4.ゴブリン
〜登場人物〜
ヤッチャイ(o型)
・Sランクギルド【龍の巣】 に入団するためにテストを受けることに…
・テストは東の森のゴブリン退治クエスト内で行う
・好きな食べ物はオムライス
イブキ(82kg)
・ヤッチャイに入団テストを持ちかける
・いつのまにかロインは入団扱いである
・好きな食べ物はマグロ
アブラスマス(38)
・【龍の巣】の兄貴的存在
・スキンヘッドマッチョ
・バトルアックスを使い敵を砕く
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次の日
俺たちは森にいた。
木は生い茂っているが比較的明るい。
前の冒険者によるものなのか
うっすらと道のような跡がある。
メンバーは俺、ロイン、イブキさんと【龍の巣】団員5人の合計8人だ。
しかし明らかに様子がおかしい奴がいる。
彼の名はアブラスマス。
どうやら俺が気に入らないらしい。親の仇のように睨んでくる。
普通にこわい。スキンヘッドだから余計にこわい。
さらにマッチョなのでもう手の付けようがない。
「なんですか?アブラスマスさん!?」
ロインは俺が睨まれるのが気に入らないのかアブラスマスさんにキレた。
「あ…すんません…」
アブラスマスはスーっと離れていった。
アブラスマス
・女性が苦手
俺は脳髄にメモを残した。
「そろそろゴブリンが出てくる。ヤッチャイ君好きなように闘ってくれ。」
イブキさんが言った。
少し進むと早速登場した。いつもの緑色個体だ。
俺が戦闘態勢に入った。その時だった。
目の前のゴブリンが吹き飛んだ。
紫色の汁を吹き出して粉々に。
傷口を見る限り凶器は斧だろう。
犯人はもちろんアブラスマスだ。
俺がギルドに入団するのを邪魔したいらしい。
なるほどそういうことしちゃうか。
それからもゴブリンが出現するとアブラスマスはものすごい勢いで倒しにかかる。
結果、アブラスマスが100匹近くゴブリンを倒しているのに
俺は1匹もゴブリンを倒せていない。
うーんこのままじゃギルドには入れないな。
アブラスマスもそう思っているのか、先程とは打って変わりかなりのご機嫌のようだ。
確かにこのままではテストには不合格だ。
このままではね…
そのとき、木々が揺れ地は唸った。
森の奥から巨大な何かが歩いてくる。
ズシンズシンと音を立てて。
その場にいた皆が臨戦態勢に入った。
そこにいたのは今までのゴブリンとは比べ物にならない程大きいゴブリンだった。
20mはあるだろう。
体の色も緑ではなく上位種である赤だ。
今回もアブラスマスが突っ込んでいった。
俺の身丈ほどある大きなバトルアックスを
巨大レッドゴブリンの右足に振り下ろす。
先程ゴブリンを一撃で葬ってきたその攻撃も巨大ゴブリンには通じないようだ。
アブラスマスのバトルアックスは音を立てず弾かれた。
巨大ゴブリンの右足には傷はない。
武器を弾かれバランスを崩したアブラスマスは巨大ゴブリンにとって格好の餌食である。
巨大ゴブリンの平手打ちでアブラスマスは木に叩きつけられた。
「アブラスマスさん!」
【龍の巣】メンバーが駆け寄る。
アブラスマスはもう戦えないようだ。
「ヤッチャイ君、行けるか?」
イブキさんは今も冷静だ。
「はい。」
俺は巨大ゴブリンの正面に立った。