「でも、エオさん、私の胸ばっかり見てるから大体想像は付きますよ……」

「いやー!そんなばっかなー!」


 バレバレでーした。


「で、でもさ、これでソラーノ島の人たちとも仲良くできるんじゃないか?」

 エオなりの励ましだ。


「いえいえ、その必要はないですよ!」


「???」


「私には大切な人と一つ屋根の下暮らすことが出来ますから!」


 ピースはいつだってワガママで、とてつもなく素直で。


 誰より綺麗な色で笑う女の子だーーー。


 

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