第〇話:知らない内に他人に奪われて勝手に読まれた(ほぼ読まれてない)主人公片峠步の、個人メモ帳の落書き〔プロローグ〕
* 『弱者男性』という言葉を知って居るだろうか。
* ——男性には確かに弱者性という物が、厳然と存在する。そして、男性は原始よりその弱者性故に理不尽な目に遭い続けて居る。理不尽に死に、苦しみ、傷み、病を得る。何千何万何億兆もの男性が。放置されてしかも蔑まれる。
世は、自己責任だ、『トレードオフ』だ、男性だからそうなって当然だ、男なんかに感情移入など出来無い! と、人間の肉と骨と血と心を貶める。そしてその苦痛を認めない。女性の痛みより一等低い物として不当に矮小化する。
本来平等に尊重されるべき個々の、具体的な「その人の痛み」を抽象化して論い、無痛化を図る‥‥いやそうして人殺しに積極的に参画して居る。
‥‥それを想像する事すら能わぬ。
* 永世(【ペンの永字八法試し書き】)
* ——ぢゃ、ともかく認知が少しでも変わりさえすれば良いので俺が個人的に思って居るあやまりだらけの事を、臆せず想像してみよう。
*「今にも餓死しそうな男女ふたりが居る。
次の配給で御飯を渡されて食べなければ栄養失調でどちらも死ぬ。
そんな時に来た配給要員の女性が、この極めて痩身の男性に、
『あなたはこの差別的な社会の構造上不正な利得を得て居て、かつ差別的な信念も持って居るので、あなたに御飯はやれません。加害されて居るあの人たちの穴埋めの為、差別是正措置としてその人にあなたの分も渡します。これは純粋にあなたに由る問題です。この措置が妥当である事を悟って下さい、〈差別的〉なあなたたち』
とか論って御飯を渡さず、その男性の分も併せて女性だけに御飯を渡した。飯にあり付けた女性は実に美味そうに御飯を頬張り、更に‥‥
『ハハハ、君は実に無様だな。不当な事やってて卑劣だから男性は穴埋めとしてこうなるんだ。当然の事じゃ無いか。まあでも君、苦しんでるのはウソで、ホントは御腹空いて無いんでしょ?君の気持ちになった私にはわかる。寧ろ暴力的で差別ばかりして居る君たちの所為で私たちの方が辛いんだよ。ね?』
『『ね〜♪』』
と迄貶められる。無視される。皆なで連れ立って同調し、自分の受けて居る虐遇の正しさに納得しろと言って来る。
耐え難い苦痛の中で死に行く「あなた」はそれに納得できるか????」これに納得出来て、然〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜《【字が小さすぎて読めない!】》
*自分は一応困窮して居る方々には属性に拘らず平等に救われる仕組みがあると、心から信じて居る。この世の良心を見る。
* ともあれ、例えの中の話だが、理不尽に苦しんで居る人間とは、その様に人々と社会に扱われて良いものであったか?あなたはそう扱われるべきであるかな?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜改頁
*——ただただ、助けられたかった‥‥だけなんだ。
くるしいやみの泥にもがくときに、一度でも、放置されずに、優しいひとから手を差し伸べられてみたかったんだ。《【か細い字】》
*——イヤな印象を他人に抱かせる、気持ちの悪い[卑劣な弱者][社会性が欠けた][孤立した][『ボウリョクカガイ』的な]僕は、ただただ、《【走り書き】》
*——自分は、ただただ、やみの泥に溺れた自分は、助けられたかった、だけなんだ。救われたかったんだ、私はひとに助けられたかっただけなんだ。《【殴り書き】》*——当▓ふつう、事なのに《【普通の字】》
*——ムシがよすぎる《【やたら強い筆圧】》
*——やみのなかに溺れて居るからこそ、ひとを助けたい。ひとを助けたい。しかし私たちだけは、僕たちだけは救われないままで。《【殴り書き】》
*——余りにも苦し過ぎるやみの泥に沈みもがくなかで、一度でも、わたし、たち、は、ひとから手を差し伸べられてみたかったんだ。《【殴り書き】》
*——なお、むリゲーに近い《【普通の字体】》
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——奪った者は一行目で既に内容を察して、見るのを止めた。何も無かったかの様にB6サイズのメモ帳を、主人公の机の引き出しの中にそっと戻した。何も見なかった事にした。
「(一体誰に見せる積もりだったんだよコイツ‥‥)」
このスラっとした顔立ちの男子生徒は謎の文に困惑した。厭な物を見て仕舞った眼でも洗い流そうと、教室に一番近い男子トイレに向かった‥‥。
なお、この机の主たる、臭くて卑劣で悪い主人公は、一度ウッスラ目を開けた。メモ帳を、中に戻した男子生徒の身体を、平伏しながらボンヤリと、視界に捉えたその後も、机の上に突っ伏して、グッスリと泥の様に眠って居た。
さて、目の醒めて居ない主人公は、〈一体自分がどうしたら良いのか〉が分かるだろうか? そして‥‥果たして彼はどうすれば良いのかが‥‥、あなたには分かるであろうか?
