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三節 後顧1



 ◇




 頭上を見上げれば日光を遮るように幾重にも重なった木の葉が視界を塞ぐ。

 その隙間から覗く空は、鈍色をしていた。


「いやあ、すんなり通してもらえて助かったね」


 出立というには相応しくないどんよりとした転機とは打って変わって、先団を切って歩くメアの言葉は清々しいようだがその反面、その背に続く者達の顔色は明るいものでは無い。


「華々しい門出だろう? もっと笑顔を見せてくれよ。今はそう……、これから君たちが手にするであろう未来を夢想し、笑顔で語り合う場面じゃないのかい?」

「それができれば苦労はしねえよ。……どうして、こうなったんだか」


 調子づいたメアに反論するのは、沈んだ面持ちの多い顔ぶれの中でも、特に顔色が芳しくない男性、獣人種のエディ。


 あれほど呪いを振り撒いた張本人である俺を憎み、当然のように夢のような現実を物語るメアを忌々しく思っていた彼が、まさかこちら側に付くとは思いもしなかった。彼が言うには、「イムさんに説得されたから」と言うのが動機らしく、同行が決まって以降も俺やメアを完全に信用した様子は欠片も見せていなかった。


 そんなエディのように、メアから打ち明けられた、真実と条件。その二つを受け入れ、自分の中で答えを出せた者は、決して多くなかった。


 俺たちに同行する決意をしたのは、全部で十五名。村人の総数が約六十人だということを考えると、本当に僅かな数だと言える。

 同時に、大多数の意見を跳ね除けて自分たちの意見を貫き通した勇気は、称えられるべきものである。


 しかし、同行者を募ったメアからすれば「これだけの数が集まるなんて」と零していたのを耳にしていたため、この数はメアの予想よりも多い方なのだろう。それでも、俺からすれば俺たちの事情で彼らを村の中で二分させることになったと言わざるを得ず、その渦中に身を置いていたエディを含む同行者らには、肩身の狭い思いをさせたことだろう。出立までの短い期間とは言え、村の中の空気は常にピリピリとした緊張に包まれていた。


 そして出立の日を迎えた今日。

 対立関係のような立場であった村に残る村人たちからは、武運を祈る言葉も無ければ見送りに立つ者もあらわれず、俺たちは人望の無さをありありと見せつけられたかのような思いであの村を発ったのであった。

 少なくとも、遥か遠い旅路を経てこの場所にまで逃げ延びて来た仲間として、同じ境遇である呪い人(ネビリム)に別れを告げさせる機会くらいは設けてやるべきだったのではないかと村から遠ざかるごとにその想いが増していく。


「……」

「その……私が言うのも何ではありますが、あまり、彼らのことを責めないであげて欲しいのです。彼らも本当は、心の内では分かっているはずなのです。ですが、それを認められる程の余力がない。彼らの心に、余裕が無いのです」


 重たい空気の要因を取り去るべく、ウォルマンが沈痛な面持ちで口にする。

 その言葉は、ウォルマン以外が醸し出せる重みではなく、誰もが沈痛な面持ちを抱え、口を閉ざすのだった。


 同行を決意した者達はいずれも、村に残ることを決意した村人に対して何らかの感情を抱えていることだろう。

 胸に宿るのは悲憤か、それとも後悔か。

 きっとその感情は多岐に渡る。人の数だけ、思い入れと言うのは増えるだろうから。

 しかし、それでもウォルマンは村に残った者達を責めるのは止めて欲しいと口にした。


 条件と情報の開示から出立までの期間は短いとは言え、俺たちはそれぞれ、各々の目的の下で動いていた。メアは周到に準備を重ね、リリスは看護助手の村人と共に被害女性らのサポート、俺は右眼の力を使って呪いを体に害がない強度で進行させてはダウンしてを繰り返していた。


