stage1 九撃目 『交差点からのメッセージ』
さて、今回より新コーナーです。
今回から、前書きにその話に登場する武器、物、あるいは人物のメモを書いていきますね。
一応ネタバレにはなってないので、良かったら見て下さいね。
今回は
『ニューナンブM60』
です。
この拳銃は、よく刑事ドラマに出てくるリボルバーの拳銃です。
装弾数5発。
シングルアクションでもダブルアクションでも撃てます。
日本のミネベアと呼ばれる会社で製作されています。
にM60の60は、1960年を指していて、その頃からあった拳銃何です。
ちなみに、よく警察の拳銃の一発目は空砲(音だけで弾は飛び出さない)と言われていますが実際はそうではないらしいです。
特別でない限り、全弾普通の弾丸らしいです。
作者は、ネットでこのことを知るまで一発目は絶対に空砲だと思っていました。
さて、前書きはこれくらいにしてそれでは本編へどうぞ!
俺は、ホルスターに形見のミネベアを納める。
コイツを使わなくてすむならいいんだが。
「桔梗?用意すんだか?」
「ああ、今終わった」
桔梗は、先ほどまでの服から着替えていた。
「去年まで使っていた制服なのだが大丈夫だろうか?」
青いラインが入ったセーラー服に黒のプリッツスカート。
前の制服とはU18の制服なのだろうか。
聞きたいとこだが、今は一分一秒が惜しい。
桔梗と一緒に、初めの事件現場となった路地裏に向かった。
「ここだったよな‥‥」
いまだにkeepoutと書かれた黄色いテープが貼られたままの現場に訪れていた。
「流れ星の事が分かった初めの事件だったな」
桔梗は、現場を見つめて腕を組む。
そう、ここから始まったのだ。
「流れ星か。犯人は何をしたいんだ?」
その後、俺たちは1時間ほど現場を探したが新たな手がかりが見つかることは無かった。
帝都会議まで後8日を切った日だった。
学校にいても、俺の心は落ち着いてなどいなかった。
今、帝都市民全員が人質にとられるかもしれない状況下で何もできない自分に腹が立ってしょうがなかった。
「龍司・・・・。放課後時間あるか?」
近寄ってきた桔梗がふと口にした。
「あ、ああ。大丈夫だが。どうしたんだ?」
「少しついて来て欲しいところがあってな。放課後に玄関で待ってる」
そういい残すと桔梗は、自分の机に戻り教科書に目を通していた。
結局授業に集中することもできず、無駄に時間だけが過ぎていき、やがて放課後になっていた。
俺は、荷物を持ち桔梗の言われたとおり玄関に向かった。
玄関には、まだ桔梗の姿は見えない。
俺は靴箱にもたれかかり、これからのことを考えた。
奴が予告してきた帝都会議の日の花火。
恐らく爆弾のことだろう。
今までの犯行でもってそう言うことがあったが、犯人や容疑者に殺しの目を向けたのは分からくもない。
だが、善良な一般市民に目を向けたんだ。
市民を守るはずの警察官が、市民の安全を脅かすことになるとは・・・・。
今のところ、犯人が警察官である可能性について知っているのは自分達SAAFの人間のみだ。
もし犯人にこの情報が漏れたらなにをしでかすかわからないので隠すことになったが、未だに犯人に近づく有力な手がかりが見つかっていない。
「り・・・・りゅう・・・・龍司。おい、龍司!聞こえているのか?」
気づくと桔梗の顔が目の前にあった。
「どわ!桔梗か・・・・スマン、考え事をしてた」
桔梗は少し苦笑すると、すぐにいつもの顔に戻った。
「さて、待たせて悪かったな。目的地に行こう」
桔梗について俺は歩く。
桔梗がどこに向かっているのかは俺は分からない。
校門をでて、10分ほどでその場所に着いた。
そこは、なんの変哲もない交差点。
その交差点の信号機の袂に小さな花束が置かれていた。
6年前、ここで起きた凄惨な事件を俺は知らない。
「6年前。私の覚えている範囲であの日のことを話すよ」
桔梗はゆっくりと目をつむって話し出した。
あの日、連続強盗および殺人犯が人質の女性に拳銃を突きつけたままこの交差点まで逃げてきていた。
警察とU18強行部隊に囲まれた状態の犯人はいつ人質を殺してもおかしくない状況だった。
もうすでに、アメリカの本部からはU18強行部隊に発砲許可が出ていた。
もちろん犯人にばれないように散らばった少年少女の中に桔梗もいた。
そんな中で、日本のある警官だけが犯人を説得しようと粘っていた。
その警官が俺の父さん、柳刃龍一だった。
しかし、そんな父さんの努力もむなしく、強行射殺命令が出されU18の部隊が動き出した。
・・・・・・・・・・。
死者一名、負傷者多数の事件。
「ここから先は、私の記憶には・・・・ない」
遠くの空を見つめて桔梗は、右手を握りしめた。
その後、父さんの遺体は俺の知らない間に埋葬され、俺の手元に残ったのは、形見のミネベアだけだ。
あの事件以来、この交差点にはいくつもの花がおかれていった。
交差点には監視カメラも設置され、父さんの代わりにこの街を見守っている
「いかんな・・・・こんな所で後ろ向きになっていては」
「ああ。俺たちにできるのは、犯人を捕まえることだ」
「なあ、龍司。あのマンションって」
桔梗が顔色が鋭くなった。
桔梗の指さす方向の先に立っている茶色のマンション。
「んっ?あれは、確か犯人があのマンションから向かい側建物にいたの男を撃ったんだ・・・・」
俺の頭に電撃のように走り抜けていくものがあった。後ろを振り向いき、それを探す。
この交差点には、監視カメラが俺たちより少し高い位地に設置されている。
