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ヘッドコーチ  作者: 神楽
琉球シーサーズ編
12/28

白熱! 鎌倉パープルソード戦

完成度を増したシーサーズの快進撃は止まらず、開幕3連勝後も勝利を積み重ね15勝3敗で1位。

最後の3連戦はボーラーズ同様、GRADE=Kから降格してきた鎌倉パープルソード。

敵地、鎌倉歴史文化ホールに乗り込んだシーサーズに対する声援は開幕よりも増していた。

「頑張ってください!ロメロ!柚垣さーん!」

「サインください!」

「大月監督!大月監督ー!!」

入り口から入るのにも一苦労するほどだった。


好調のシーサーズのスタメンは変わらず、今日も同じスタメンが会場に発表された。

「1・2・3」「よし!!!!!」

最近、この伝統儀式をやると、「よし」というタイミングに合わせて、シーサーズファンも「よし」という声があがるようになっていた。

少し浮かれ気味のファンとは対照的に、選手たちは前半戦で一番、気を引き締めていた。


鎌倉の最大の持ち味は能力高いツインガードだ。

23歳で183センチの吹春ふきはる鷹秋たかあきは視野が広く、パスの精度が高い。

速攻からの攻撃は彼が中心となることが多く、リバウンドからの速攻は鎌倉の1つの攻撃の形である。

身長187センチ、27歳の中滝なかたき和馬かずまはドリブルを得意とする。

セットプレーでドリブルで切り込み、自分でシュート、またはマークのずれから味方へのアシストが持ち味。

この2人から攻撃のリズムが生まれ、守りも良くなっていく。

さらにPFでキャプテン、188センチの30歳、剱田けんだ幸太こうたがチームをまとめる。

実力よりも人柄と統率力でキャプテンに選ばれ、チームメイトから慕われている。

これに加え、今オフ最大の補強といわれ、スペインから連れてきたルルプス・マリンが加わった。

198センチの25歳、シュート精度が高く、繊細な時もあれば、強引な時もあり、駆け引きが上手い。

だが、まだチームに溶け込め切れず、孤立する場面がある。

13勝5敗でシーサーズに続く2位につけている。



オープニングセレモニーが終わると、スタメンの10人がコートに集まった。

ジャンプボールはロメロとルルプスの争いになった。

頂点に達し、2人と手で弾かれたボールは柚垣と剱田の間に転がる。

柚垣と剱田の激しい接触でボールは吹春の手に落ち着いた。

吹春はボールを取るや否や走っている中滝にパス。

誰も走っている中滝に気付かず、あっけなくレイアップを決められ、先制点を許した。


シーサーズは石井がボールを運ぶと、石井から外久保、外久保から柚垣、柚垣からロメロ、ロメロから柚垣へと素早いパス回し。

柚垣は相手マークが自分との距離が少し広いとみると0度からジャンプシュート。

スパッ!

確実にシュートを決めた柚垣が自分のゴールの方を向きながら戻っていると隣を凄いスピードで駆け抜ける選手がいた。

ゴールを通ったボールを吹春がエンドラインから中滝に出し、得意のドリブルで攻め込んできたのだ。

シーサーズで戻っているのは外久保と石井、鎌倉は中滝と剱田、さらにSFの高地の3人がいた。

中滝が真ん中をドリブルであがる、左には高地、右には剱田がいる。

緩急をつけたドリブルから中滝は外久保を抜きにかかるも、外久保は体を寄せ、なんとか堪える。

抜けないをわかると中滝の目は右の剱田の方を向いた。

これを見た石井は剱田へのパスコースに入るも、中滝はその動きを見て、3ポイントラインでフリーで待っている高地へパス。

3ポイントラインでフリーでパスを受けた高地をチェックに行きたいものの、中では中滝と剱田がいるため、シーサーズに2人はチェックに行けない。

パスを受けるとリズムよく3ポイントシュートが放たれた。

スパッ!

「さすがGRADE=Kでやっていただけはあるな」

大月がぼそっと言葉をもらす。


外久保がボールを運び柚垣へ、柚垣はインサイドで1対1になっているロメロへパスを入れる。

ルルプスを背負いながら右手で取ったボールを1度、胸のあたりで両手でキープ。

3回のパワードリブルでルルプスを押し込もうとするも、ルルプスはほとんど動かない。

すると右足を軸足にしてターン、そして素早くゴール下シュート。これを決める。


続く鎌倉の攻撃。左45度の3ポイントラインあたりから中滝がインサイドのルルプスへパス。

ルルプスも右手でボールをキャッチし、パワードリブルするも、ロメロはしっかりと腰が座っていて動かない。

するとルルプスは左足を軸足にしてゴールに向け半身になる。

半身状態から左手で相手との距離をとり、右手でフックシュート。ルルプスもしっかりとシュートを決めた。

スコアは【4-7】となった。

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