——少なくとも私には、分からない、が——それ以外の「ひとつの事」は分かる、という事にした。そうしないと先に步まないから、メタ的に必要なので取り敢えずそうした。
で、私が取り敢えず分かるとした内容とは何、であるのかと言うと——
『彼は今目が醒めて居ないから自分から目を覚ませない』⇆『彼は今自分から目を覚ませないから目が醒めて居ない』。という循環論法がここにある、という事である。
——。とかく私はここに[循環論法]がある、とする。世の中にはたくさんある循環論法だが、それを破釈する方法がある。その論理の外部から新たな知見を導入すれば良いのである。だから、この理不尽な[循環論法]を打ち破る[新しい論理]を作り出してぶつければ、彼は起きる事だろう。さあ、どうだ。論法を打ち破る物を思い付いただろうか。例しに、ひとつ考える事にする。
『彼は目が覚める可能性がある。今目が醒めて居る他者が彼の目を醒ます可能性があるから、目が醒めた何者かが今彼を起こせば起きる』。
この作り出した[新論理]は一見尤もに見える。だが、彼にとって、尤もらしくない。
『目が醒めた何者か』は、新しい論理の中にしか登場しないのだから、元の[循環論法]の中に閉じ込められる。だから囚われ続けて居る彼に、その存在は分かる事が無い。例え分かって居たとしても、彼は何にも出来無い。
それなら彼はどうやって起きるのか?最初っから‥‥抑々、今の彼にとって新しく理解し、行動出来る様な新しい論理がある、可能性があるだろうか?
——無い。無い、から無いのである。それが今試しに分かった所で、眠りに落ちた彼自身がどうにかなるのか?ならない。ならない、である。
——「『寝なきゃ良かったのに』『彼が寝ない様にする』という、時系列を逆行する理屈」は、解決法にはならない。事の前に遡る‥‥『すれば良かったのに』論法を用いる事は、現在彼が今陥って居るこの状況を放置するのを、個人的に正当化する魔法では無い。
でも——ここではオカシな事に、こうした循環論法を打ち破って彼を起こせるのは《《彼以外の誰か》》しか居ない。つまり——『他者』にしか、その可能性が無い。彼のこの小さな不幸的時態が適切に解決されるには、今の彼にとっては‥‥他者の干渉を待つしか無いのである。
そうであるので、相変わらず彼は‥‥今の所、只々惰眠の泥に、自己を溺らす儘に溺れさせ、目を覚まさないで居る。[新しい論理]が正しくあっても、結局分かる事の出来無い彼は、今もグッスリと眠って居た。
彼が眠って居る一方、この昼休みも終わりに向かい、当の彼以外の他者——同級生は皆な、次の移動教室へと移動しようとして、彼の寝て居る教室からバラバラと出て行く。
案の定、そうした学級教室に居る全ての他者も、誰も、彼を起こさないのだ。そして、今なお、誰も、彼も、他者も‥‥彼を起こす事が無い。
これから分かる彼の運命は、[解決の為に生み出された新論理]に就ての余計な洞察の通りならば、「起きる筈の彼は起きる事が無かった」し、かの「深く眠って居るなら起きる事は無い」という「『循環論法』の結果」として彼は起きなかった。彼自身としても意識が無く、外的状況が良く判らないから、決して起きる事は無かった。恐らく、彼は‥‥同級生、教師、或いは先輩後輩等々の、他人』に起こされる事は無く、その為自づから目を覚ますしか無い。遅くともいつか——早ければ今日の日の入り頃。遅ければ明日の未明になる頃にはひとり目を醒まし、さながら真夜中の廃墟と化した校舎を彷徨しつつ自己の住処へ帰って行く事となるだろう。
勿の論、ついさっき『厠を済ませたあの男子生徒』も、教室の机に戻り、移動教室へと行く為の授業の準備を始めた。
