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導きのない新天地  作者: 風雷 刹那
第1章 異世界『クローア』
9/20

チュートリアルはもう終わり?-世の中はそんなに甘くない-

3話 4分の4

次は4話出す

更新頻度見るとだいたい1ヶ月に1話…


視界が揺れ、景色が移り変わる

どこかの裏道に現れていた

裏道から外に出るとすぐに目に入ったクレアードに進む



「ほれ、西のクレアードについたのじゃ…ちょいとこちらに来るのじゃ」



そう言いながらヒノミは指で空中に円を描いた

その円が魔法陣へと変わり、夢宗たち7人とヒノミに黒い光をもたらした

夢宗がヒノミへと問いかける



「(これって?)」


「(簡単な姿隠しじゃ、クレアルには気づかれるが…まぁ奴らなら理解してくれるじゃろう)」



コソコソと話しながら、堂々とクレアードに入ってゆく


クレアルは冒険者ギルド的な表現だとギルド職員のことを指す


ヒノミの言う通り、職員やレーダルがチラチラと彼らを見ているがヒノミを見つけると、何か納得したかのようにあまり気にしなくなる



「(ほれ、あちらを見るのじゃ)」



ヒノミが指を指す先には…



「レーダル同士の争いは原則禁止です」



少し前に聞いた話よりも細かい話を講義室のような場所でしているクレアルがおり



立派な武器を持ち、綺麗な服を着ている暇そうな青年

一語一句聞き逃してなるものかと目を輝かせる貧相な装備の少年

ローブに身を包み、杖を振り回して遊ぶ少女

弓を床に置き、矢筒を枕変わりにして幸せそうに寝ている少年

頬杖をついて話が終わるのを待つ、悪人面の男

豪華な装備に身を包み、ペン(過去の転移者が作り、普及させたもの)を回して遊ぶ、全く話を聞いていない女

頭の上に大きなイヌ科の耳が生えている見窄らしい格好の武器すらない少女

そして、革鎧を着、腰には魔法薬の容器とそのホルダー、ナイフとそのホルダーをつけ、槍を手に持った戦いに慣れているように見える青年



そんな共通点のない人々がレーダルになろうとしている様子を彼らはその目で見た



「(レーダルになることに共通の理由は存在しない、誰もが違う夢を描いて、はたまた今を変えようとレーダルになる…レーダルは全くもって華々しいものではないのじゃ)」



ヒノミが先ほどのクレアレンの言葉を補足する



「…はい、では皆さん〔角兎 メッレ〕の討伐に向かいましょう」



クレアルがそう言って彼らを引き連れ、ドアの開いていた講義室のような場所から騒がしい受付兼休憩、臨時募集場のあるロビー?にやってくる


恒例のイベントだからか、それを気にしている人はほとんどいないようだ



「こちらが依頼板ですね、皆さんは今、〔角兎 メッレ〕の討伐しかできませんが…ということでここの依頼書を手に取ります、パーティで受ける際は1人が取ればいいですよ」



そう言いながらクレアルが左上の依頼書を手に取り、次は受付へと向かう



「次にこの受付で依頼書を提示します」


「受け取りました、こちら受注書となります」


「この受注書は必ず受け取ってくださいね、それから特殊依頼の受注書は時間がかかりますので気をつけてください」



クレアルはそう説明して…



「では、西の丘に向かいます、着いてきてくださいね」



クレアードから出て行った

それに続くようにレーダル研修生(仮)たちが続々とクレアードを出てゆく


逸人がそれを『なんか出荷されるみてえだな』と失礼なことを考えながら見ていると…不意にレーダル研修生の誰かと目が合った気がした

それを気のせいだと考え、レーダル研修生たちがいなくなった入り口を見るのをやめた



