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ヘッドコーチ  作者: 神楽
琉球シーサーズ編
11/28

チーム作りの難しさ

「明日からまた、長いシーズンが始まる。昇格のために頑張ろう」

「はい!」

オフシーズンを良い調整で終えたシーサーズは開幕前日の練習を終えた。



大月体制2年目の開幕の相手はGRADE=Kから降格してきた烏丸ボーラーズ。

下馬評ではオレンジシーサードームでボーラーズを迎え打つシーサーズの圧勝という予想が出ていた。

なぜなら、今のボーラーズには注目の選手がいないからだ。

一昨年までSFに宝栄ほうえい悠介ゆうすけというキャプテンかつ絶対的エースが居た。

実力は折り紙つき、GRADE=Bのチームから何度となく移籍の話が持ち込まれたが全てを断っていた。

その結果、いつしか彼はこう呼ばれるようになった。

≪もっともチーム愛に溢れている男≫ かつ ≪もっとも人生を無駄にしている男≫

高校卒業をした18歳の時、<BOBIJ>が発足され烏丸ボーラーズに入団。

それから19年間、ボーラーズ一筋でチームを引っ張り続けた。

ボーラーズの全盛期でも中心メンバーに座り、2シーズンのみだがGRADE=Bでのプレー経験もある。

その後、上手くいかないボーラーズだったが、発足以来GRADE=K所属以上の成績を修めてきた。

だが宝栄が引退した翌シーズン、GRADE=Kを8位で降格が決まった。

メディアの中ではもしかしたら今シーズン現役復帰か?という言葉も飛び交ったが、それはなかった。

「僕は人生の半分以上をボーラーズに捧げてきた。もし、また18歳に戻れたら、何の迷いもなく、ボーラーズの力になりたけどね」

引退してもなお、チーム愛は変わらないでいた。


そんな宝栄も見守る中、オレンジシーサードームには7553名のファンが駆け付けた。

昨年比較で約2倍、ここ数年でもっとも多くのファンが来場した。

その理由では、昨シーズンの後半戦の快進撃、そして、今シーズンの昇格への大きな期待であろう。

ゲームが始まってもシーサーズファンの歓声がやむことはなかった。

柚垣が33得点、ロメロが28得点、外久保が15得点、中心メンバー3人で76得点をあげた。

最終スコアは【101-77】で勝利した。

会場では試合終了後も1時間、沖縄民謡が流れ続けていた。


そしてボーラーズは下馬評通りの結果になった。その後の2試合も落とした。

開幕3連敗となったボーラーズを見て、大月は学んだことがあった。

≪チーム作りの難しさ≫

1歩間違えるとチームはここまでなってしまうのかと思うと大月にも恐怖心が芽生えた。

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