監視カメラは普通高いところから見下ろすように設置されているはずだが、交差点の監視カメラだけは、父さんの背の高さに合わせて街を監視するではなくて、見守ると言った形になっているらしい。
「あった、コイツだ!」
他より低めの設置されたこの監視カメラの画面にあのマンションも映る向きを向いている。
「桔梗!行くぞ!」
「ああ!」
俺たちはそう言って走り出した。
走りながら俺は、火神に電話をかける。
呼び出し音が3回も鳴らないうちに本人が電話にでた。
「火神!今すぐ三丁目の交差点に設置された監視カメラの石沢永吉の射殺時間の映像を入手してくれ!」
「えっ?なんでだい?」
「理由は後ではなす。後できればコレは隠密に頼む。こっちの調べることが終わったらそっちに向かうから捜査課のみんなを集めといてくれ!」
俺は、そういい終わると電話を切った。
「龍司、目的地はあのマンションか?」
「ああ!もしカメラに映る位置だったら、可能性は確証に変わる」
俺たちは、階段を駆け上がり屋上にでる。
「たしか、資料によると・・・・ココだな」
マンションの屋上の端に付いた縦長の傷跡。
犯人は、ここからロープを垂らして下に逃げたのだ。
残念ながら、ロープを下ろしたのはマンションの裏側のなにもない空き地。
こちら側には監視カメラもなく、犯人を捕らえることができなかった。
しかし、ビルの端にたった俺からあの監視カメラが小さく見えている。
「捕まえたぜ‥‥」
後ろから、人の気配を感じた俺と桔梗は、ガバッと振り向いた。
「おっと!俺は怪しいもんじゃねぇよ」
そう言って両手をあげたのは中山さんだった。
「お前たちも現場を見に来たのか?」
中山は、苦笑しながら歩み寄ってくる。
「まあ、そんなとこですね。でも、中山さんは違うんじゃないんですか?」
彼の歩みが止まる、首を傾げてまた笑った。
「ハッハッハッ・・・・警察官が現場に来て、他にすることなんてないだろ」
笑う中山にキリッとした鋭い目つきで俺は吐き捨てる。
「中山さん、アナタはここで犯人を取り逃がしたんですよね?」
「・・・・ああ、そうだ。まさかロープで逃げるとは思ってなかったからな」
「ええ。本当にその通りならばね」
「んっ、柳刃君、何が言いたいんだ?」
「あの時、あなた以外にこの屋上に誰もいなかったんじゃないんでか?」
「な、なにをバカなことを・・・・」
両手をポケットにつっこでいる中山はバカバカしいと言った顔をしている。
「俺の推理が正しかったら、ロープを使って降りる人影なんてなかったはず」
「へぇ。どこにその根拠が?」
「監視カメラですよ。交差点の監視カメラは低く設置されているため周りの建物もよく映っているんですよ。」
「そうか・・・・それは、見落としていたよ!!」
ポケットから拳銃を取り出した中山は、いきなり発砲した。
だが、俺と桔梗もここに来たときからそうなると思っていたので、中山の放った銃弾が体をとらえることは無かった。左右に2人共が分かれる形で飛び退く。
一番近くにあった貯水タンクの物陰に隠れホルスターから、エアガンを抜く。
相手は、銃になれている危ない奴だ。
しかし、2対1になったらこちらにも勝機はある。
俺は牽制でエアガンの三点バーストを撃ち込んだ。
「ふっ!銃の腕前は、親父さん譲りだな」
中山が半笑いに答える。
続いて、桔梗のCZの銃声が2発響いたが、中山に当たったようには思えない。
「腐ってもアンダー18か。」
中山もこちらに向かって発砲してくる。ビシッビシッと近くで火花が散る。
あの野郎、この状況下で怯みもしない。
さっきちらっと見えたあいつの拳銃は、ニューナンブM60。刑事ドラマよく見るリボルバー式の拳銃だ。
リボルバーの長所は、不発弾や弾頭の形状、火薬量に左右される事がない信頼性。しかし、短所として装弾数の少なさ、銃弾の再装填に時間がかかると言う、複数の敵との銃撃戦に致命的な弱点を持っている。
なんて早いリロードだ!!
こちらに分があると思っていたが、マズいな。
「さっきまでの勢いはどこに行った?」
クックックッと、中山は笑う。ダメだ。下手に動けば撃たれる。
桔梗もそれが分かっているのか飛び出すようなことはしない。
どうする?絶体絶命じゃないか・・・・
俺が、中山を伺うその刹那。
ビシッ!
俺の目の前を一迅の風が駆け抜けたかと思うと中山の足元のコンクリートがはじけた。
俺も中山も驚く。床のコンクリートにめり込んだ銃弾。
時間をおいてパーンと言う花火のような音が響く。
コレは!?
発砲音より弾丸が先に到達するということは、音速を超えた速さで敵を全滅する狙撃者以外に誰もいない。
俺は、2キロほど先にいる小さな人影が見えた。
あんな所から撃ってきたのか!?
しかも、今の攻撃力からして・・・・あ、対物用ライフルだと!
「2対1とおまけにスナイパーにとは、装備が心許なかったようだ。君たちを舐めていたようだ。ここは出直させもらうとするよ。帝都会議の時に会おう!」
そう言ったときだった、ボスンという変な音がしたかと思うと、あたりが真っ白になった。
しまった、煙幕か!
気づいたときには遅かった。
視界が1メートルと聞かない中で奴の高笑いだけが響いていた。
楽しんでいただけましたか?
最近更新ぺースが遅いので、安定した更新ペースで書けように頑張っていきたいと思います。
次回は、
『魔の午前11時50分』
です。
それでは、
Next time, let's meet.