「ほれ! おぬしらも行くぞ」



ヒノミがそう言って、魔法を解く



「ヒノミ様…何をしてたんですか」


「こやつらにレーダルになるもの達がどんなものかを見せようと思っての」


「…そうですかい」


「と言うわけで、こやつらに角兎をやらせたいのじゃが」


「問題ありません、クレアレンから連絡も来ていましたので受注書も用意してあります、どうぞ」


「助かるのじゃ」



流れるように先ほどの彼ら彼女らと同じ依頼を受け、そのままクレアードを出る



「今回は歩いて行くのじゃ」


「…私たちって恵まれてるのかしら」


「そうじゃのう…少なくともワタシの弟子になれたことは幸運だったじゃろうな? くふふ」


「なぁ…ヒノミさん、なんで私たちをレーダルにしようとしてるんだ?」


「…ぬしらが言ったじゃろ、帰る方法を探すと」


「それとこれになんの関係がある」


「…他の転移者の情報や魔法の研究のためには…地位が必要じゃ」


「…俺らにはないな」


「高位のレーダルには地位がある、そしてもし見つからなくとも…おぬしらがこの世界で暮らすためにそれが役立つからじゃ」


「…そう言われると、途端に帰りたくなってきたな」


「くふふ、まだレーダルとして動き出してもおらんぞ、しっかりせい」



また一つヒノミが夢宗達のためにしたことがわかった

そして、彼女がもし帰れなかった時のための想定をしていると言うことも


街中を進み、西の門へと到着する


先ほどと同じ女性の門番がヒノミ達をさっと通してくれた


下から見た丘の風景は雄大で、恐怖を感じるほどであった



「で、角兎ってのはどこにいるんだ?」


「くふふ、これがその絵じゃ」



ヒノミが持っている紙を開き、全員に見せる

そこには耳の間から一本の角が真っ直ぐ前向きに生えているウサギの絵が書いてあった、それもめちゃくちゃリアルに



「本当にツノの生えた兎だ」


「あ、あのーそれでどうするのですか?」


「1人1匹狩って来るのじゃ」


「えぇ!?」


「こ、このウサギさんを殺せと…」


「? …おぬしら森で魔物は殺してきたじゃろ」


「それとこれとは話が違うわよ! こんなにモッフモフで愛らしい見た目の子を殺せるわけないじゃない!」


「まやたんの方が可愛くない?」


「「「お前は黙ってろ!」」」


「大丈夫じゃ、やってみればわかる…とりあえず探しに行くのじゃ…あぁ、木の生えている場所にはなるべく入らんようにな、本来この依頼の範囲外じゃ」


「…う、わ、わかったわよやってやるわ! 生け取りにすればいいんでしょう!」


「それでも良いぞ、あと殺したら死体を持ってくるのじゃ血抜きなどを教えるからの」



ということで、彼らはセーミニ西の丘と呼ばれるこの場所を走り角兎を探しに行った







〈逸人視点〉


あのウサギの生態もわかっていないのに探せ…ってアホなんじゃねえのか?


あの絵じゃ大きさもわからねえし、強さもわからねえ

クレアードってのはバカとかアホの集まりなんだろうか



「はぁ…」



ついため息が出る

むき身の短剣一本でジャグリングもどきをして、気をそらそうとしているが全くそれない

というかこのジャグリングもどきも相手がウサギだと聞いたからやり始めたのだから気がそれるはずもなかった


見つけたらすぐにでもこれを投げるんだが…いないな



「はぁ…」



視界の先に木が見える

範囲外だな

来た方向が悪かったんだろうか…めんどくせえな

森に沿って大回りしながら帰るか


森に近づいてゆくと…ガサガサと木々が揺れ、大きく音を立てた


そこにあのウサギがいるのか?


