根源の力
ネラの目が見開く。
「火属性……!そうよ、感情の熱量が……!私の研究に足りなかった最後のピース……!」
言葉が口から漏れる。
強く、熱く、脈打つように。
「それか!火の『感情の熱量』か!?」
ウルフが言葉を発する。それは、ほとばしるような言葉。
彼もまた脈打っている。彼の灼きつく息吹のような情熱。それが私をより熱くさせる。
「そう……!情熱の感情……!私の根源の力に最も欠けていたもの……!」
自分の手が、強く強く、握り締められ、震えている。
この震えは何……?
これも情熱……?
それとも、違う何か……?
ウルフが再び口を開く。今度は少し、落ち着いた口調で。
「お前は『根源の力』に辿りついた。だが無意識で辿りついてしまった。こうやって解析してより意識を明確にして行う事で精度や威力や完全な制御が可能となる。こういった細かい分析をする事で禁忌は禁忌でなくなる」
ーーそう、その通り。
きっと彼は今、敢えて雨を降らせてくれている。
私も、彼も、身体を冷やしてくれている。
『根源の力』は、六属性が組み合わさって出来る物。
そこに火属性は必要になる。
でも、火属性に飲まれてはならない。
ーーフフ、でもまだ身体は冷えそうにないわ。
「ウルフ……あなたは私の研究の扉を開いてくれた。これからは、意識的に……完璧な『根源の力』を……」
一粒の涙の雫が溢れる。
今、自分の心には火が強く灯っている。
しかし、瞳からは水が滴れ落ちる。
理解が出来ない。
だが、その理解出来ない物こそが『根源の力』だ。




