事の発端
異世界召喚をビジネスにする世界が有ったら面白いかな?
と思って書いてみました。
大まかなストーリーは考えていますが、大体、行き当たりばったりなので、非常に読みづらい物に成ると思いますが、よろしくお願いします。
「申し訳ありません、ですが私どもにも生活と言うものが…」
王の前で悲壮な顔をした老人が言った。
この後に続くセリフは大体わかる、いや分かってしまう、同じようなセリフを何度も聞いてきたのだから。
決して、聞きなれているから平気と言う訳では無いが。
前王が病で亡くなって、跡を継いだ現王は若干14歳、王としての素質は持っていたが、いかんせん経験が少なすぎた。
王の権威は徐々に衰退してゆき、一人また一人と人材が去っていく、一年を過ぎた頃には、前王の側近であった老将ただ一人になっていた。
そして、その老将も今、立ち去って行った。
「残り約1200G…王城の維持に260G掛かるから……」
最後の砦であった老将が立ち去って行ったあと、項垂れてた王はポツリと呟いた。
王の城としては小さいが、独りで住むには大きすぎる、維持費が掛かるから改装したいが金は無い、八方ふさがりだった。
「とりあえずは人材…でもドコから…近隣の王には頼れないし…」
追い詰められた王は、とうとう賭けに出ることにした。
異世界から人材を発掘する事にしたのである。
この世界では異世界召喚を商売にしていて、金さえ払えば異世界から人間を呼ぶことが出来る、異世界人は基本的に高い能力を持つ、更に特殊なスキルを保持している場合が多い、費用はそれなりに掛かるが英雄クラスを当てれば、一軍に匹敵するほどの軍事力や、国を建設する事だって不可能では無い。
「確か、勇者コースは2000Gで英雄コースが5000G……ダメだ全然足りない」
異世界召喚には料金に応じて、最高額の救世主コース10000Gから、最安値の旅人コース500Gまで有り、選んだコースに応じた者が召喚されるのだが、あくまで確立であって絶対では無いので救世主コースで召喚したが凡人が召喚される事も有る――もちろん、その逆も。
「旅人コースなら…2回、出来るし、よし決めた…」
こうして王は 異世界召喚を決めた、だが王は勘違いをしていた、異世界召喚は確かに金で出来るが、召喚するだけであって、絶対服従する訳ではなく、働いてもらうには自分で説得するしか無い。
そして召喚には最高で10000Gだが、送り帰すには途方もない金額が必要なのである…