なろう作家戦記
蘇る 蘇る あの歌が耳に木霊して蘇る
「やめろー! お前は元々創作が楽しくて始めたはずだ!
それが受け入れられなかったからと言って 鬱になって自害でもするつもりか?」
「違います そうじゃありません」
「だったらなんだと言うんだ! 近頃のお前の体たらく振りは!
少年の頃 お前の大好きだったアニメの主人公達はどうした!?
彼らは人々に見捨てられ、最早死さえも覚悟した時どうした?」
「彼らは最後の一歩を踏み出した」
「ならばお前には お前の行くべき道がある! 最後の一歩を踏み出すといい!」
悲劇とは喜びの 傍にあり 逆もまたしかり
輝ける栄光と未来のために 進め!
やるぜ! オーッ! 書くぜ! オーッ!
体震わせて
取るぜ! オーッ! 筆を! オーッ!
ようこそ 舞い戻る全ての世界達
「あー! もう限界だわ! 最後の最後で筆を折らないとイケないなんて
それもまた宿命 あなたとはお別れの時よ」
「まだ別れたくありません
どうしてこうもニーズと書きたいものが一致しない作者は
息絶えていくのか」
「そんなの当たり前よ かつて自分が愛したものは古び
新しいものが需要として生まれる! それが自然の摂理というものよ!」
「納得しかねます。思春期の僕らのあのトキメキは嘘だったのか と」
「嘘じゃないわ! 幻でもない! あれはたしかにそこに存在したわ!
だけどね! いい!? 聞いて! あのトキメキがたしかに存在したように
今の時代も新しいトキメキが生まれているのよ! 老兵は去りゆくのみよ!
それじゃあ お別れね またね」
「では痛恨の想いで私は進みます さらばです!」
新しきは古きに 時に勝り 駆逐する
それでも栄光と勝利の光を欲せば
書くぜ! オーッ! 行くぜ! オーッ!
心を乱すほど
練るぜ! オーッ! プロット! オーッ!
ようこそ 蘇る世界の全て達
蘇る 蘇る かつて金にならない 共感されないとして破棄したアイデアの数々が
もしも志半ばにして筆を折った者達は
その背を支える同胞 盟友として ヒーターの効いたお茶菓子屋で再び会いましょう
きっと願いが叶うように
それでは! 心を決めたからには私は行きます!
こんなに曇りがかったお天気の日だからこそ
我々は光を求めて何か積み上げるべきなのです
行くぞ! 行くぞ! 行くぞー!
さらば! 廃墟と化した 悲しむべき思い出の荒野達よ!