表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネラ物語〜深き森にて、禁忌を求める孤高の魔女〜  作者: 星狼
〜森の魔女〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/15

孤独な魔女

男は続ける。

その声は、暗い。だが、何処か温かみを感じる。


「俺は禁忌じゃないけど、ほら……召喚魔法は暴走の危険があるとかで、使えない魔法扱いされてただろ?」


ーーあぁ、そうか。その通りだ。


彼の言う通り、召喚魔法には古くから「暴走の危険」が叫ばれている。

古代の記録に残る、制御を失った竜が一つの街を灰にした逸話すら、今も語り継がれている。

それに、私も何かの書物で見た。

「火を操る召喚獣を創出する労力を費やすのであれば、最初から火の魔法を極限まで高め、誘導弾を自在に操る術等を完成させるべきである」

召喚魔法とは「迂回経路の一つ」である、と。


男は膝を落とす。

そして、隣に寄り添う黒犬の首に腕を回しながら言った。

「それにムカついて、暴走もしないすげぇヤツ作ってやるって反骨心でメイニヤック生んだの」


ーーその通りだ。


黒犬は真っ直ぐな瞳で私を見つめている。

肩に乗る鳥も首を左右に振りながら私を見つめている。

あれは誂っているのか……?

だが、その瞳もまた真っ直ぐだ。

彼らに暴走の気配などは微塵も感じない。

それどころか、彼らには迂回経路以上の何かを感じる。


「そう……私達って似てるのね。既存の理論に縛られない研究者同士……もっと語り合いたいわ」


自然と自分の口から言葉が漏れる。

きっと、私の瞳も今、彼らと同じように真っ直ぐに輝いているのだろう。


「いや、俺はもう満足した。とりあえず、今日勉強になったわ」


しかし、男の口からは出たのは、拒否の言葉。

ネラの胸に、微かな痛みが走る。


「もう……帰ってしまうの? まだ話したいことが……」


ーーわかっている。


彼はそういう選択をする男だというのはもうわかっている。

あの選択は覆る事はないだろう。


ーーそれでも。


そっと魔法の書を閉じ 、

弱々しい言葉で、

寂しさを含め、

切ない想いに押し潰されそうな孤独な魔女を演じて言ってみる。


これは駆け引きだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