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セレステ・アッカーソン  作者: Beatrice
1/1

シルバーのPEUGEOT 206

場所

イギリス ロンドン ブリッジ駅


私は、重たいキャリーケースを引きずりながら、駅の改札口の前を通り過ぎる。


連日の激務のせいで

睡眠時間がほぼ0に等しく、気分が悪い。


人々の足音がガンガン頭にひびく。


湧き上がってくる吐き気を飲み込み、足を早めた。


人の波を掻き分けながら、キャリーケースをもっていない方の手で、iPhoneを取り出した。


7:39


画面に表示される予定通りの時間。


間に合った事に安堵しながら、


私は小走りで駅を出た。


途中で何回も怠そうなサラリーマンにぶつかり、吐きそうになりながら


やっとの事で駅を出た。



眩しい日光をうっとおしく思いながら、目当ての車を探す。


あたりを見渡すと、見覚えのある、シルバーのPEUGEOT 206を見つけた。


私は乱暴にドアを開け

重たいキャリーケースを放り込むとシートに滑り込んだ。



「168まで」


私はパンプスを脱ぎ捨てながら運転手に告げる。


運転手はミラーで私を見ると、黙って車を出した。


乱れたスーツを手早く直し、髪を結び直すと

窓の外を見つめた。


小さな花が植えられたハチがどんどん流れて行く。


疲れを感じた私は、

今のうちに少しでも休んでおこうと

瞼を閉じた。



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