滝田聡司の告白 2
あーやべ、ほんとオレかっこわりい……!
だから話したくなかったんだよ。あのころのオレはほんと情けなくて、貝島じゃなくたって説教したくなるようなやつだったんだ。
まあ、それがあって今のオレはいるんだけどさ。それにしたって……うがー、恥ずかしい!
さっきの話を聞いてなんとなくわかったかと思うけど、このときのオレは練習が嫌いだった。
つまんねーし。タルいし。
ドラムをやろうと思ったきっかけがまず、「かっこつけたいから」だったからな。そんな基礎練とかかっこわるいこと、かったるくてやってらんねーよ、っていうのが本音だった。
スティック持てばすぐにどっかのバンドみたいなドラムが叩けて、超かっこよくてモテモテだぜ! みたいな、そんなこと考えてた。今から考えればンなアホな、って思うけど、そういう都合のいい妄想は、誰だってちょっとはしたことあるだろ?
……ない?
……話に戻ろうか。
そんなわけでオレは、学校祭で吹奏楽部と軽音部のダブルヘッダーをやることになった。吹奏楽部での鬱憤を、軽音部で晴らそうって思ったわけだな。
引き受けたときはいつも通りやればいいと思ってたんだが、同じドラムでも実は結構、この二つは勝手が違ってな。
それが今回の騒動の鍵でもあり原因でもあった。「似てるけど違う」ってトコだ。
音楽ってくくりはあるけれど、この二つは遠い親戚みたいなもんで――血が繋がってるからこそ、近親憎悪みたいなものは強かったんだ。