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ネラ物語〜深き森にて、禁忌を求める孤高の魔女〜  作者: 星狼
〜森の来客〜

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15/35

再会

「ウルフ、ここよ」


水瓶を抱えながら、ネラは声の元に姿を見せた。

霧が残る木々の間から、ゆっくりと歩み出る。


「あぁ、いたか……」


ネラの姿を確認したウルフは、安堵したかのように肩を落とした。

黒い外套が軽く揺れ、メイニヤックが低く鼻を鳴らす。


「ほら、やっぱりいるじゃねぇかよ。そんなに慌てなくて大丈夫だったんだよ……」


肩に乗っていた鳥が、飛び上がり、羽をなびかせながら空中で待機し、ウルフに向かって言っている。

滑空するその姿は、風に遊ぶ葉のように軽やかだ。


ネラは溢れ出そうになる笑いを堪えた。

確か、あの鳥はウルフの召喚獣のはずだ。

使い魔が主に向かって、あのような言葉を放つなどという事もあるのか。

確かに、あの鳥は「迂回経路」以上の何かを秘めていそうだ。


ーー彼は確か、アルクと言っていたかな?

確認してみよう。


「アルク……で、大丈夫かしら……? また会いに来てくれてありがとう」


少し、優しい笑みを作り、礼の言葉を言ってみる。

柔らかく、落ち着いた響きを帯びさせて。


「アレ? 前に来た時に、自己紹介してなかったか……? そうだぜ、俺はアルクだ! しっかり覚えておいてくれよ!?」


ーーこれは厄介な返事だ。


前に来た時には、自己紹介はして貰っていない。

今、自分が遠くから聞こえて来たウルフ達の声で知ったのだ。

ネラは必死に笑いそうになる想いを押し殺す。


彼女は心を静める為に、改めてウルフ達を眺める。


鮮やかな緑と赤の羽を持つアルク。

闇を凝縮したような黒犬のメイニヤック。

そして主のウルフ。

この三人で彼らは平原を旅しているのだろう。

果てしない風の平原を、自由に、気ままに。


「ええ。しっかり覚えさせてもらうわ」


ネラは再び、笑顔を作ってアルクに答えた。

その笑みは、半分は作った物。だがもう半分は作っていない物。


ウルフが冷淡に、だが力強い声で言った。

「アルクとの話なんてどうでもいい。この前、お前と話した後にゆっくり頭の中を整理したら『根源の力』の解析が足りてなかった事に気付いた事がある。」


ネラは驚いた。


「まさか……私の理論について、もっと深く考えてくれたの?」


前にウルフと話したのは何日前の出来事だ?

少なくても、まだ一ヶ月は経っていないはずだ。

それなのに、彼は新しい物を見つけたのか?

ネラの胸に、静かな波が広がる。

それは、湖面に落ちた石の波紋のように、ゆっくりと、しかし確実に広がっていった。

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