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変わる日常

「星川くん、おはようございます」


いつも通り登校し教室にはいり席に着くと、いきなり天使様こと清水咲希が話しかけてきた


「おはよう、清水さん。どうしたの?」


普段なら一限が始まるまでぼーっと窓の外を眺めながら授業の準備するのだが今日は違った


「いえ、改めて昨日のお礼をと思いまして」


昨日の、というと公園での出来事のことだろう


「別にいいよ、何もしてないし実際してないし」


ただあのまま見ないふりもどうかと思って話しかけただけなので、そこまで律儀にお礼させる筋合いはない


「そんなことないですよ、あの時話しかけてくださったことで多少なりとも私は救われましたから」


「そんな大層なことした覚えはない」


「それでも、です」


「左様で。」


救ったなんてそんな大袈裟なことをしたつもりはない、が引く気配もなかったので素直に受けとっておいた。そこで少し気になって周りに目をやると、やはりというか、教室にいるクラスメイトの視線がこちらに集中していた。普段清水咲希が自らクラスメイトに話しかけにいくことはなく、話しかけられることの方がほとんどなので、天使様自ら話しかけにいくという行為が皆からしたら見慣れないものだった。それゆえクラスの男子達は羨ましいという顔をし、女子達も気になるのかこちらを見ている


「清水さん、ほんと人気だね」


「そうですかね。学校では良識的な振る舞いをしているだけですので、周りからそういう評価を頂けているのであれば光栄です」


あくまで当たり前だという顔をするものなので感心するほかなかった


「すごいよね、そういうの意識しても出来ないし普通に尊敬するよ」


素直に言葉にすると天使様はどこかそわそわしていた


「そういうことを直接言われることはありませんので少し照れますね」


そういい恥ずかしそうに頬をかいている それを見た周りのクラスメイトは照れ顔にやられたのか「うっ…」なんて声を出してやがる 当然歩もその可愛さにやられかけているのだが思ったことを告げただけなのでどこか居心地が悪かった


「ところで星川くん、この前授業中うとうとして先生に怒られていましたが眠たいのであれば家でしっかり睡眠はとらないといけませんよ」


この前というと、親友にゲームを誘われてつい夜更かししすぎてしまった日のことだろう。普段より睡眠時間が少なく、長い授業に耐えられず睡魔が襲ってきたのだ。当然授業には集中できず半分寝ていたのか、先生に当てられたのに気づかず怒られてしまった。まさかその時のことを彼女に指摘されるとは思っていなかったが


「それに勉学をしっかりしていれば色々と選択肢は増えますし、あとからやりたいことができた時困らないように授業はしっかり受けるのですよ」


などと母親じみたことを言うのでどこかいたたまれなかった


「言われなくてもわかってるよ」


「わかってくださったのならよかったです」


そう言うとそろそろ授業の準備をしますので、と天使様スマイルを見せて自分の席へ戻っていった。朝から慣れない周りからの視線を浴びて少し疲れてしまったが、清水咲希がいつも通り元気そうだったので安堵しつつ歩も授業の準備をするのであった

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