転生前 ~不安と恐怖~
父の死。 異母兄の死。
三度の脳梗塞、透析を受けながら、片足を失った母の介護。
何度も、何度も思った。 全部投げ出したい。
全部消したい。
真っ白にしたい。
(私に、もう一回笑える日は来るんかな)
答えは、 どこにもなかった。
そんなことを考えながら、 気づけば三十九歳。
女としての人生に、 自分の運命に、 心底、疲れ果ててた。
お腹が痛い。
息をするのもしんどい。
身体の奥が熱くて、沈んでいく感覚。
子宮を締め上げられているような痛み。
(ああ……また婦人科、行かれへんかったな)
叔母と同じ病気かもしれへん。
そう思う夜は、 一度や二度やなかった。
でも、怖かった。
病名を告げられるのが。
これ以上、何かを背負わされるのが。
(もう嫌や……人生終わらせたい。 できることなら、やり直したい)
そう思った瞬間、 涙がぽたりと落ちた。
「次は……男がいいな……」
ぽつりと呟くと、 胸の奥が、 ほんの少しだけ軽くなった。
(もし、また人生があるなら、好き勝手に生きる。誰にも気ぃ使わんと、人のことなんか考えずに、自由に自分の事だけ考えて楽しく生きたい……)
そこまで考えたところで、意識が途切れていった。
もし死んだら…母さん……一人にしてまう……。
この状態で、主人公は転生しますけど私は現実と言う牢に閉じ込められています。