 その中でウォルマンは、彼だけは、残留と反抗の意思の固い村人たちを最後まで向き合い、説得を繰り返していた。その結果はどうだったか。俺たちを見送りにやって来た村人はゼロだった。それを人は、無駄だとか、時間の浪費だとか言うのだろうが、俺は彼の行動は何も無駄じゃなかったと思っている。


「私たちを騙すために見せたまやかしとは言え、デゲントールの……あの男が掲げた希望の光は、あまりにも強烈でした。彼に付き従っていれば希望が手に入る……そう思わせるだけの甘い餌の味を知ってしまった以上、彼らを動かすには、相応の何かが、必要だったのかもしれません。そして私には、それが無かった……。本当に、力不足を実感させられました」

「ウォルマン……」


 ──デゲントールは逃げた。


 そう言ってしまったのが、悪かったのだろうか。


 村人の多くは、あの男が『まだ生きている』ことに希望を見出してしまった。彼がまた希望を携え、助けに戻ってきてくれると思い込ませる隙を与えてしまったのだ。


 そうなっては最早、彼らは梃子でも動かない。

 俺たちと共に来れば、苦難が待っているが、ここにいるよりは未来を作る手立てがある。そう言って誘ったところで、彼らが靡くとは思えない。何しろ彼らが待ち望んでいるのは、希望と言う名の餌を持ち帰ってきてくれる親鳥なのだから。


「強力な希望は、人を堕落させる、ね。人は絶望しているくらいがちょうどいいのかもよ?」

「どうして俺を見て言うんだ」

「僕や君では、カリスマが足りないって言うからさ」

「ウォルマンが言いたいのはそういう意味じゃ無いだろ。それに、お前なら村人全員を心変わりさせるくらい出来たんじゃないのか?」


 甘い言葉と緩い希望。

 それらは詐欺師の常套句に他ならないが、メアならそれと同じものを用意出来たはず。そしてそれらをデゲントール以上に上手く、そして効率的に使えたはずなのに、それをしなかった。ウォルマンの苦悩を知っていながらそれをしなかったのは、何かしら理由があるに違いないと思い尋ねると、メアは前を歩く足を止めて振り返った。


「どうしてそれをしなかったか、だって? それをする意味があるとは思えなかったから。これに尽きるね」

「……」


 メアの答えを受けた俺は立ち止まり、振り返った。

 その背に続く光景を目の当たりにした俺は、二の句を告げなくなる。


 メアと言う男が世間一般で言う「正義」のために動くような人ではないとは言え、その物言いはいかがなものかと口を衝いて出そうになった言葉を封じるには、十分な光景が広がっていたからだ。


 後ろに続くのは、十五名の同行者達の列。


 これまでのようにリリスと(エース)だけを守ればいいという状況とは違い、前を歩く俺達の肩には後ろに続く彼ら全員の命が乗っていることを再確認せずにはいられなかった。

 背負う命の重みを、理解せずにはいられなかったから。


「これは、ただのピクニックなんかじゃない。自ら行動することを選択できない人間を守る価値があるとは思えなかっただけさ。僕の予想では、ウォルマン一人くらいしか来ないとすら思っていたくらいだしね」


 メトロジア大森林は、普通の森とは大きく異なる森だ。

 人々の手によって切り開くことが出来て、自然の恩恵に与ることが出来るようななだらかな森などではない。

 帝国の歴史の中で一度足りとも切り拓かれなかった森の険しさは、踏み入っている俺達が一番良く分かっている。


 大森林という名の通り、その規模は国が一つすっぽりと収まるくらい広大で、大森林の深奥は帝国でさえも未だ解明されていない。

 調査を困難にさせる最大の理由が、山道もかくやと思わせるほどの降伏のある急坂や、鬱蒼と茂る木々によって視界の確保すら困難であることが挙げられる。この道を馬に乗って駆けるなど、自殺行為にも近いだろう。

 ただの森がどうしてそれだけ特殊な環境になったかと言うと、地面が肥沃なことに加えて、自然な魔力が満ちる地形が関与しているのではないか、と言うのが最も有力な説であった。


