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ヘッドコーチ  作者: 神楽
琉球シーサーズ編
10/28

動かないオフ

3勝18敗で終えた前半戦とは打って変わって、後半戦は快進撃を見せた。

小樽ユニコーンズ戦では2連勝のあと敗北を喫したが、勝ち越して終えた。

その後の全3連戦を勝ち越し、時には3連戦3連勝を含む、5連勝を成し遂げた。

その結果、後半戦を16勝5敗、シーズンで19勝23敗、GRADE=Eを5位で終えた。

一方、小樽ユニコーンズは開幕3連勝こそしたものの、シーズン通してチームが上手くいかず、7位でGRADE=T降格が決まった。


長い長いシーズンを終えた選手たちと大月は居酒屋で打ち上げを企画した。

「後半戦は良く頑張った。いろいろあったけど、とにかくお疲れ様」

選手達から拍手が沸き起こった。そして、全員がジョッキを手に持った。

「ミンナ、エライ、カンパーイ!!!」

ロメロの掛け声で打ち上げが始まった。

その日は何もかも嫌なことを忘れ、年も立場も国籍も関係なく大騒ぎした。

良い感じで酔ってきた大月に柚垣が近づいてきた。

「監督、あの、トレードの話なんですけど……。来年も監督の元でやらしてください!」

「トレード……、何の話だ?さぁ、飲め飲め!」

「うっっ……、はい!」

大月から注がれたビールを涙目の柚垣が一気で飲み干す。

まるで、ビールをトレード話にみたてたように。



今オフシーズン、シーサーズは大きな動きを見せなかった。

1つは今年のドラフトが大不況、つまり良いプレイヤーが全くいなかったことがある。

しかし1番の理由は大月が選手の獲得も放出もトレードもしないで欲しいという要望があったからである。

1チームの登録上限が8名、シーサーズには8名の選手がいる。

これ以上選手を獲得出来ないわけではない。所属上限は15名であるからだ。

だが、もしここでシーサーズが1名の選手を獲得したらどうなるだろうか。

毎試合、1人だけがベンチ外になることになる。これほど選手のモチベーションが下がることはないと考えたのだ。



全シーズンと変わらない8名でシーサーズは新シーズンを迎えた。

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