転生前 ~狂いだす中学時代~
そんな私が狂い始めたんは、中学生になってからや。
自分が自分でいられなくなった。
いや、正確には――自分を制御できなくなっていった、が正しいかもしれへん。
まあ、よくある話やな。
「いじめ」や。
学校へ行けば、ゴミを投げつけられるのは当たり前。
今思えば、 「よくそんなにゴミありますね?」 って感じやけど。
ちなみに私の席は、一番前のゴミ箱の前。
奴らにとっては、「うっかり投げたのが当たりました」って言い訳するのに、最高の場所やったんやろ。
いじめが始まる決定的な出来事やったのは、一年生時代の教師からの暴力やな。
教師にぶん殴られた。
口から血が流れるほど、容赦なくや。
……傷害罪やぞ。
今ならそう言える。
でも、あの時の私は、 「殴られた自分が悪い」 そう思い込もうとしてた。
理由は、朝学のプリントをファイルしてなかったから。
ただ、それだけ。
ファイルに綴じるのを忘れて、挟んで出した。
それだけのことで、 女の子の顔を殴る大人。 教師。
今でも思う。 心の底から。
……○ねばいい。
思い出すたび、 胸の奥が焼ける、腸が煮えたぎる。
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それでもな、 その時までは、 心のどこかで信じてたんや。
「先生は、きっと味方してくれる」
この事件がその私の幻想を木っ端微塵に粉砕して、音を立てて崩れさせた瞬間やった。
そして、私の居場所は完全になくなった。
“ああ、こいつはイジメてええや
つや”
無言の了解が、 クラス全体に広がっていった。
そんな気がした。