そう思い、一旦近づく



「ゲホッ…ケホッ」



…これは、人だ

それも少女であろう


どうせ面倒ごとだ、近づくのはやめよう

こういうのに首を突っ込むのは俺以外でいい



「ゲホッ…やめてっくだ、さい」


「あ゛? やめろだ? ハッ、無理だね」



…面倒ごとではなく、とんでもない面倒ごとだったようだ



「…なん、で」


「ハハハハハ! 『なんで』だァ? 教えてやるよ小娘、俺はなァ、テメェみてェなガキを甚振ることが趣味なんだよォ!」


「グッぅう…」



少女が森から吹き飛ばされるようにして現れた

先ほどクレアードにいたイヌ科の耳の生えた少女であった


巻き込まれる、とにかくこの場から撤退を



「…あ、なたは…」



少女と目があった

その救いを求める目が俺を貫いた

なるほど…俺はこの目を知っている


それに…どうやら面倒ごとは俺のことを逃しちゃくれないようだ



「ア? テメェは…あァあの馬鹿どもの集まりにいたやつか…かはは! これでまた、甚振るガキが増えた…今日は最高の日だなァ!」


「言われるほどガキだとは思ってないんだがな」



迫り来る槍の柄をナイフで弾く

重い…相手の方が上位者だな

…こいつは、さっきクレアードにいたやつだな…この少女と共に研修を受けていた槍持ちの経験豊富そうな男か



「ほォ、やんじゃねえか…けどよォ、経験が足らねェんだよガキィ!」


「どうだろうな」



相手は魔物を倒して能力を上げている

経験だけでなく、こっちはそれも薄い、これは不利だ

だが…

相手が舐めてかかってくるなら捌き切れる


振り下ろしには横ステップし

薙ぎ払いにはしゃがみ、転がり、跳躍で…慎重に回避する

ただ、近寄れない


やはり相手の方が戦闘慣れしているのだろう



「…ふむ、どうやらお前は基本の動きは覚えているようだな、ただのガキじゃねえと認識してやろう」


「そりゃどうも」


「だからよォ、あまり俺を舐めんなよ? 〈練気〉」


「〈気〉…チッ、ふざけた面倒ごとだ!!」



黒いオーラが男に集う

おい俺は今日街に来るまでだいぶ頑張ったはずだが?

俺が何をしたってんだ



巳闘(ジィリイ)——‘蛇輪(メデリ)’」



槍が大きくうねるように迫ってくる

強力な薙ぎ払い…

先程までのように柄で戦うのではなく、しっかりと刃がこっちを向いている


ふぅ……〈気〉で強化された、戦技ねぇ…?

やりたい放題やってくれんじゃねえか


まぁ〈気〉の説明はまだあのロリババア師匠から受けてねえんだが

書物から得た知識だけで…判断するならば、まぁまともに受けたら死ぬな



「ぐ、ぅ…おおぉぉぉ!!」



短剣で防ぎ切った

この重さと疲労感…そして、体力の消耗具合からいって次は絶対に受け止められない



「ほゥ、テメェ…やるじゃねえか、俺の戦技を抑え込むとはよ…褒めてやるよ、その命と引き換えにな」


「うるせぇよ、偉ぶってんじゃねえぞカス…死ぬのはお前だ」



チッ!

槍を避け、短剣で攻撃をする

だが、攻撃のリーチに違いがありすぎる


めんどくせえ…せめて武器を変えられたら


いや…



「なんだったか…水と、氷で…水で形成し…?」


「ブツブツと何を呟いてやがる!」


「お前ほどはうるさくねえよ」



カンカンと甲高い音が響き、短剣と槍が互いを弾きある

だが、明らかにこちらが押されている

〈気〉を使った向こうのほうが有利だ

…流そうと短剣をぶつけているのにそれを無視して力がこっちにかかるのやめてほしい


…あいつの氷刃(コオリギリ)…どう作ってるんだったか

ほとんど忘れたが…大体同じであればいいだろう



「凍てつけ水、その姿を写せ“氷刃”」



氷の直剣を手に持つ

強度はおそらく十分…まぁ使ってみないことには何もわからん



「ほう…おかしな魔法だ、だがその程度は俺の前では無力だと知れ」


「そうか? お前の方が無力なんじゃないのか?」


「かはは! …言葉には気をつけろよガキィ!」



氷の直剣と槍がぶつかりあう

重さが、増した!


