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第十八話 女心・龍心

どちらがいいって言われてもな・・・


俺は今二人の質問に戸惑っている。内容はティオとレイジン。どちらの主でいたいかということになる。


「なあ、ティオと前に合体みたいなことしたじゃないか。レザ・・・なんとかだったか?」



「レザクトですか?あれがどうかしたのですか?」



「ええ!?ティオ。あなたお兄様とレザクトしたの?」



レイジンが驚きを隠せないようだ



「羨ましい?」



勝ち誇った顔をレイジンに向けるティオ。



「うう、なら私もレザクトする!テイラ様ー!」



突然レイジンがそう言うとテイラに飛び付いた。と、同時にレイジンの体が輝きだし、光の球体となり、テイラの体を呑み込んだ。



「ちょ、うわーー!」


「う、ウソ・・・」



光の球体は輝きを増し、一瞬カッと光るとそこには真紅の輝きを放つ防具に身を包み。背丈の倍程もある長く鋭い槍を手にした、レイジンとレイジンした姿のテイラがいた。



「な、なんだこれ」



テイラは突然の事に戸惑っていた



「そ、そんな・・・人間は龍一匹としかレザクトできない筈なのに。それが人間の限界なのに。テイラ様・・・あなたはいったい・・・」



「え、えっととりあえず元に戻りたいんだが」



するとまたテイラの体が輝き、少し経つと元に戻り、テイラの横にはレイジンがいた。



「やったね!テイラ様!私達、レザクトできましたよ!」



「よ、よくも・・・レイジン!私とあなた。一対一で勝負しましょう。勝った方がテイラ様のものよ」



「いいわよ。テイラ様、期待してて下さいね!」



「え?あ、ああ・・・」


「そんなこと言ってるのも今の内。テイラ様、すぐあなたの元へいきますからご心配なく」


「へ?あ、あの・・・」


はあ、これが女心というヤツなのか?さっぱりわからん・・・


二人は龍の姿になると、家を飛び出した。



なっ!?ま、まずい!外行ったら一貫の終わりだ。


だがテイラには今の二匹を止めることができず、そのまま二匹は玄関のドアを開けて飛び出してしまった。テイラも急いで飛び出し、弓と透視体薬の入った瓶を召喚して矢の矢じりに透視体薬をつけ、二本同時に放つ、二本の矢は見事二匹に命中したあまり離れた所にいなかったから当てるのは難しくは無かった。


「ひとまず姿は消した。だがいつまでも持つことはない。速急に止めなければ」



テイラは千里眼薬を飲むと空を見上げた。二匹の龍は弓が刺さったことにも気付かずに暴れ回っている。そのとき、青い龍のティオが真っ青な炎吐いた。そして紅い龍のレイジンも真紅の炎で迎え撃つ。


「しまった!姿までしか消せないんだった。」



空には青と紅の炎が出たり消えたり。


なんとその火は近くの家に移ってしまった。

「くそ、アクアウェイブ!」


テイラが火が移って燃え上がっている家に手を向けた。


「きゃあ!火事だわ!」


近くにいた中学2年くらいの少女が叫ぶ。



やめてくれ!大騒ぎにしたくないんだよ!


テイラの手が光り、彼の前に巨大な水柱が現れ、凄まじい速さで燃えている家に突き進んでいく。


バシャーーーンと大量の水が飛び散る音がする。見事に家の火は消えていた。不幸中の幸いこの家は空き家だった。



テイラは今だに戦っている二匹の龍に叫んだ。


「おい!もうやめろ!周りに迷惑がかかっているぞ!」



‘テイラ様!邪魔しないでください!’


‘そうです!これは真剣勝負です!テイラ様は何もしないでください!’



「説得しても無駄みたいだな・・・おい!いい加減にしないと怒るぞ!」



‘喰らえ!’


ティオが前足の鋭い爪でレイジン攻撃する。突然の接近攻撃にレイジン反応が遅れてしまう。


ガキ!


なんとか爪で防いだレイジンだったが。攻撃の衝撃までは防ぎきれず、火のついていた家に叩き落とされる。



ドゴーンと大きな音がして家の屋根が崩れた。


‘いたた・・・やったわね!じゃあこれはどお?’



レイジンは火の玉の様なもの放った。それはかなり速かった。ティオはなんとかかわすがそれはティオを追跡してきた。ティオは火を吹いたが火の玉の方に押され、喰らってしまう。



‘うあっ!’


ティオは怯んでしまい、地面に落ちそうになった。


くそ、もう強制的に止めるしかない。



テイラは家に戻ると自分の部屋へいき、ベッドの下にある剣を取り、外へ出た。レイジンはすでに空に上っており、また戦い続けている。



「二人共!止めないのなら斬るぞ!」



“もう放っておいてください!”


