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ヘッドコーチ  作者: 神楽
琉球シーサーズ編
2/28

ヘッドコーチ 大月若丸

3月某日、沖縄県内のとある1室に記者20名ほど、テレビカメラも5台が集まっていた。

「これから、GRADE=E、琉球シーサーズ、新ヘッドコーチの紹介を始めさせていただきます」

部屋のレンズ全てが新ヘッドコーチが入ってくるドアに向けられた。

「それでは、どうぞ」

司会者の合図から一呼吸おいて、1人の若き男が入室してきた。

カシャカシャ!カシャカシャ!

物凄いカメラのフラッシュの中を堂々歩く男の姿は、新品のスーツ……ではなく、かりゆしウェアにジーパンというラフな格好だった。

男が席に着くと少しづつフラッシュの数が減り、男がマイクに向かって話始めた。

「初めまして、今年より琉球シーサーズのヘッドコーチを務めさせていただく、大月若丸おおつきわかまるです」

大月が頭を下げると再度、多数のフラッシュがたかれた。

「それでは、大月監督に質問のある方は挙手で」

数名の記者が手を挙げ、そのうちの1人が会社名と名前を言った後に質問に入った。

「シーサーズについてどのような想いがございますか?」

「シーサーズといえば、初代優勝チームですからね。あれは、今から20年前でしたかね?幼いながらも鮮明に覚えてますよ。歴史のあるチームだと思っています」

「ここ20年で、シーサーズは<BLOB>日本支部の5部であるGRADE=Eまで落ちましたが、どうお考えですか?」

「20年もあればいろんなことが起きますよ、産まれた子が20歳になるんですからね」

「今、シーサーズでは選手間でいざこざが起きているようですが、その中心にいるロメロはやはり解雇するのでしょうか?」

「それは秘密ですよ。でも、ロメロは今、シーサーズのプレイヤーであるのは変わりませんよ」

「数日前、同じGRADE=Eの小樽ユニコーンズにも新監督として前堂監督が就任しましたが、何かありますか?」

「お互い頑張りますよ」

こうして、会見は終わった。

この会見中に少し不思議な事実が見つかった。

インターネットなどの情報源を最大に活用して大月のことを調べたが、何1つとして情報はなかった。

伝統あるチームに就く男だから、それなりに経験を積んでいる者だろうと記者達は思っていた。

「大月若丸、あの男は誰なんだ……?」

記者達の間で違和感を残し、大月は去って行った。

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