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導きのない新天地  作者: 風雷 刹那
第1章 異世界『クローア』
4/20

戦いに輝きを見て

まや視点

次は3話の予定でしたけど、2.8話出します


作中時間 5日目


空にはどこまでも広がる淡い青

地にはどこまでも広がる若草の緑

そして周りには



「遅い! おぬしは自分が見えておらん!」


「くっ…やあっ!」



師匠となった…狐みたいな耳と尻尾をつけた少女と白髪で獣耳と尻尾が突然生えた仲間の少年が木製の武器で戦っている様子と



「…あぁ、草が…柔ら、かい」


「…そう、ね」



草原に倒れ込み、息も絶え絶えといった様子でなんとか紡ぎ出した言葉で話し合う仲間達の姿が見えた


少女なお師匠さんが木刀を真っ直ぐ縦に振り下ろす

余裕がなく焦った刹那が、左手の逆手で持った木の短刀を構えて受けるが…

咄嗟に出た程度の防御では、ここまで準備していた振り下ろしには対抗できるわけがない

だから、衝撃の強さに思わず彼は短刀を手放してしまった、当然生まれた隙を見逃すお師匠さんでは無いから

木刀は完全に振り下ろされる前に翻り、逆袈裟斬りの要領で…あの彼を草原へと弾き飛ばした


お師匠さんの体格で人をあんなに飛ばせるってすごいと思う



「うむ、昨日よりは良くなっておるのぅ」



それ本人には聞こえてないんじゃ無いかな



「マヤ…次はおぬしじゃぞ」


「わかった☆」



お師匠さんが待ちの体制でこちらを見ている、こっちからの攻撃を待っているんだ

木刀を地面から拾い上げ、ゆっくりと構える


この木刀の長さは少しだけ…私に合ってない

だから、どうしても違和感が生じる



「…ふぅうううぅぅぅ」



息を吐きながら…鞘を腰に当て、しっかりと左手で握りしめ、木刀の柄を右手で握る

相手をしっかりと視界に捉え…



…今だ!



「はあぁっ!!」



右手に力を込めて

木刀を鞘から引き抜く



「ふっ」



対するお師匠さんが…笑った気がした



両手で持った木刀を下段に構えて………まさか、斬り上げ…!?

きっと、お師匠さんはこっちの居合を破壊しようとしてる…


なら、負けない


予想通り、彼女の木刀は下から振り上げられた



「くうっ…」



右手に強い衝撃が襲いかかってきて、つい木刀を手放しそうになったけど、歯を食いしばって握り直す

地面をしっかりと踏み締めて


居合の勢いに抗うように、強引に木刀を翻し…



「やぁあ!!」



右から左へ横一文字に木刀を振るう

体が低い音を出して、悲鳴を上げている…威力は低い

お師匠さんは驚いてる…けど、その手の木刀が強引な動きをした私へと真っ直ぐに突きとして向かってきてる



だから


左手を…左手に握った鞘を右へと振るい、お師匠さんの木刀を弾いてずらす



お師匠さんの突きが私の右側スレスレを通り抜けたのと、私の横一文字斬りをお師匠さんが顔をそらして避けたのは同時だった


木刀を振りきれたから一歩下がって、体勢を立て直す


お師匠さんも同じように一歩下がって体勢を立て直している



仕切り直し?

違う、私はもう掴んだ


鞘を捨て、両手で木刀を握り、しっかりと地を蹴る



「はぁっ!!」



前に進む勢いのまま袈裟斬り

お師匠さんはそれを器用に受け流し、その勢いを利用して…流れるように逆袈裟斬りを振るってくる

身を少しかがめて避けて、木刀を下から上へ真っ直ぐ振り上げる

片足を軸にして彼女は回って避けると、一歩下がって、接近と共に縦一直線に木刀を振り下ろす

構えた木刀で受け止めて…鍔迫り合い



「動きが変わっておるのう…違和感を御しきったか」


「まやたんをあんまり舐めないほうがいいよ☆」



鍔迫り合いに押し勝ったのは…お師匠さんだ

でも…私はタダで負けたわけじゃない


お師匠さん、あなたの足使い…覚えたよ

彼女の動きを真似して、自らの動きを修正する



「ぬ」



お師匠さんの動きを写した鏡のように、木刀を振るい、動き、彼女を越える方法を探る

木刀同士が幾度もぶつかりあう


これでは先ほどよりも進展がなくなった


どちらが先にリズムを乱すか…または乱させるかの勝負


自分のリズムを乱してでも、相手を乱せれば勝てるけど、自分のリズムだけが乱れたら…負けるのはこっち


でも、私は勝負に出る


剣戟はここでおしまい



お師匠さんの横一文字をしっかり受け止め

同じように横一文字を返し、彼女が受け止めたのを確認することもなく、弾かれた勢いで跳ね上がった上から下へと唐竹割り

一撃目から二撃目までがもう少し早ければ十文字斬りとでも呼べたと思うけど、今はまだこれでいい



「くっ…」



お師匠さんは頭を逸らして避けたけど、胴体に当たった



「まやたんの勝ち!」


「…まさか、5日で段階1を突破するとは思わなかったのじゃ」


「言ったでしょ、まやたんを舐めないでって☆」


「くふふ、そうじゃのう…それに、最後の斬撃はまるで戦技のようであったぞ」



こうして私はお師匠さんの一段階目の模擬戦に勝った


この時はまだ…2段階目から先の鬼畜さを想像することもなく…ただ、喜んでいた



というか、お師匠さん…1段階目と2段階目の差がありすぎだよ!

ちなみに木製の武器には魔法がかかっていて、痛みや衝撃は発生するが物を傷つけることはできません…そのため、模擬戦にはぴったりです

ちなみにその痛みもある程度は軽減されます

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