 また、その説を裏付けるかのように、それだけ苦境の多い環境に生きる生物の多くは魔物化していて、そのどれもが強靭にして凶悪である。人の手が入るのは、精々が木々の浅い外周部と言ったところだろう。


 もしもこの森をあの村の住人全員で歩かねばならないとなったとしたら、全員の無事を保証することは難しい──否、無理だっただろう。


 今は、ただでさえ森の奥へと向かって歩いているのだ。まだ日の高い時間帯であるため魔物の活動は活発で無いにしろ、木々に覆われた暗闇の多い森の中は、どこにいたとしても安全と言い切ることは出来ない。そんな過酷な環境で俺たちの目が届くのは、今の人数が限界だとも言える。


 それを知ってメアに何もしなかったと糾弾するのは、話が違う。


 出来るのにしなかったと、出来るけどしなかったには、天と地ほども差があるのだ。


「……俺達が、足手纏いだって言いてぇのか?」

「エディ」

「イムさん、止めないでくださいよ。俺はこいつらの足手纏いなんかじゃねぇってことを証明しないと気が済まねぇんだ。獣人は、舐められたら終わりなんだからよ」


 その話を聞いて噛み付いてくるのは、エディ。

 肩で息を繰り返すエディは追い付いて早々、呼吸を整える暇もなくメアに詰め寄る。


 イムさんが制止の声を掛けるが、彼は獣人種の誇りを賭けてメアに牙を突き立てたようだが、果たして。


 獣人種が血の気が多いと言われているのは、彼らは一族の誇りを背に生きているからである。

 歴史上、例え過去に帝国の前に膝を屈したとしても、誇りを持って生きているからこそ彼らは今も生きている。その誇りこそが、彼らを獣人種のまま、人間の作り上げた社会の中で確かな地位を築くに至っていた。


 ともすれば彼ら獣人種は、奴隷階級に身をやつしていたかもしれない。

 それを為させず、獣人種としての在り方を認めさせ、子孫が獣人種として生きる道を作り出したのは、他ならぬ彼らの数世代前の人物である。

 それこそが彼らの誇りであり守るべき魂なのだとすれば、メアの物言いに食って掛からずにはいられないのも理解できる。


 だが、当のメアはエディの憤慨する様子に眉すら動かさずに、言った。


「君らが歩いている道は、僕が枝を払い、踏み固めた道だ。ここから三日歩く先まで、既に道は切り拓かれている。にもかかわらず、君は息を切らしている。これがどういう意味か、分からないとは言わせないよ」

「ぐっ……」


 準備期間中、メアが何をしていたのか詳しく知らなかったが、まさかそんなことをしていたとは。リリスとも会話を交わすことも無かったため、メアの動向を知る機会が無かった。

 メアの言葉の意味が分かっても尚、俺は足手纏いではない、と食って掛かるほど、エディは賢くないわけでは無いようで。


「……チッ。くそっ!」

「エディ殿。軍人の、それもエリートに体力で喧嘩を売るなど、石臼に箸を刺すが如き所業ですぞ。ウェイド殿やメア殿からすれば、私やブランでさえも赤子にも等しいのですから」

「ブラン達は平気ですが、彼女たちにこのペースは過酷では無いでしょうか?」


 獣人であるエディやイムさん、従軍経験のあるウォルマンやブランはメアの先導するペースでも息を切らす様子はあれど、問題無く付いて来られているが、その更に後ろに目線を送ると、遅れている集団が目に付く。


「彼女たちは一般人だからね。このくらいのペースは想像の範疇さ。でも、ゆくゆくは」

「ゆくゆくは……? なんだよ、勿体ぶるなよ」

「それは、彼女たちの意思によって決まるものさ」


 言いながら、休憩スペースを設け始めたメアに対し、俺達は視線を交わして首を傾げる。

 俺達から遅れること数分、被害を受けた女性たちの集団が支度の終えた休憩スペースに雪崩れ込んでくる。


「今日はこのままのペースで休憩を何回か挟みつつ、日が落ちるまで進むよ」


 自分の足で歩くことのできるブランを除いた、デゲントールに犯された被害女性が五名。それを看護する看護助手が四名。それから、呪いが進行したことで隔離されていた二人。

 いずれも行軍に慣れている軍人たちとは違い、彼らはいずれも一般人である。大粒の汗を流し、肩で息をする半数以上の同行者に悲観するでもなく、メアは淡々とした様子で告げる。

