これから強くなる身体
全面的に自己責任でお願いします。
金曜日の稽古では、立ち方が安定してきたって、先生に言われた。
「力を入れすぎてへん。ええ重心や」
前なら、褒められると戸惑ってた。
でも今は、ただうなずける。
(ちゃんとやってきた結果や)
型を打つとき、足の裏が畳をつかむ感覚が分かる。
突きも、蹴りも、
大きく振り回さなくても、音が鳴るようになった。
武が休憩中に言う。
「最初の頃さ、すぐフラフラしてたよな」
「してたな」
「今、全然ちゃうわ」
「武もな」
二人で、道着の袖を引っ張りながら笑う。
学校でも、変化はあった。
体育の時間。
走るとき、前より腕が自然に振れる。
鉄棒で、前は勢いだけやった技が、ちゃんと身体で支えられる。
「有利、力あるな」
そんな一言が、ぽろっと出る。
(力、か……)
ゴリゴリ強いわけじゃない。
背はそれなり、体格はまあ少し筋肉ついてるかな?位の普通。
でも――
折れにくい身体になってきている。
前の人生では、身体が弱ると、心も一緒に崩れた。
今は逆や。
身体が整ってきたら、気持ちも、自然と前を向く。
夜、風呂あがりに鏡を見る。
(うん。なかなか。)
頼りない感じはしない。
(これでええ、それに女の子の時も中学一年で、160cmあったし、卒業の時で、165cmはあったんや、男の子なうえ、バランスの取れた食生活と運動量から考えて、伸びるのは、間違いない。)
三年生の身体は、まだ途中や。
でも確実に【これから強くなる身体】だった。
読み終わってのクレームは、お止めください。
自己責任です。




