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ネラ物語〜深き森にて、禁忌を求める孤高の魔女〜  作者: 星狼
〜森の来客〜

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19/37

ネラは泉から顔を出す。

深い深い闇の泉から、ゆっくりと浮上する。

差し込む日の光りがネラの顔を優しく照らし、頰に細かな光の粒を散らす。

湖のほとりで、朝の風が彼女の髪を軽く撫で、木々の葉がざわめく。


ネラは静かにウルフに向かって言った。

「私が入れているのは反骨心ではないわ」


ウルフは強い瞳でネラを見つめた。

「……反骨心ではないのか。それならどういった感覚だ?」


ーー彼は気づいている。


私が泉の底で宝を見つけて来た事に気づいている。

だから、見せよう。

この泉の場所を教えてくれたのは彼だ。

彼に私が見つけた宝を見せよう。


「『干渉権』。私が持つ闇属性のイメージは、言葉にするなら干渉権よ。」


ウルフに宝を見せる。

ネラの声は静かだが、確かだった。

風が木の葉を揺らし、湖面に小さな波紋を広げる。


「より詳しく聞かせてくれ」


ウルフが真剣な眼差しで問いかけてくる。

宝の箱を、そっと開く。


「私が闇属性に感じているイメージは、『死の世界へと繋がる扉を開く事』。そこから私は魂を呼び込んでいるわ。だから、闇属性のイメージは死の世界へとの繋がりを作る『干渉権』のようなもの」


真っ直ぐにウルフを見つめて答える。

ウルフの表情が変化する。

強張った顔。

その瞳に、確信の色が浮かぶ。


「いや、それは違っている。『干渉権』ではないはずだ。恐らく、その死の世界へと繋がる扉を開く必要になるのは、次の段階だ」


ーー違うのか?


彼の表情からは、自分の言葉への揺るぎない自信を感じる。

これは宝ではないのか?


「俺は召喚魔法使いだからこそわかる。俺もネラも『魂を生み出す』という概念は共通している。だが、俺にはその『死の世界へと繋がる扉を開く』といった感覚はない。『新たな生命を生み出す』といった感覚のみだ」


ーー確かにその通りだ。


最初に行う事は闇属性が含まれた根源の力を完成させる事。

そして完成した根源の力を死の世界へと繋がる扉を開いて融合させる。

そうする事によって、根源の力には死者の魂が宿る。

『干渉権』が必要になるのは、ここだ。


ーー宝の箱の中にあったのは石だ。


これはただの石。

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