滝田聡司の告白 32
……とまあ、そんなわけで。
オレは軽音部には行かず、吹奏楽部に残ったわけだ。
なに、残ったっていうか、結局流されてそっちに行っただけだろって?
いやいや。違えよ。
最初はなんだかんだ色々あって迷ったけど、吹奏楽部に残ったのは、完全にオレの意思だよ。
叩いて叩いて、叩いた先にあった、オレ自身の答え。
そこにあった矛盾を吹き飛ばした、想定外の未来。
それを見せてくれたのは――こないだも言ったけど、やっぱりオレの周りにいっぱいいる、愉快な馬鹿どもたちだったんだからな。
だからオレはあのときの選択にも、その結末にも、後悔も未練を感じたこともねえんだよ。
やりたいことやって、いっぱい迷惑かけて、かけられて。
そんなこの話だったけど、オレはそんなあいつらのことが、本当に大好きなんだからな。
だからもう、今となってはこれも、いい思い出さ。
まあ……最後のアレは、さすがにどうなんだって思うけどさ……。
ていうか、あれ本当になんだったの?
さすがにあれだけは、今でも何だったのかよくわからねえんだけど。
え……自業自得?
あ、えーと……あの、そうなの?
……えー?
……うーん、なんだろう。そのことについてはまだ、納得いかないんだけどさ……。
でもまあ、この後のことに関しては、あんたも知ってる通りだ。
オレは吹奏楽部の打楽器のパートリーダー、そして副部長として三年生になって。
湊と会って。
城山先生とか、他にもいろんなやつに出会って。
そんでまた、新しいものを見つけて。
このときと同じくらい、たくさんたくさん、愉快な馬鹿どもに囲まれて――
そして最後までやりきって、こうして今、ここにいる。
それは紛れもない、事実さ。
それだけは、誰にも否定させねえよ。
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さーてと、んじゃ、そんな感じで。
長々と語り続けてきたこの話も、これでおしまいだ。
え、もっと話を聞きたい?
いや、とはいっても――もうこのとき起こったことは、包み隠さず全部話しちまったぞ。
これ以上話せるようなことは、さすがに残ってないんだけど――
あ、じゃあ、そうだな。
今までのことは話したから、だったら今度は、これからのことについて話すことにしようか。
こないだオレ、将来のことなんて、今考えてもわかんねーって話したけどさ。
けど、これからすぐ先にある大学生活のことについてだったら、ちょっとだけ、考えてることがあるんだよ。
入った大学に、吹奏楽部と軽音部、どっちがあるのかはわかんねーけどさ。
それでも、どっちの部活に入るかって言われたら――
ま、やっぱ両方だな。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
聡司を主人公にした外伝「ふたつのドラム」、これにて完結です……と、言いたいところなのですが。
実は、もう1話蛇足というか、おまけを用意しております。
どうぞ最後の最後まで、お楽しみいただければ幸いです^^




