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ネラ物語〜深き森にて、禁忌を求める孤高の魔女〜  作者: 星狼
〜森の外へ〜

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33/45

亡者

ウルフは顎に手を当て、考え始める。

解析が始まる。


「研究室が爆発って、大丈夫なのかよ……!?」


アルクが目を丸くして問いかける。

その声は、風のように軽やかではあるが、心配が滲んでいた。


「えぇ、爆発と言っても、小規模な物だったから心配ないわ。一部の本が焼けてしまったぐらいよ」


力ない声。

だが、ネラは優しい目をして、アルクに答えた。


「価値ある本だったんじゃねぇの?」


アルクの心配は続く。

ネラは小さく首を振る。


彼女にとっての、問題は本を失った事ではない。

本の知識は頭の中に入っているのだから、使う必要はない。失っても構わないのだ。

問題は『失敗』が研究室で起こってしまった事。


ネラにとっての研究室とは神聖な空間。

極限までに集中力を高めれる空間ではあらねばならない。

そこに混ざり込んでしまった、爆発という失敗という記憶。


何かが足りていない。

また同じ事が繰り返されるかもしれない。

やはり、この道は禁じられた道。


そのような考えが頭をよぎってしまう。

まるで亡者の言葉。


彼女の研究室に、目に見えない亡者達の群れが侵入してしまったのだ。

それがネラを苦しめていた。


メイニヤックが静かにネラの足元に寄る。

そしてゆっくりと頭を下げ、ネラの手に鼻を寄せる。

ネラは腰を屈めて、メイニヤックの頭を撫でた。

その手は、優しく、しかし微かに震えていた。


「大丈夫よ。本の内容は理解していたから」


ネラはアルクに微笑みかける。

だがその笑みは、しかしどこか儚げだった。

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