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ヘッドコーチ  作者: 神楽
琉球シーサーズ編
4/28

快勝と影

3月上旬の練習は体作りが中心となった。

最初は大月と選手達の間になんとなく距離があったものの、日が経つにつれて会話が増え、コミュニケーションも増えるようになった。

「柚さん、痛いですぅ!」

キャプテンの柚垣がストレッチなどで積極的に外久保と組んでた甲斐もあって、外久保もチームに馴染んでいった。

柚垣自身も年下からは<柚さん>、年上からは<柚>の愛称で親しまれていた。

だが決して、柚垣とロメロが会話をすることはなかった。

ロメロは基本的に黙々とメニューをこなし、練習が終わるとそそくさと家路に就いた。


3月中旬からボールを使った練習が始まり、下旬になると開幕に向け、試合が組まれた。

地元のアマチュアチームとの練習試合。スタメンには、柚垣とロメロの両者の名前があった。

「勝って当たり前の試合だ。内容を大切にしよう」

そう言って5名の選手を送りだした。

実力で上回るシーサーズの面々は着実に点を積み重ねていく。

柚垣は得意の角度でシュートチャンスを自ら作ると落ち着いてシュートを沈める。

205センチの巨体のロメロはインサイドで精力的にリバウンドに参加し、そのままゴール下のシュートを確実に決める。

だが、この2人の間でパス交換は数えるほどしか行われなかった。

1・2ピリオド終わって、【49対21】と実力通りのスコアとなった。

後半に入り、PGに外久保を投入するとシーサーズの攻撃力が活性化された。

外久保を中心に素早いボール回しが展開され、柚垣とロメロの2人はパスからのシュートチャンスが増えた。

12のアシストを記録した外久保がこの試合でチームの信頼を得た。

最終的なスコアは【112対50】となった。


試合終了後のロッカールームでミーティングが行われた。

「実力差があるとはいえ、今日の出来は凄くよかった。シュート回数も多く、成功率も高い。50点しか取られてない、これも評価できる。この調子で開幕を迎えよう」

大月はポジティブな表現で今日の試合の感想を述べた。だが決して、今日の試合内容に満足していなかった。


このままではいけないと分かりつつも、最善の策を見出すことが出来ず、開幕を迎えるのだった。

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