2.門番
〜登場人物〜
ヤッチャイ(172cm)
・金狼群を追放される
・なろう系テンプレ主人公を目指す
・親指の爪が剥がれやすい
ロイン(162cm)
・追放されたヤッチャイを追いかけてきた
・料理がうまい
・兄がいるらしい
イブキ(42)
・Sランクギルド【龍の巣】団長
・銀髪ロングヘア
・男
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「待ってよ!やっちゃん!」
「ロイン!?どうしたんだ?」
ロイン。彼女は俺の幼馴染である。
赤毛の短めの髪を携えた、元気な子だ。
「ギルド抜けさせられたって本当!?」
「うん。でも悪いのは俺だ。」
心にも無いことを言う。
「もお!許せない!みんなやっちゃんに何回も救われたっていうのに!ひどいギルド。私も抜けてよかった。」
「ロインも抜けたのか!?まさか俺が抜けたから…」
「ちち、違うって!もともと抜けるつもりだったし!
大体なんかあわなかったのよねフニョフニョ。」
たぶんロインは俺のことが好きだ。
だが俺は気づかないふりをしている。
決してロインが嫌いなわけではない。
誰から見ても美人だし、正義感も腕っぷしも強い。
だけどなんか違うんだよな〜。
贅沢なのはわかっている。
転生するとここまで強欲になるのか…
「次のギルドはどうするの?」
フニョフニョし終わったロインが聞いてきた。
「私、前にスカウトされたとこがあるんだけど、
行ってみない?」
ナイスタイミング。
「【龍の巣】ってギルドなんだけど。知ってる?」
最高だ。さすがは幼馴染。
【龍の巣】といったら有名なSランクギルドだ。
なんでも龍のように強い団長がいる
少数精鋭チームだとか。
俺にふさわしいギルドだ。
「でも俺みたいな奴もいれてくれるかな?」
「大丈夫よ!やっちゃんなら!!」
なんてテンプレ会話をしていたら到着した。
【龍の巣】のギルドクラブはまるで日本の城のような
建物だった。
建物に入ろうとすると門番らしき人に止められた。
俺だけ。
「ロイン様は入場許可が出ているが
お前は認められない。帰れ。もしくは…」
門番は槍を構えた。
「力を示せ。」
どうやら強いなら入ってもいいらしい。
ハァ。俺は風速20m/sのため息をゆっくりと吐いた。
「なんでこんな目に…」
絶対ぶっとばす。
「充肉。」
見た目は変わらないがパワーはアメフト選手級になり、
犬のような俊敏性を得る。
要するに強化魔法だ。
俺が充肉を唱えると門番は警戒したのか、勝負を焦った。
俺の右足目掛けて槍を伸ばした。
俺は右アッパーで迎え打つ。
槍の先端、右手の中指の付け根の骨、それぞれが正面から
ぶつかった。
槍は削りたての鉛筆のようにボキッと折れた。
俺の拳はその勢いのまま門番を壁に吹き飛ばした。
衝撃で門番は立ち上がれそうにない。
周りがざわざわしていく。
「モ、モンバーンさんがこんな簡単に…」
いつのまにか下っ端が集まっていた。
てか門番のモンバーンとは…
良いセンスだ…
「ハァ、ハァ手強いな。」
周りに聞こえるように呟くのがコツだ。
ザッザッザッザッ
門と城の間のあぜ道を長身の男が歩いてくる。
「ロイン君。やっと入る気になってくれたのか。」
長身男がロインに声をかける。
「イブキさん。久しぶりね。」
やはりこの男が【龍の巣】団長イブキか。
約20年前にギルドを設立し
団長として少数精鋭をまとめてきた男。
銀色に光る長髪は腰まであり
隆々とした筋肉を包み込んでいる。
そしてかなりのイケメン。
20年前から団長らしいが何歳なのだろう。
「それにお隣の方も。こちらへどうぞ。」
俺たち2人は奥の部屋へ導かれた。