 その言葉を受け、中には手にした湯冷ましの入ったカップを落としてしまう者も居る中で、彼女らに付き添っていたリリスが苦々しげな顔付きで意見する。


「それは、あまりにも酷では無いでしょうか? 彼女たちは」

「出来ないからそのままでいよう、は彼女たちのためにならないよ、リリスちゃん。その優しさは毒だ。ここにいることを望んだ以上、自分の足で立てるようになってもらわないと困るのさ。君たちは何のために立ち上がったのか、今一度思い出してみるといい」


 自分の言葉に被せるように告げられた言葉に、ハッとした表情を見せるリリス。何か思い当たる節でもあったのだろうか。


 彼女たちの中で、デゲントールと共に罪を犯した村人のことを許した者は、誰も居ない。全員彼女たちを避けるように、同行を拒否した。

 最早彼女たちにとって、その男たちが村の中で孤立していると知ってもなお、ざまあみろ、と思う気持ちすら湧いてこないのだと言った。


 彼女たちは、記憶と傷の残る村から逃げるために付いてい来たのか。

 それとも。


「リリスさん、ありがとうございます。……でも、私たちは、戦うために、立ち上がったから。まだ、怖いけど……自分達を守るために、変わるために、ここに来たんです」

「だから、見守っていてください」

「メアさん、お願いします。私たちは、戦うために……あの日の私たちを救うために、来たんです!」

「お、俺達も! 強く……なりたくて!」


 メアの発言に感化されたかのように被害女性の内、赤銅色の髪をした女性が力強く意見を口にしたかと思えば、その声に触発された様子で周囲の表情に赤みが差していく。そしてその熱はやがてこちらにも飛び火して。


「一線級の(つわもの)から教えを授かれる機会など、そうそうありませんからな。私も、ウェイド殿の揺るがぬ強さの秘訣を知りたいところです」

「ブランも! 救世主様、ではなくて……ウェイド様に直接、教えを授かりたいです」

「俺たちに、もう一度希望を見せた責任は取れよ、クソガキ」

「エディはああ言っているが、どうか、私たちに生きる術をお教え願います。……もう二度と、この瞳を濁らせないために」


 言って、各自が体を休めるために散っていく。

 それを並んで見送る隣で、メアが珍しく穏やかな笑みを浮かべていることに気付く。


「僕はね……、魔法具が好きなんだ」

「藪から棒に、どうした」

「その名の通り、魔法の道具。アーティファクトを模した劣化品と貴族間じゃ馬鹿にされるけれど、僕は魔法具が好きなんだよ」


 ポケットから取り出した魔法具を手のひらで転がすメアは、まるで宝石を眺めているのかと言うくらい瞳を輝かせていた。俺はその声に、黙って耳を傾ける。


「アーティファクトは貴重で、その数は限られている。貴族でさえもいくら金を積んでも拝むことすら叶わない品がほとんどだ。そんな中で、そのアーティファクトを解析し、模倣し、市民の、それも下級の家庭でさえも手が出せる値段設定にまで落とし込んだ魔法具は、一種の革命なのさ」


 メアが手にしているのは、汚れ落としの魔法具。

 人差し指程度の大きさのスティック状で、魔力を注いで汚れをなぞるように振るだけで、頑固な汚れは綺麗さっぱり、と言う謳い文句で市井に流れているものだ。


 他にも、身近な魔法具と言えば帝都の街灯や、各家庭に置かれるコンロを初めとした湯沸かし機など、帝国の暮らしは魔法具によって便利になった。今では魔法具の無い生活は考えられないと言われるくらい、生活は魔法具によって支えられている。


