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滝田聡司の告白 21

 指を目一杯使う楽器っていうのは、なんだか細々と色々あって大変だなあ。


 ピアノもそうだけど、フルートとかクラリネットとかサックスとか、木管楽器の連中見てるとすごくそう思う。

 なんであんな、リラリラリラリラと、連譜で真っ黒い楽譜平気で吹けるのかね。わけがわからん。

 ……あ。だからオレ鍵盤楽器苦手なのか。


 えーと……まあ、だからこそ俺がドラムで走ると、あいつらすげえ顔して睨んでくるんだろうけど。

 「こっちが必死でやってんのに、あおってくるんじゃねえ!」みたいな……あ、はい。すみません。


 けどさあ、気持ちよくなってきちゃうと、やっぱり走るんだよ俺。

 貝島なんかは「テンポキープ!」って言うんだけど、それはそれでライブ感がなくなるし、つまんねーときもあるし。

 やっぱケースバイケースだと思うんだけどなあ。その辺の細かい早くなったり遅くなったりの間の動きをコントロールするのが、本当のテンポキープじゃねえかって思うんだけど……っと、話が逸れたか。



 まあ、そんなわけで、岩瀬はなんだかんだ文句を言いつつも新境地を見つけたわけだ。

 自分では考えもしなかった展開が見えたときっていうのは、驚きつつも楽しいよな。

 だからあいつはあれから試行錯誤しながらも、音色切り替え間に合わせたんだぜ。さすがにその前に弾いてるとこは、少し簡略化したみたいだけど。


 「手がもう一本あったら……」って言ってたけど、その気持ちわかるなー。

 打楽器もそう思うときあるもん。なんかこう、アタッチメント腕みたいなの誰か開発してくれない? それで一発だけトライアングル叩いたり、シンバル叩いたりするの。

 指の動きはよくわかんないけど、腕に関してはそう思うなあ。たまに、人間の動きじゃないような楽譜あるし。作曲者って絶対、打楽器の都合なんて考えてないだろ。


 まあ、それをなんとか楽器の配置とかなんだらなんだら考えてやっていくのも、楽しいところではあるんだけど。

 それは、岩瀬も同じだったのかな。そこからちょっとずつ変わっていったような印象はある。


 だから、これで軽音部の方はなんとか大丈夫だろ、と思った。学校祭も近かったけど、こいつらとならなんとかなる気がした。


 そんな訳で、あとはもう吹奏楽部の方で――こっちは人数も多いから大変だったなあ。

 まあこっちは、本番ギリギリまで引っ張るんだけどな。

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