そして、スラッとした面立ちの恰好良い彼は、この眠りに落ちて居る‥‥「いとも醜く、卑しく、劣って居て、浅ましさの甚だしい‥‥『コミュ障ぼっち』、謂う所の『チー牛』だ」と思われる彼を見て、そうして以為うには——
『[起きられる筈なのに起きない]という彼自身の行為の責任、過失の責任は彼自身にあり、無過失な他者である俺には、当然負うべき責任等無くって、そうして過失の責任が無いんだから、これは俺自身の問題では無い。自己責任だ。これは彼自身の責任問題なのだ。彼の責任を俺に不当になすりつけるな。過失があるどころか、ミスの無い《《有能な他人》》に責任を押し付けて、足を引っ張って台無しにする。そんな、自己責任否定の論理、他者への責任転嫁は、最初から間違って居る。そうだそうだ、【起きない彼が悪いのに決まってる】んだぞ。何で彼は起きてないのだろう。——おかしくね? 俺、万一彼だったら直ぐ起きてたし、授業に遅れる事無いのに。ほら、俺は今、間に合う様に授業に行ってるし、起きて居るじゃ無いか?起きられるのに、何で寝るのか‥‥。やっぱり、高校二年生になった——『《《いい大人》》』になる事を要する人間の筈なんだから、寝て遅刻した、なんてのは、疾くの昔に自己責任なんだ。勝手に寝て居るヤツを起こす情なんて無い。理解しろや』
と、メモ帳を奪い読みしたあの男子生徒はこう決め付けた。又た決め付けるには——
『考えるに、彼は、自業自得なのだから、彼が起きないのが悪いのであって、俺や他者は悪くない。俺や他人は、悪く無いのに‥‥ああいうヤツは他人へ責任転嫁して、『明らかに正しい』〈自己責任論のモデル〉を〈無視〉する。最初から他人に譲らせる気で居て、当の自分たちは改善するのもやらない。[やらないのは当然だから]として威張る。何とも馬鹿らしい存在で、有用な成功者の事を妬んでばっかりで、更には恨み、或いは怒る。他人の待遇が幸福な立場と見れば強く羨み、[自分の立場、待遇は【《《不当》》な扱い】である]と百度強いて主張し、煩わしい事ばっかり。無様に喚く事で他人を引き摺り下ろそうとするので、申し訳無いけどそういうヤツら、個人的には「何とも器の小さい、素晴らしいケモノ人間なんだろうッ‥‥!!」としか思えない。そんな足を引っ張り続ける、碌でも無い奴は、養って良い存在では無いし、特に守ってやる必要が無い。甘やかすと、永久に肥え太り続ける一方の腐った魔物だ。こうして〈【自己責任論】を無視する〉痛いヤツらは、[〈自己責任論を無視する〉事は——この世の害悪な、努力を知らぬ、ボロボロな負け組の無能がやってる事]なのを知らない。マッタク、真面目で無いヤツらだ。‥‥ともあれ、俺は擁護出来無い他人の過失なんぞは当然、大凡——その当人の責任だと考えて居るからである。そういう根拠は、【過ちて改めざる、是れを過ちと謂ふなり】っていうだろ? だからだ。これがわからないと、【人罪】が【人財】を食い尽くすんだっての。そんなの、今日より二〇〇〇年以上前の古代人にも理解されて居た普遍的な事なんだし、もっと先の現代社会でも通用する価値観なんだってわかる? と、いうか、痛い。ミスの無い他人に責任を押し付けられる、自己責任論の記述を理解して居ないひとだなんて、「それこそ社会ではやって行けないよ?」。それなのに自分の事を正当化して「社会でやって行けないの〜。そういうひとなの〜」って開き直って居るのはアホちゃうか?普通に自己責任やろ。寧ろ帰って来て当然のブーメランが当たってるだけやな。気持ち悪いショウガイドウテイオタクくんのくっさい夢物語は終わりにして下さい、!w』
——として、——
