表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/22

第五話 日常崩壊5

現在、日曜の朝4時頃。締羅はふと目を覚ますと、トイレに行こうと起き上がった。ところが思いがけないようなことがあった


「な、なんだとーーー!」


なんと締羅の横には龍の姿は無く、かわりに少女が眠っていたのだ。しかも締羅の腕にしがみついて。


その少女は、膝あたり程までもある龍の鱗とそっくりの色の青い髪、翼のようにとがった耳。年齢は13、14ぐらいだ。寝ているので目の色は分からないが、整った顔をしていた。そして、ふさふさの鱗と同じ色の毛に覆われた尻尾があった。美少女と言えた。いや、可愛いも当てはまるだろう。


可愛い子だな。でも、俺は絶対に女の子なんて家には入れてないぞ!ちゃんと鍵も掛けたし、入って来れるはずが無い!そういえば、龍の姿が見あたらないな・・・


俺はまだ変な夢を見ているんだ。次に目を覚ましたときには、もうこの子もいない・・・


締羅はそう考え再び眠りについた。どうやら彼は、このことを夢だと思い込んでいるようだ。



そして朝9時を過ぎた頃、締羅は目を覚ました。が、横を向くと、4時頃に見た時と同じ後景があった少女が寝ているのだ。「ゆ・・・夢じゃ・・・なかったのか・・・」


締羅は唖然としたが、落ち着いて考えるためベッドから出ることにした。ちょうど今、少女が離れているので出るには絶好のチャンスだった。締羅はベッドから出ると、部屋を出てリビングに向かった。


「なぜだ・・・どうなっているんだ・・・」


締羅は先ほどからソファーに座り、考えこんでいた。


「なんで女の子が・・・しかも俺のベッドに。俺は昨日龍と寝たはず・・・そういえば、龍は何処いった?」


締羅は家中探したが、龍の姿は見つからなかった。


「あの子に聞いてみるか・・・何か知っているかもしれない」締羅はふと部屋の前で止まった。


なんか入りづらいな・・・


女の子が部屋の中で寝ているので、締羅は戸惑った。



ここは俺の部屋なんだ部屋の主が入れないでどうする。


締羅はドアをあけ、部屋に入った。少女はまだベッドで寝ていた。締羅は少女に近づいた。


「おい、起きて。起きてくれ」


起きる様子が無かったので締羅は少女の体をゆすった。


「頼む、起きてくれ」


「うう〜ん」


少女は目を開けた。やっと起きたようだ。その目は締羅と同じ透き通った青色だった。


「ふにゅ?朝?」


少女は可愛らしい声を出して起き上がった。


「やっと起きたんだな。で、いきなりだが何で俺のベッドにいるんだ?」


「え?私は昨日ご主人様と一緒に寝ましたが・・・」


「はあ?」


ご主人様?いったい何を言っているんだ?この子は・・・


「なあ、ここに龍はいなかったか?信じるわけないが、いたんだ」


「龍ですか?」


「ああ、そうだ。見てないか?」


「えっと、あの、その龍ってこの姿ではありませんか?」


少女はそういうと目をつぶった。すると、青い光に包まれた。


この光は・・・青の光・・・


光が消えると、そこには見覚えのある龍の姿があった。


「ま・・・まさか・・・君は青の世界で伝説と言われている龍人なのか?」


「はい、そうです」


「ふっ、まさか実在するとはな・・・これは驚きだな・・・」


「私達は伝説とされているんですか?」


「ああ。絶滅したとも言われているし、存在しないとも言われた存在だ」


「ご主人様は私のことを疑っていらっしゃいますか?」


「いや、真実を見たからには、信じるしかないしな」


「あの、ご主人様は私を殺そうとは思っていらっしゃらないですよね?」


「当然だ。殺すなんてことはしない。それよりなんでご主人様なんだ?」




「はい、それはご主人様が怪我を負っていてた私を助けてくださり、それに優しく接してくださったり、食べ物も下さいました。こんな人に、私は会ったことがありませんでした。だから私は、ご主人様が主であってほしいと思い、そう呼んでいるんです」


「そうなのか。そのご主人様というのはなんとかならないのか?」


「いいえ。私はそう呼ぶと決めましたので、ずっとそうご主人様のことを呼んでいくつもりです」


「そ、そうか。それでいつまでここにいるんだ?」


「ずっとですよ、ご主人様。ずっと一緒にいます。これからも、よろしくお願いします」


「え?・・・あ・・・はあ、これからどうなるんだ・・・」


この瞬間、締羅の平凡な日常は崩れ去ったのであった・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