と二匹同時に言ってくる。


「それができないから止めろと言ってるんだろ!」



‘もう家に入っていてください!’


とティオが叫ぶ。



くそ、こんなことのために俺は剣を使いたくない。



そのとき、ティオがかわしたレイジンの火の玉が先ほどいた中学2年くらいの少女に襲いかかる。


「っ!危ない!」


テイラは

助ける時間までは無かったので少女の前に立った。そしてまともに火の玉を喰らった。


「ぐあっ!」



「ああ!だ、大丈夫ですか!?」



「ああ、このくらい大丈夫だ。くそ、もう我慢ならない!」



テイラは持っている剣を鞘から抜いた。見るには極普通の剣だ。テイラは剣に力を送る。するとその剣は輝きだし形を変え、テイラの背丈ほどもある巨大な大剣になった。



「ここは危険だ。逃げろ」



「あ、は、はい!」


そう言うと少女は逃げて行き、やがて姿が見えなくなった。



テイラは二匹の龍を睨みつけると、空高く飛び上がり、二匹の龍のいる所まできた。



‘な!?て、テイラ様!’


「天空の剣技、斬天激!」


テイラはそう言うと二匹に手に持つ大剣で連激を喰らわせる。ドガン、ドガンと一撃が重い音がなる。計8発の連激を与えた後、切り上げて後ろに宙返りし、その勢いに乗せて縦切りの構えにもってきた。そして叩きつけた。



ドカァン!



二匹の龍は凄まじい速さで地面に落ちて行き、地面に力一杯叩きつけられて共に気絶していた。



「ふう、つい本気を出しそうになった。本気を出していれば二人は確実に跡形も無く消えていただろうな」



テイラは地面に降りると大剣をもとに戻し、鞘に納めた。


「全く。二人が来てから俺の生活は非日常だ」



テイラは二匹を担ぎ、家に入った。



二人の寝床作らないと。傷治さないといけないな。ひとまず俺の部屋に置いとくか。



そう言うとテイラ二匹を傷を治して部屋を後にし、夕食を食べ、さっさと風呂に入った。


テイラは湯船につかってぼんやり考えごとをしていた。



ああ、なんか大変だったな今日は。

早く青の世界に戻りたい。

が、それは自分に力が戻らなければできない。

青の世界に戻るにはその力が必要となる。

その力で青の世界に繋がるブルーラインゲートという時空の歪をつくることができる。

赤の世界にはレッドラインゲートを通らなければならない。

青と赤の世界は元々ひとつだった。

ブレードルとよばれている世界で、青の世界と赤の世界に分かれているのだ。

その二つの世界の間に大きな争いが起こった。それがブレードル終末戦なのだ。それからは何年か経った。現在は青と赤の世界は争いを止め、共存する道を選んで平和が訪れているらしい。この世界に龍が迷い込んで来ることはあってはならないことだ。青の世界に戻り次第、直ぐにその原因を突き止めらければならない。さて、もう上がるか。


テイラは風呂から上がり、部屋へ向かった。部屋に入ると、敷いた布団の上で眠る二匹の龍に掛け布団を掛けてやるとベッドに潜り込み、直ぐに眠った。



青の世界に戻る日がまた一日、一日と迫りつつある・・・






翌朝



朝9時を時計が差している。連休中だからこの時間まで寝ていても特に問題は無い。



「朝・・・か。あれ、なんでティオがベッドの中に!?」


テイラは反対方向を向くと予想通りレイジンもいた。



「朝から何なんだ!」


テイラは二人り腕を組まれ、動けない状態になっていた。



「う〜ん。あ、おはようござます。テイラ様」



ティオがニコリと微笑む。



「あ、ああおはよう」


「おはようござます。お兄様」



「レイジンも起きたか」


二人ともなんか仲良くなってないか?



「なあ、二人ともなんかあったか?」



「うふ、昨日テイラ様が寝た後私達仲直りしたんです。ね?レイジン」



「うん。そうだよ。ごめんなさいお兄様。勝手に喧嘩なんかしてしまって。お仕置きでもなんでもしてください!」



「あの、私もすみませんでした。テイラ様の気持ちも知らずに・・・」



「いや、俺の方こそ悪かった。俺にふさわしいのは二人共だ。契約した以上、俺が責任を持って二人の主を努める。だが、俺は二人を下僕扱いはしない。絶対にな。だからこれからも宜しくな。二人屋へ向かった。部屋に入ると、敷いた布団の上で眠る二匹の龍に掛け布団を掛けてやるとベッドに潜り込み、直ぐに眠った。



青の世界に戻る日がまた一日、一日と迫りつつある・・・

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