『当然ながら、コイツ見たいな馬鹿らしい無能と一緒の船に乗った所、船は難破してそこそこ沈み出したとすれば——俺は‥‥何とか自分の命は自分で助けるという究極の自己責任論を分かって居るから、自分は即席の非常用の船で脱出する様にして、自分の命は自分で助ける。だが、無能なひとは‥‥正しい自己責任の考えの下には無いので、自分で動かないといけないというモノなのだと理解出来無い。まるで嘲笑されるべき茶番の如く、パニックになって何も出来ずにその儘溺れて行って仕舞うから、助からなかったのは自己責任だ。だからそんな時なら、俺は‥‥自分の非常用の船に乗った時、自分を助ける事が出来た。ブツクシュブツクシュそこら中で気味悪くしてる精神性の歪んだ[籠りオタク]、コミュ障ぼっちとは違って俺は理解して努力をする。生きる為に努力も出来無い、そうした腐った奴等の[籠り部屋ガラス]を突き破りたい。こうして助かりたいなら‥‥自己責任論の考えを分かって、俺みたいに勝手に船迄上がって来て非常用の船を展開する筈だし、若しくは泳いで俺の非常用の船に登って逃げる筈なんだから、そうも出来無いのを助ける必要は無い。ソモソモ何故最初からシぬ様な状況で助け舟を待つ姿勢なんだ?助けられない人間たちだから。然しその様な原理原則すら理解出来無い、つまり助かりたくない人間なのならば‥‥身勝手にあなたは逝きなさい。自己責任を理解する、なんて有能な俺は‥‥『自己責任は理解出来無い!!』なんて言う無能なヤツと一緒になって、「自分迄自己責任を理解しないで」、ズルズル諸共‥‥海に平等に沈んでやる合理性が‥‥百歩譲ってもある筈が無い。《《その》》行為に合理性が無くて、そして間違えてるって事が分かる、解って居る俺は——何をしても、二歩譲ってやる気も無いけれどもさ。だから、ともかく助からなかったのは、迷惑掛ける劣敗者だからである。解って居る優勝者を除き、【劣敗者は、自己責任論が解らなくてはならない】。だから、これを《判らせる》教育手段の為に、有能な優勝者の俺は、彼を起こさないのである。彼を起こして甘やかすと、他人に責任を押し付けて自己責任論を理解しない。反面、起こさない事は——自己責任論が正しいって事を相手が理解しない事に繋がるから、俺がこうする事が——正しく望ましくする為の、究極で最終的かつ不可逆的に、絶対唯一の手段である』
と、彼の【弱さ】問題に対する最終的解決を思い付いた矢先である。
‥‥この素晴らしく優勝なる彼は——劣敗な彼、の脚部に着て居る制服の黒いズボンの一部に、思わず着目せざるを得なかった。
「《《ソレ》》」がタダ単にシワの按配でそう見えるのか‥‥或いは『彼のパンツの中身』が大っきくなって居る所為で見えるのか‥‥それともこの両方の作用が上乗せされた結果からこう見えて居るのか——劣敗者たる彼の黒ズボンの前方股間部が大きく膨れ上がって居るの——を見た。
彼は取り敢えずその事に就て考えた結果——「まあ、とにかくその両方があるだろう」と結論付けただけで——結局、どちらにせよ、「起こして」「立たせる」事をしない儘であったから、「《《彼》》」を起こさずに居た。
結局優勝なる彼は、同じく授業の準備を終えたばかりの同級生の塊に向かった。仲の良い同級生誤、碌人の輪の中に混ざり合ったのである。
彼は【《《劣敗者》》】にやや要らぬ注意を向けつつ、起こさない様にして——自分も含めて計六、七人程度の仲間たちと一緒に行動する事にした。
それから、話し込む暇も無く直ぐに——移動教室に向かうべき時になったので、今回も、彼らが通例としていつもやって居る行動——仲間同士で【「思い出」を造る】為に——或いは——仲間たちが個々人皆な【ひとりも欠けずに愉快な気持ちであるかどうかを社会的に確かめて、仲間を結束させる】為、或いは【自分たち個人が"ソウ"である事を理解させる】為に、仲間の皆なで一緒に『せ〜のッ』と言って、その瞬間に皆な同時に何らかの行動を行う事を——やった。愉快にやった。そうして、教室出入り口の木製の引き戸から、出て行った。今回行った具体的な営為は、‥‥教室から、皆なで各々並んで廊下に一斉に出る、という【[彼らに取って素晴らしい]】事だった。
