表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヘッドコーチ  作者: 神楽
琉球シーサーズ編
13/28

ロメロ離脱

一進一退の攻防が続くも、先にボロを出したのは鎌倉だった。

後半に入るととにかく、各選手がルルプスとのコンビネーションが合わない。

そこからのストレスなのかルルプスもフックシュートなどの繊細さを忘れ、強引なプレーばかり目立つ。

強引なプレーでロメロとのインサイド勝負に勝てずに止められ始める。

シーサーズはインサイドをロメロが制し始めると攻撃にもリズムが生まれ柚垣、外久保のシュートチャンスが増えた。

極めつけは4ピリオド、残り4分35秒でロメロのシュートを強引にブロックにいたルルプスが5ファール目を犯し退場。

これによりシーサーズは完璧に試合を支配し、【85-73】で勝利した。


2戦目は【83-87】でかろうじて鎌倉が勝利。

この試合、とにかく柚垣のシュートが決まらなかった。

それに加え、吹春と中滝がシュートにアシストにと大暴れし、剱田の献身的なプレーも目立った。

だがルルプスの調子だけは上がらずにいた。


【54-39】で前半を折り返した3戦目。

柚垣のシュートも調子を戻し、外久保らもしっかりと仕事をしていた。

そして今日のロメロは前半戦で1番の出来をみせていた。

2ピリオドの開始3分すぎにはルルプスから3度目のファールを奪い、ベンチに座らせることに成功した。

剱田がロメロのマークに代わるとさらに能力を見せ付け、3ピリオドを終え34得点を奪った。


4ピリオド目の開始時、ベンチからルルプスが出てきた。

だが他のチームメイトと話すこともなく、うつむいたまま、明らかにイラついた様子でロメロのマークについた。

シーサーズボールで開始され、外久保から柚垣にボールが渡る。

柚垣は石井のスクリーンを利用して、ドリブルでハイポスト辺りまで持ち込むとジャンプシュートのモーション。

これに反応したルルプスがブロックのためにジャンプしてしまうが、柚垣はシュートフェイントであった。

飛んでくるルルプスに上手く体を当たらせつつ、少しよけながらジャンプシュート。

ドサッ!

接触によりルルプスの4回目のファール、さらにシュートが決まり、フリースローが与えられる。

このフリースローを柚垣が決め3ポイントプレーを許したルルプスは平常心を失った。


攻撃に移り変わると、オフェンスファールぎりぎりでインサイドでポジション取り。

「ヘイ!」

大声で吹春を呼びボールを要求し、パスを受けるとこれまたオフェンスファールぎりぎりパワードリブルをする。

しかし、これに対して体をしっかりよせ堪えるロメロは動かない。

冷静さを失ったルルプスは故意に肘を張りながらターン。

ガン!

ルルプスの肘がロメロの顎を捉え、鈍い音と共にロメロは倒れ込んだ。

静まり返った会場に審判のオフェンスファールが鳴り響き、ルルプスを退場を命じられ、ロッカールームへと引き返した。

顎を押さえ倒れこんでいるロメロは担架に乗せられ、病院へと直行した。

試合自体はシーサーズが制し、前半戦を17勝4敗の1位で終えた。



試合後、病院を訪れた大月を顎を固定されたロメロが迎えた。

「ヘッドコーチ。ハントシ、ダメ、ラシイデス……」

顎を骨折し、安静第一。完治は半年後と言われたらしい。


前半戦の好調を支えたキャプテンの離脱は、シーサーズにとって大きな大きな痛手となった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