物語によくいる天才キャラって言うほど頭いいかな?
はい、この短編小説はあらすじにも書いた通り作者の単なる考え方でしかないので、人によっては違うだろそれと思うかもしれませんが予めその辺りはご了承ください。もし何か反論等あれば感想欄の方にお願いします。
さて、前置きはこの辺りにして本題に入っていきましょう。まぁ本題は既にこのエッセイのタイトルにもなってしまっているので今更ではありますが、小説や漫画の天才キャラとは何ぞや。今回はこれに焦点を当てていきたいと思います。
そもそも天才ってどんなタイプがいるんでしょうか。スポーツが万能な人? 勉強ができる人? あるいは喋りがうまい人? 最初に結論から言います。これらは全て等しく正解であり不正解です。あくまでこれらは才能があるというだけで天才ではありません。
なら一体天才って何なの? 天才になるうえで一体何が必要なの? 先の例と解答を踏まえればこういう疑問が出てくると思われます。ですがこれは案外簡単で、その答えは人から認められる、ということです。
二つほど例を挙げましょう。まずはそうですね、頭脳面での天才ではありませんがモーツァルトについて話しましょうか。彼は生前から天才だと謳われており、宮廷にすらその名を知らしめていました。勿論彼は当時だけでなく、現代でも誰もが認める音楽家であり、その才能を疑うものはほとんどいないでしょう。故に彼は天才だと断言することが出来ます。と、ここまでは誰もがその才を疑うことのなかった当たり前の天才、モーツァルトについて話してきましたが、問題は二人目の方です。エヴァリスト・ガロア、彼は天才としては少し厄介な立場にあります。
エヴァリスト・ガロア、彼はフランスで生まれた有名な天才数学者であり、彼の提唱したガロア理論は後に代数学だけにとどまらず、様々な分野において用いられるほど重要な理論になりました。と、そんな偉大な理論を作り上げた天才ガロアですが、なんと彼は生前大衆から賢いという評価を受けてはいませんでした。何故か、身もふたもない言い方にはなりますが、一言で言うと周りが馬鹿過ぎたのです。もっと正確に言えば周りの人間が彼の思考を理解するレベルにまで達していなかった、時代が彼に追い付いていなかったということです。故に後世の数学者が彼の理論を理解しようとしなければ、彼が天才としてこの世に名を残すこともなかったということです。
ここまでくれば言いたいことはもうお分かりかと思います。そう、この世界に才能がある人間は五万といても、天才になれる人間はほぼいない、天才とはすなわちその人が持ってる運量に依存するのです。
ガロアの例から考えても、恐らく世界には今天才と呼ばれている者たちより才能がある人間は多数存在していると思われます。過去の偉人達よりさらに才能がある人間がいないなんて、そんな発想ははっきり言って都合が良すぎます。
ですが通常それらの才能は埋もれてしまうものです。努力が出来ないから、認めてくれる人がいなかったから、最初から興味がなかったから、実に簡単に才能は潰されてしまいます。だから人から認められないがゆえに自分は才能がなかったという考え方に至るのは本来間違いであり、むしろ自分は才能を活かすことが出来なかったと、そう考えるべきなのです。
少し話が脱線しました、ではこれが小説や漫画における天才キャラに一体どうかかわって来るのか、そこについて考えていきましょう。
頭脳系の天才キャラとしてよく挙がるのはデスノートの夜神月とL、名探偵コナンの江戸川コナン、そして世界的な名作の主人公、シャーロックホームズあたりでしょうか。彼らはその奇抜な発想で事件を解決したり相手を出し抜いたりしますが、しかし皆さんの中にはこう思った方もいるはずです。いや、お前その論理ガバガバじゃね? と。そんなんで天才名乗っていいの? と。
勿論私はまるで賢くないですし彼らより面白い物語も作れないので、これらを批判する権利など一切ありません。が、あえて神をも恐れぬ発言をするならば、有名無名関係なく大体の作品において論理展開及び能力設定というものは破綻しています。大体天才キャラと言って頭のいいキャラを出しても、その設定を活かすことなく脳筋戦法をとらせている作品数多くあります。
では彼らはやはり天才ではないのか。現実世界において天才だと認められない天才キャラたちは天才(笑)にしかならないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。彼らは確かにまぎれもない天才たちなのです。
物語を作るうえで作者より頭のいいキャラを出すことは出来ません。これは考えなくてもわかることであり、物語を一度でも作ってみようとした人なら誰しも身をもって知っていることだと思います。ですがこれは裏を返せば物語の中に作者より賢いキャラクターは誰もいないということになります。つまり物語の住人たちは皆、例に挙げた天才キャラ達よりその頭脳は遥かに劣るということになります。
あとはもう今まで述べてきたことを考えれば分かると思います。そう、天才キャラたちはあくまで作品の中で天才であればいい、作品のキャラクターたちから天才と認められれば誰が何と言おうと彼らは天才なのです。どんなに外野がいや賢くねぇだろと騒ぎ立てても、それはお門違い以外の何物でもないのです。
ここまでだらだらと天才キャラというものについてひたすら書いてきましたが、では結局私は何が言いたいのか。簡単なことです。
物語で出てくる程度の天才イチイチケチつけんじゃねぇよめんどくさい
以上です。駄文を最後までお読みいただき誠にありがとうございました。よろしければ私の書いた作品も読んでみていただけると幸いです。よろしくお願いします。