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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

聞かせない遠吠え

作者: マリー・コレーリ

これがフィクションか

ノンフィクションか


あなたの想像のままに

 ああ

 今日も 今日もだ


 あの軽蔑で歪んだ顔が見える

 あの嘲笑の奇声が聞こえる

 色鮮やかに滲んだ濁った赤色が見える

 頭を掻くと爪が血で汚れる


 だれかのうるさい吠えるような泣き声が聞こえる

 ああ これは自分が発しているのか


 今日も目の前の顔が私を見て嗤っている

 近所迷惑でうるさい?そんなの知ってる

 誰にも届かないはずなのに

 ものすごく痛くて悲しい

 だから吠えて なんとか吐き出している


 今日も床に置かれた淡白な食べ物だ

 汁物のとこは最悪だ

 全て舐め取らないと頭を踏みつけられる


 謝れ!と何度言われたか

 私は何に謝ればいいのかわからない

 食べ終わるのが遅いこと?

 お風呂代がもったいないこと?

 トイレでこもりたくなること?

 頭が悪いこと?

 お金をドブに捨てるようなことばかりなこと?

 泣くことしか出来ないこと?

 殴っても鬱憤晴らしにならないこと?

 なにも応えられないこと?

 この家の家族であること?

 生まれてきたこと?


 死ねないこと?


 …お母さんは なんでお父さんの前では目を腫らしているの?


 私は

 私の間違いはどれなの


 髪の毛が歪んでいるのを直せばいいの?

 顔が泣いてしまって歪んでいるのがいけない?

 目を合わせた時にどんな目つきで見ればいい?

 流す涙がもっと綺麗になればほめてもらえる?

 こんな手じゃなかったら包んで握ってもらえたのかな?

 足が曲がってるのを治せばお母さんの自責は晴れるの?


 全部直せば性格が治るんだね。


 こんな皮膚だからお母さんは何回も引っ掻きたくなるのかな。


 全部 全部直せば

 全部正せば 誰かに褒めてもらえるのか。



 10年経った今、

 間違いだったことは何となくわかるようになってきた

 母親が私のためを思って勉強させてきたこと

 母親の思う幸せを子供に与えようとしてきたこと

 母親が周りの目が気になって追い詰められていただろうこと


 でもあなたは何も覚えていない

 何をしていたのか

 具体的なことは何も覚えていない


 私の名前が泥棒やヘドロ、疫病神、ゴミだったことがあって、名付けたのがあなたであることを何一つ覚えていない

 家族全員に対して敬語で話せとあなたが私に言ったことで私が2年近く妹に対しても敬語であったことなんてなかったことになってる


 私は忘れられない

 それはきっと私がバカだから 疫病神だから 人間の不良品だから

 わかっている

 私は過去に捕われすぎているのだろう

 どの先生に言っても「思春期だから」と言われて何も相手してくれない


 さすがにわかってきた

 所詮他人にとって私の価値などその程度なのだ

 誰も私のことに対してさほど興味はないのだろう

 友達だって、私のことは大勢の中の1人というカウントでしかないのだろう

 それは私が自分の人生だけであっぷあっぷしているのと皆の現状は同じなのだろうか


 あまりに母親の過干渉を受けすぎて

 私の常識はぶっ壊れているのだろう


 でも


 

今は誰かを救いたい

(本当は誰かに毎日あの頃のトラウマに苦しんでいることを知って欲しい

 本当は誰かに()()()()という理由で私の人間を 人生を認めてもらいたい

 苦しかったことを 今も息ができないことを誰かに教えて 助けを呼びたい)


 

同じように苦しんでいる誰かを

(自分が流している涙の処理もできずに、その涙に未だに溺れている自分をどうにかしてほしい)


 

苦しんでいる親を救わないといけない

(自分で 自分を許せるきっかけの何かが欲しい)


 

自分に出来ることはなんだろう

(私はまだ何かのために優等生で居なくてはならないという強迫観念に駆られてしまう)


 

私に出来ることをさがしたい

(私の心の中の 昔の母親を ころしたい)


 

助けてという声に応えないといけないと思う

(誰か おねがい )






そばに苦しんでいる人がいたら

頷いて話を聞いてあげてください


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