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ヘッドコーチ  作者: 神楽
琉球シーサーズ編
9/28

納得いく勝利

ロメロを中心に1つになったシーサーズを前半戦とはまるで違うチームになっていた。

練習中でも1プレーごとにお互いに意図を確認しあったり、自分の意見を言うようになった。

1番の変化はロメロと柚垣の関係だった。

コート場で2人の力が1つになると予想を超えるプレーが出るようになった。

今では2人はホットラインであり、攻撃の核になっていた。

また、外久保のプレーにも変化が見られた。攻撃の核が出来たことでプレーに余裕が出来た。

キャプテンのロメロ、エースの柚垣が積極的にチームを引っ張ってくれることで、心持ちも楽になった。



休戦期間の2週間を終えたシーサーズは北海道を本拠地にしている小樽ユニコーンズのホームコートに乗り込んだ。

「開幕3連敗をした相手だ、今度は3連勝しようじゃないか」

大月の言葉に選手達の心の火が少しづつ燃え上がり始めた。

ロメロを中心とした8名の選手達と大月は1つの輪になる。そして、右手の拳を中央に集めた。

「1・2・3」「よし!!!!!」

シーサーズの儀式を終え、スタメンの5人がコートに立った時にモチベーションはピークに達していた。


センターサークルには開幕戦と同じくロメロと長尾が入った。

審判の手から離れたボールが頂点に達した瞬間、ロメロの手がボールを弾く。

弾かれたボールは柚垣の手に収まり、シーサーズの攻撃で試合が始まった。

一度、外久保に戻されたボールは再度、柚垣にパスされ、パスを受けた柚垣はドリブルで平馬を交わすと得意の45度からのシュートを放つ。

ガーン!

外れたボールは長尾が取り、すぐにガードにつなぎ、3ポイントラインで準備している平馬にわたる。

シュートモーションに入った平馬の横から外久保がシュートチェックに入る。

しかし、冷静にタイミングをずらし、外久保を避けると躊躇なく3ポイントシュートを放つ。

スパッ!

今日の試合も先制点はユニコーンズに入る。

「ナイスチェックだ、外久保!」

「リラックス、ソトクボ!」

弱気な心が顔を出そうとした時、2人の頼りになる先輩の声で外久保は冷静さを取り戻した。

外久保を中心に素早いパス回しから、また45度でフリーになっている柚垣にわたる。

柚垣はジャンプシュートにいくも、前から平馬がチェックにくる。

平馬のチェックをかわし柚垣がパスを出した相手はロメロだった。

インサイドのロメロにパスが通るとパワードリブルで長尾をゴール下まで押し込む。

持ち前の強引さでシュートに行くと長尾もまけじと強引にブロックに来た。

ドサッ!

長尾のファールに対する審判の笛と共にロメロのシュートはリングを通った。

接触で体制を崩し倒れたロメロに最初に駆け寄り、起こしたのは柚垣だった。

「アリガトウ、ユズ」

「気にするな」

起こされたロメロはフリースローラインに向かった。

松本と柚垣はリバウンドの準備に入った。

ロメロの放ったフリースローリングに嫌われ跳ね返る。

リバウンドに反応した柚垣は空中でボールをキャッチするとタップシュートに向かう。

ドサッ!

またもや長尾のファールに対する審判の笛と共に、今度は柚垣のシュートがゴールに吸い込まれた。

フリースローラインからロメロは倒れている柚垣を起こしにきた。

「サンキュー、ロメロ」

「ドンマイ」

このあと、柚垣は冷静にフリースローを決めた。


それからもロメロと柚垣、外久保を中心に攻守にわたり好プレーを見せた。

また、ベンチメンバーも全員出場したシーサーズはこの試合を【96-72】でものにした。

この結果に大月はヘッドコーチに就任して以来、初の納得いく勝利を感じていた。

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