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姉がショタコンでヤバい

作者: 上別府由樹

「ぼくはしょうらいおねえちゃんとけっこんする!」


 夢か。いつのころだったか。

「【智輝ともき】ー、【晴香はるか】ー! 産まれたぞ!」歓喜する父。でも、正直俺は複雑だ。

「おぎゃー! おぎゃー……」赤ちゃんには悪いけど、君の事、本当に俺は心配だよ。

「ほら、智輝も!」

「あ、ああ」そっと手を伸ばす。すると赤ちゃんはまた泣き出した。まあ、嫌われるのはいいんだけど。

 ここは産婦人科。俺達は今産まれた【希望のぞむ】が産まれるのを待っていた。夏休みだし、やることないし、で、俺が心配なのは、この姉、晴香だ。忘れもしない俺の友達数人がうちに泊まりに来たとき、晴香は夜這い未遂を起こしている。晴香はもう社会人、俺は高校生、両親はよくまぁ子作りしたもんだ。母は【みどり】という。年齢は設定上あやふやにしておく。


 母と弟が退院してきた。

「これから騒がしくなるぞー!」父は呑気に何も知らないで!

「のぞむぅ〜、お姉ちゃんのおっぱいのむ?」ほらきた!

「バカ言ってないで準備しろよ!」俺は切れながら言ったのだが。

「智輝ものむ?」バカじゃねぇの!

「母乳は卒業したから!」怒りで適切な言葉かわからないが、テキトーにあしらった。


 木製の赤ちゃんベッド、姉、俺が使ったものだ。

「よくとってあったね」俺が言うと。

「家族は多い方がいいだろ? まだまだ増えるかもな!」と、父。いや、家族は数じゃない。特にうちの変態姉貴はいない方がいいだろう。ってかまだ作るの?


 希望が母乳を飲んでる期間は母にべったりで特に何も無かったと思う。俺も大学受験で忙しかったし。


 で、今は希望五歳。俺二十二歳、晴香は、結婚しやがった! なんだ。なんの心配もすることなかったんだ。トホホじゃなくて徒労。


 そして、時が経った。ツッツルーン。スマホだ。母らしい。

「もしもし?」

「あ、智樹? 晴香がね! 妊娠したのよ! 男の子だって!」


 なにー!!?


 完。

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