やはりこいつ本気ではなかったか



「槍は振り回してもいいが…突き刺すものだアホが!」


「ッ!」



刺し貫かんと迫る槍を強引に、本当に無理やり弾く

そうだ、本来槍ってのはこういうものだ


こいつの戦い方のせいで騙された

すでに槍を構えた相手を視界にとらえる



「巳闘——‘蛇突(ミレフ)’」


「がっ…は」



回避も防御も間に合わず、槍が体を貫いた

しょうもねぇ…なぁ……















「まずは、1人」



男はそう呟き、逸人から槍を引き抜く

血が溢れ出し、大地を赤く染めてゆく

そしてより一層と絶望の表情が強くなった少女を見て、ニヤリと笑う



「どうしたガキ、テメェが助けを求めたから増えた犠牲だぞ…ほらこいつはテメェのために死んだんだ、喜べよ」


「あ、あぁ…ああ、あ……わ、わた…し」


「かはははは!! なぁ獣の、俺はテメェを殺すよう依頼された、だが邪魔がはいっちまったから殺すしかなかった…あいつを殺したのは…テメェだなァ?」


「あ…あぁぁ…ああああああああああ!!」



少女は負けた

心が折れた


自分を守るように、鮮血と共に散った彼に……家族を重ねた



「かははははははは…は?」



大笑いする男の左肩に短剣が突き刺さった



「この短剣はあのガキの…?」



上から降ってきた短剣に疑問を抱きつつ、男は肩から引き抜いて投げ捨てた



「チッ、もっと高価な装備を持ち込んでおけばよかった…」



そう言って男は回復薬(転移者の影響でポーションとも呼ばれる)の蓋を開け、左肩に全てかけると容器を投げた



「さて…とめんどくせェガキは始末した、あとは依頼のガキだけだな」



少女を見て男は呟いた

相手を怯えさせるためか、それとも格下と侮っていた相手を殺した後にまさかの怪我を負った苛立ちか…


少女は見ていた

目の前に投げ捨てられた短剣を


少女は考えていた

いつ、最後の抵抗をするかを



「おい、ガキ…遺言があるなら聞いてやる、話せ」



男が…逸人を超えて、少女の目の前にやってきた

四つん這いになって下を見ている少女に、視線を合わせようと男はしゃがみ…



「はぁ…はぁ……やああああああ!!」


「…ぐ、テ、メェ!!」


「あ、がうっ」



全く警戒をしていなかった男は…覚悟を決めた少女に、革鎧の上から腹に短剣を突き刺された

痛みに顔を顰めつつも、少女を蹴り飛ばした男は『慈悲なんて見せるんじゃなかった』と愚痴を漏らしつつ、短剣を強引に引き抜き…槍を構えて自らが蹴り飛ばした少女を視界にとらえる