正直、無理解な部外者にとっては、彼らが暗黙の了解として行うこの事を、彼らは本当に何の為にやってるのか、真実が——解らない。そんな、六、七人とはほぼ完全に交流が遮断されて居て、かつ学級教室の中に居る、ひとりの黒い学ラン制服を着た生徒が居た。
姿態に幼気な性質を多めに残し、それが結構女性的というか、所謂アニメ的な『男の娘』の魅力を齎して居て——更に「イカにも非力なパソコン少年」の印象である「彼」が、教室の出入り口で暫く滞まって居る彼らの事を‥‥こうして端から見て居ても、幼気なパソコン少年の彼にとって、理由は皆目検討も付かない様であった。と、いうか「うわぁ」と、思いも寄らない異俗を覗き見た様な感じで、控えめにドン引きして居た。
こうして友達では無い、かつ行為の意味も知らない人間が、仲間内で物事を行う彼らを端から見たら、【[イカれてる]】様に見える、という事だ。だからと言って、誰かが何かをどうにかする訳でも無いが。
いくら、ひ弱な男の娘的パソコン少年が、彼らの行為を理解出来無かったからと言っても、彼ら自身の——「数は力、力は数だ」(「力は暴力だ」「正しい暴力は正義だ」)の循環論理により‥‥「より数が多い方が力が強いのだ、強いのは、認められるから、より楽しいのだ‥‥」——という、ややもすれば自己中心的価値観を含み兼ねん様に見える、男のコ少年から見たらオドロキに満ちたキッツいプリミティヴな物事ではあるものの、こうした彼ら同級生集団の、[集団的見解]が否定されて覆る事は期待出来無い。そして、このかわいらしい少年も‥‥泥に眠る男子生徒を起こす事は無い儘、教室を出て行った。
そして、書き手から見て‥‥記述する事を忘れてはならない人間が[今この場合に於いては][少なくとももうひとり][確実]に居る。何故なら、作者が[【話を步めるメタ的必要】に迫られて]、{どうにか創り出さないと、話がこれより[先に][【好ましく】][【步む】]事が無いから}で、あるから、である。
一体[誰がその人間なのか]というと、[【彼を起こそう】とも‥‥【彼を起こす事が出来る】とも‥‥【彼を起こす事が出来無い】とも‥‥【彼は起きない】とも‥‥【彼は起きる】とも‥‥【彼は眠って居る】とも‥‥【彼は眠って居ない】とも‥‥【私は彼を起こしても良い】とも‥‥【私は彼を起こしても良い事が無い】とも‥‥【私は彼を起こしても悪い事が無い】とも‥‥当人は思って居ない]状態であるから、畢竟、[【それだけに起こす事の無い】状態であり、【同時に起こす可能性を有する】彼の学級仲間の中で唯一無二の人間]が[それ]である。
[この人間]は——[今から【《《かれ》》】という代名詞で呼ぶ]——[《《かれ》》]は、眠る男子生徒が以前から持ち続けて居る、観念としての循環論法の中では「個人的に避けるべき存在」とする、[偶然にも‥‥彼が避けたい属性]である。[それ]は——[【女子生徒】という人間]である。
こうして‥‥こうやって今[態々説明された人間]であるが、現在彼が眠って居る教室の中に、[《《かれ》》]の姿は無い。
こんな[《《かれ》》は]‥‥少なくとも、[今定めた、状況設定の帰結として][【暫くの間彼が起きて居ない様子を見て居ない】]状態である。そうなので、[《《かれ》》]が[【なにか】である]とも、[【今眠って居るとも居ない】]とも、[【起きて居る】とも【居ない】]とも——今は、気付いて居ない。
だが、気付いて居なくともその裏で、着々と物事は、動き始めて居た。