 そんな魔法具の開発は研究塔──ではなく、専門の開発部門が担当している。

 研究塔によって解明されたアーティファクトの機構を、魔法具の開発部門が理論に基づき開発するというもの。それはとても緻密な作業だと言うのだが、俺は現場を実際に見たことがある訳ではない。

 と言うのは全て、過去にメアから熱く語られた名残だ。


「魔法具の開発は、それはもう、途方もなく時間が掛かる。何せアーティファクトは遥か未来を往く技能の塊。それら全てを現存する魔法に置き換え、一つ一つを理論化し、実行に移す。言わば、現代では実現不能な不条理に挑んでいるとすら言えるのさ。一つ一つの魔法具からは、開発者の魂が聞こえるようでね。僕はそれが、とても好きなんだ」


 正直、メアの言っていることは何一つ理解できない。

 ただ、自分の好きなものを語っている時のメアの横顔は、好きだった。


 彼が嘘偽りなく好きなモノを好きだと言えることは、きっと数少ない。

 いつもの偏屈な彼を見ていれば良く分かる。

 それが、今この瞬間だけはすっかり形を潜めていて、メアがこうして穏やかな時間を過ごせているという事実が、俺は嬉しく思えてならなかった。


「だから僕は、人間が不条理に立ち向かう姿が好きなのさ。人に強制されたから動くのではなく、自分の足で立って、自分の手で藻掻いて。それでも前に進もうと、壁に挑まんとする人が、僕は好きなのさ」

「……それは、誰でもそうじゃないのか。誰だって、目の前のことに必死で生きてるはずだ。お前の見ている不条理とは、一体なんだ?」

「面白いことを聞くね。そんなのは一つさ。自己との対話。これに尽きる」

「自分と……?」

「人間は誰しも、自分には甘い生き物なのさ。尤もらしい言い訳を立てて、自分を正当化しようとする。誰かを、悪者にしてでもね。それは君も然り。僕も然り」

「っ」

「それでも、君は自分との対話を諦めなかった。自己との対話とはつまり、現実と向き合うことさ。現実と向き合うということは、悲劇との直面。目を背けたくなるようなことと、向き合わねばならない。大小関わらず、僕はそれに苦しんでいる人間が大好きなんだ」

「お前の言いたいことは、分かるよ。でも、俺はそんな大した人間じゃ」

「君のネガティブキャンペーンはもう聞き飽きたよ。君は……いや、すぐに思い知るだろうさ。君自身のその烏滸がましさにね」

「どう言うことだ……?」


 メアは俺の言葉に被せてそれだけ言うと、小さく微笑んだ後に、答えを告げずに去って行く。


 残された俺は、もどかしさだけが募る中で飼葉を食む(エース)の元へ近寄ると、ぶるると鳴いて額を擦り付けてくる。

 馬にとってもメトロジア大森林の道は険しいものだろうが、荷物を担いでも疲れた様子一つ無く歩いてくれるこいつはいくら労っても足りないものだ。


 メアの言葉を反芻するように頭上を見上げる。

 仰ぎ見た空は、相も変わらず鈍色で。

 俺の悩みをそのまま写し込んだかのように、空は晴れ間を見せる気配はないままだった。








補完という名の、言語解説。


【男たち】


デゲントールと共に女性を甚振った男たち。

その数は、四名。一人を除き、三名は壁を隔てた上で謝罪の意図を告げたものの女性たちは決して許しはしなかった。その三名は自分達が許す許さないに関わらず、同行はしないつもりだった。それが自らの罪を自覚したからなのか、それともウェイドを憎みメアを信用できないと判断付けたからなのかは、不明。

もし仮にメアが私刑を禁じるような話をしていなければ、彼らは村人たちからリンチにあっていてもおかしくない状況にあり、その環境でこれからも村で生活していかねばならない環境は、楽園を求めていた彼らにとって地獄であることだろう。

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