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『勇者などいない世界にて』  作者: 一二三
第一章 二つの世界
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プロローグ はじめに


 己が周りを見渡したとき、その世界を染め上げているもの、構築しているものは何であろうか。

 原子と呼ばれる超微小な物質の最小単位、あるいは我々には感じることのできない不思議な力か。はたまた、周囲を照らす光かもしれない。それとも、光があるなら闇だろうか?


 とは言え、そんな質問は全く意味を為さない。


 何故ならこの質問に答えるのは数多といる人間ひとりひとり。「周りを見渡したとき」という条件付きなのだから、それぞれが違う環境にいる為に皆の回答が異なるのは必定。

 質問自体が、回答者の主観を許容している部分がある。



 では、今一度問おう。

 『この世界を作り上げている根幹はなんだろうか』と。



 この質問では回答者の主観は許容されていない。純粋な知識を問うているのだ。

 しかし、世界が何で作られているのかなんて知っている者がいるか? 答えは否、いないのだ。

 だからこそ人々は一か八かの当てずっぽうで回答するしか手段が無く、出題者すらも答えが分からないなんて状況に陥ってしまう訳だが。



 例えば、

 今私たちがいる世界とは別に、異世界と呼ばれるものがあったとしたならどうだろうか?


 例えば、

 世界の根幹が発見された世界があるならどうだろうか?



 まず断っておくが、これは「もしかしたら」という仮定であり、本当にあると言っている訳では無い。

 でも、そんな世界が「あるかもしれない」とは言える。

 一体何を言っているんだと嘲笑するかもしれないが、逆に私たちも向こうから「なぜ分からないんだ」と笑われていることだろう。


 つまり、だ。

 もとより、私たちはこの難題に立ち向かえることを期待されていないのであって。真に問われている相手は、我々が住うこの世界の住民なんかではなく、どこかの異世界人。


 例えばある世界に滞在する()であったならこう答えるのであろう。


____この世界は、闇で染められている。


 しかし、


____あの世界は、闇以外によって構築されている。



 世界が一つしかないなどと、誰が証明できよう。

 世界が複数存在するなどと、誰が証明できよう。


 きっと()()ならこの、その、あの世界の根幹に迫ることができるのかも知れない。

 そんな薄い可能性の話をするのは何故かと問われれば、そう。


「俺は成し遂げてみせる。この先天的で後天的な、俺への(はなむけ)をもってしてな」


 彼ならば我々を楽しませてくれると考えたからだろうか。

 それとも彼がこの作品の主人公だからか。


「私は、だから、せめて、仕返ししたい」


 そう呟いた少女の声に応えるように彼は、


「俺たちはまだ何も知らないが、強くなれば絶対に仕返しできるさ」


「うん、絶対に」


 こうして短く交わされた幼い誓いがあったからこそ。

 あの日みた雷雲の中の影。それこそが彼らの始まりであったと言うように。

 だから、()()ならばきっと成し遂げてくれるだろうと、可能性をここに残しておく為に、問うたのだ。



 くどい様だが、最後に再び問おう。

『この世界を作り上げている根幹は何であろうか』と。



初めまして、あるいはお久しぶりです。

この度二回目の作品リフォームを決行することになりました。え、理由ですって? それは簡単です、私が話の流れを気に入らなかったから!


と言うわけで、再々始動となりますがよろしくお願いします。

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