男は右手に槍を持ち、左手に回復薬を取り出して、傷口へと回復薬を傾け



「死ね」


「ガ、カハ…」



喉から剣を生やした



「…まぇは…コ…した…ず」


「だ、から…言っただ、ろ? し、ぬのは、お前だ、って」



男の力がなくなり、後ろへと倒れ始める

回復薬が男の手から離れ、地面に落ちる前に風が受け止める

逸人が男から離れると、男は後ろ向きに倒れ…喉を貫く氷の剣がより深々と刺さった



「ゲホッゲホッ」



逸人が手でおさえながら、咳き込む…

その手のひらを見れば、血がべっとりとついていた



「チッ、お、れもあい、つのこ、といえねぇな」



男から強奪した回復薬を自らの傷へにぶちまける



「ぐぅぅ…」



微弱な痛みが傷に走り、呻き声が出た

治癒はされているだろうが…おそらく足りていない

それに、血が足りていない

少し、血を流しすぎたのだろう……



「た、たい…へん、ひとをよばないと」



傷だらけの少女が駆けた

















気づくと、逸人はどこか見覚えのある白い部屋にいた

ベッドのようなものに寝かされていた体を起こす



「…ここは、教会?」


「そうじゃ」


「そうか、俺は生き残ったか」


「そうじゃのう、なぜ生きておったのか疑問を抱くような傷じゃった」


「言いたいことがあるんだろ?」


「っ…あぁそうじゃ、事情はあの少女から聞いておる、少女を守ったのじゃろう? ならば仕方あるま「いや、守ったわけじゃないが」…ん?」


「俺は、俺に降りかかってきた火の粉を振り払っただけだ、あの娘は関係ない」


「…嘘なのか、本心なのかわからぬな」


「本心に決まってるだろ」


「……おぬし以外は角兎の討伐で…そしておぬしは裏切り者の始末をしたことで探究証が手に入った」


「そうか」


「じゃが、あやつらにはおぬしが人を殺したことは伝えとらん」


「別に精神に問題はないぞ?」


「表面だけの場合もあるからのう…」


「俺の怪我のことはどう説明したんだ?」


「森の奥から出てきた魔物に襲われている少女を守ろうとして負った傷…になっとるの」


「…柄にあわねぇ」


「くふふ、外から見れば相手がなんで合っても変わらぬよ」


「………」


「…のう逸人、聞いてくれぬか…ワタシの、知っている転移者の話を」


「………嫌だね」


「なっ!? 今のは聞くところじゃろう!?」


「別に聞いてやってもいいが、俺だけに語るな…他の全員と同時に聞く、それでいいか?」


「はぁ、そう…じゃな…おぬしには客人もおるようだし」


「客人?」


「ほれ、入って良いぞリーミナ」



緊急治療室の扉が開き、綺麗な金髪に大きなイヌ科の耳の少女が入ってきた



「………どちらさま?」


「え」



リーミナと呼ばれた少女が困惑の顔と共に、脱力し、体勢を崩した

逸人と共に襲われた少女であったが、明らかに様子が違っていた

服は綺麗で、髪がボサボサになっている様子もない



「わ、わたしのこと、覚えてませんか?」


「あぁ、その声あん時のか、助かったぞあの時はお陰でやつを楽に殺せた」


「そう、でしたか」


「で、そのお前がなんのようだ?」


「た、助けてもらいましたがわたしにはなにもありません…なにも、お返しすることが、できません」



そう言いながら少女の目からポロポロと涙が溢れる

彼女は失った何かを見ているかのように、逸人をみて涙を流す



「チッ…誰かに施すよりお前は自分を見ろ」


「ぐすっ…うぅうぅ…」


「おい、聞いてるか? なんだか知らんが、お前が今必要なのは悲しむことでも、施すことでもない、向き合うことだ…俺に何を重ねてるかは知らんが、俺と重ねてるものは違う」


「ぐすっ…はい」


「分かったら下がって、静かな自分の部屋で自分と向き合え」


「…ぐすっ…はい」


「と言ってもワタシの家なのじゃが…」


「……………はぁ!?」



逸人が驚き、振り返る

今後、この娘とは合わない予定だったのに…という雰囲気を逸人が出した



「家が騒がしいのはいいことじゃぞ………孤独を感じなくてすむ」


「…アンタも抱えてんだな」


「くふふ、何かあったら、ワタシもおぬしに相談するとしよう」


「はぁ…勘弁してくれ」



ウォレイにより傷は治されており、血が少なくなっていたこと以外問題はなかったらしく、刹那と同じように緊急治療で入院的なことにはならなかった


その後、泣き続ける少女を連れて、ヒノミの家へと転移し、新しい住人が現れたこと以外はほとんどこの9日間と同じように、その日は終わりを迎えた

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