過去最強の魔法使いの誕生
「頑張りましたね。元気な男の子ですよ。」
看護師の女性がベットにいる母親に子供を抱かせた。母親は金髪で、とても美しい人だ。
ガラガラ 扉が開く音がした。
40代ぐらいの黒髪で、髭が濃い男性と、15才ぐらいの男が、ベットで子供を抱いている母親に近づいていった。
「アンリ、この子が......」
40代の男は、何を言えばいいのか分からず、言葉をつまらせている。アンリは、その様子に気づいているようだ。
「そうなんですよ。ルーズさん。私たちの2人目の子供、いや、愛の結晶なんですよ。フフフ」
「そうか、愛の結晶か。フハハハハ」
ルーズは子供を抱きながら喜んだ。ルーズは、2人だけの世界に入りこんでしまってる。15才くらいの男、1人目の愛の結晶は、その世界に入りこめずにいた。アンリは、しばらくすると気づいたようだ。
「ルカも、抱いてあげなさい。あなたは、今日からお兄ちゃんなんだから。」
「うん」
元気よく返事を返した。
(この子が、僕の弟、かわいいなぁ、なんかフワフワしてるなぁ)抱きながら、ルカは、こんなことを思っていた。
「そうだ、名前を読んであげろよ。」
ルーズは、ルカに言った。
「うん、お前の名前は、アール=ガレットだ。」
「オギャァァアー」
アールも名前を読んでもらって喜んでいるみたいだった。10月の18日、ルアが誕生した日であった。
ーーーーーー
二週間がたった。二週間ぐらいは、赤ちゃんは、病院にいなければならないらしい。もちろん、母さんもだ。自分が生まれた時もそうだったのかなぁと思った。いよいよ退院の日だ。
今日からは、家に住むことになる。これから、どんな生活になるんだろうと思うとワクワクしていた。
「それじゃあ、いきましょう。」
アールを抱いた母さんが、やってきた。アールは、二週間前より、成長しているみたいだ。父さんが、運転している車に乗り込み、家に帰った。二階建ての家だ。屋根の色は赤っぽい色で、レンガでできている。
家に着いたら、母さんは疲れた見たいで、アールを僕に、任せて部屋で眠ってしまった。僕は、アールを子供用のベットに寝かせた。昔、僕が使っていたものらしい。
「はぁ、こうして見るとますますかわいいなぁ、アールは......」
アールのほっぺに目がいった。もちもちして、柔らかそうだ。
「少しくらいなら、さわってもいいよね」
ルカが、アールのほっぺに触ったときだった。
「いたい、もう少し優しくさわれないのか。」
アールがしゃべり始めた。ルカは、困惑の表情をしている。アールにもそれが、伝わっているようだ。
「おーい、聞こえてるか。大丈夫かー」
アールは、立ち上がりながら、ルカに話しかけている。しかし、ルカは、困惑しているようで、返答を返さない。
「うーむ。転生には、成功したようだな。しかし、子供の体に入ってしまうとは、できるなら、目の前のこいつくらいの年に転生したかったがな」
アールが1人でブツブツと喋っている。ルカは、しばらく考えた結果、アールを、とても優秀な子供と、思うことにした。
ーーーーーー
ルカは、落ち着いて来たようだ。それに、アールも気づいたらしい。
「おーい、お前は、誰だ。名を名乗ってくれないか。ここは、今何年だ、教えてくれ」
アールは、赤ちゃんようのベットの壁に寄りかかりながらルカに、質問をした。
「僕は、ルカお兄ちゃんだよ。ここは、神聖2217年だよ。」
(神聖2217年か、1400年後くらいか)
アールは、しばらく黙りこんだ。それは、ルカについてのことだった。
(こいつに全て話していいのか。いや、信じてもらえないな。この姿で、喋っただけであの反応だったからな。喋らずに魔法の才能がある子供ということにしよう。それなら、まだ、転生という秘術について説明するより、わかるだろう)
「ありがとう。ルカお兄ちゃん。」
(なるべく、子供っぽく話してみたつもりだ。気持ち悪がられるか)
ルカは、涙目だった。かわいい弟にこんなに早く名前を呼んでもらえたからだ。
(うっ、こいつ泣きそうになっているのか。訳がわからん。それはそうと、早くこの世界を見てみたいが、この姿じゃなぁ。よし、魔法を使って成長するか)
「成長魔法 グロース」
アールが魔法を唱えるとみるみる成長していき、ルカと同じくらいの年の少年になった。顔の良さは、なかなかによい。
「えっーーーーーー」
ルカは、ましても、驚いた。一つは、アールが、自分と同じくらいの年になったことに。二つ目は、全裸で赤ちゃん用のベットに立ってることに。