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オフ会100人めざすYouTuber  作者: オフ会0人伝説
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オフ会零

オフ会100人を目指す男の物語

皆さんはYouTubeを利用しているだろうか。今や知らない人はほぼいないだろう。そんなYouTubeに動画を投稿し、オフ会をしようと夢を持つ一人の男の物語である。

ある夏の日、主人公「尾不会おふかい ぜろ

はある決断をした。「そうだ、YouTuberになろう。そしてそこそこ登録者数が増えたらオフ会をしよう。」そう心の中で決心した。今年の夏はいつにもまして暑く、体が涼しさを求めて最寄りのコンビニやスーパーなどに足を進めてしまう。「こんなに暑かったら外での撮影は無理だな。今の俺には耐えられない。でも室内での撮影となると家では無理だな。俺は今までニート生活をだらだら続けてるし、オマケに引きこもりだから家族に良い印象を持たれることもなく今日まで過ごしてきたんだ、それに動画投稿してることが家族にバレたら「動画投稿してる暇があったら働いてお金を少しでも稼いで自立しなさい!!」って言われるのがオチだ。」ミンミンと鳴くセミを遠くから眺めつつ太陽熱で熱されたコンクリートの道を通り抜けて行き目的地を目指す。「とりあえず誰かに連絡取るか。」おもむろにポケットからケータイを取り出して適当に電話をかけてゆく。「なんだよもう!誰もでねーじゃねえか!」誰も電話に出ない焦りも相まって汗がダラダラと流れ出す。「このままじゃせっかくの動画投稿一発目の動画が撮れないじゃねーか。どうしようか、このままじゃマジで時間を無駄にしちゃうけど本当にどうしよう。」この男は誰かに動画撮影と動画編集を頼むきでいるのである。「誰か暇な奴いないかな~」そんな時ケータイが突如鳴り出した。「誰だ誰だ。」と期待を胸に膨らませて電話に出る、相手は中学からの友人である台任だいにん 気男きおだと 思うと嬉しさが込み上げてくる。コイツなら協力してくれるだろうと。「はい、零だけと。」気男は零のテンションに少々引きつつも話した。「お前久々に電話してきたけどどうしたん?」そうだ気男には2、3ヶ月電話してないし会ってもいなかったことを思い出した。気男は続けて話した。「そういえばお前、どっかに就職したのか?前会った時に「俺はもうそろそろ就職して引きこもりニートから脱出するわ!」って言ってたからしばらく連絡取ったり会ったりしてなかったけどどうなった?」続けて聞いてくる気男の質問に徐々に答えていく零。「俺は全然引きこもりニート生活今も続けてるわ、なかなかやる気がでなくて家でゴロゴロしてる。」そう言うとため息をついて気男は話す。「お前さ、そろそろガチで就職しないとまずいよ本当にさ。分かってるだろ自分でも。就職して家族を安心させないといけないってさ。俺だって頑張って就職先探してやっとの思いで今の就職先を見つけて働いてお金稼いでるんだから。お前だってやればできるよ。」気男の正論に言葉が返せないでいる零だがこのままでは終われない。何とかして協力してもらわなければ。「突然だけど気男ってパソコンで動画編集したことある?」気男は答えた。「無いけど。」零は続けて喋った。「今日俺は思い付いたんだ、動画を撮って編集して投稿してお金を稼ぐYouTuberになろうってな!」感情が高ぶってしまっている零の声を遮って気男は喋った。「そんな事してないで就職したほうが楽だぞお前。全員がお金を稼げれる訳じゃないんだからさ。少しは現実見ろよ。」電話越しに飛んでくる正論の嵐に零は何も言い返せない。「んじゃ今から仕事に行ってくるからしばらく連絡すんなよ。」容赦なく電話を切られた零は途方に暮れてしまった。「でもしょうがない、俺一人でも何とかして動画投稿しないと。とは言ったものの俺の編集能力は皆無だ。何をするのかすらも決めていないからただひたすら歩いて夜まで時間を潰すか、スーパーかコンビニに居座るか、それとも家に帰って企画を考えるか。今の俺は迷っている暇なんかないのは分かってるけどどうにかするしかない。」そしてしばらく歩いていると公園に来ていた。写無公園しゃむこうえんだ。ここは俺の家からは遠く離れた公園だがよく小中学校の時にサッカーしたり鬼ごっこしたりして遊んだ記憶が蘇る。思わず涙がこぼれそうになってしまうのをこらえてブランコに座る。「どうしてこうなったんだろうか。何でいつも上手くいかないんだろう、頭では分かってるけど体がついて来ないんだ。ただの言い訳にしか聞こえないだろうけど言葉で表すならこれだ。」思わず心の中で呟いてしまった。若き日の懐かしさに浸りつつも現実を直視しなくてはならない。こんなどうしようもない俺のままではいけないと決心した。「おーい、何座ってんだよ、零。」気男が話しかけてきた。俺はここに来た気男に疑問を抱き返事をした。「何でここに来たんだよ、俺は一人でもYouTuberになってやるからな!今さら止めに来ても無駄だぞ!」そう言い放った。だが、返ってきた言葉は意外だった。「お前に協力してやるよ、正し撮影だけな。」そんな意外な言葉に動揺していると続けて気男は喋った。「お前と違って俺は仕事があるから暇な時は撮影してやるよっていってんだろ。そんなに動揺することか?」思わず零は涙を流した。「こんな俺に協力してくれるのかよ、お前。」気男は「もちろんだ。」と言葉を返した。気がついたら辺りはもう既に真っ暗になっていた。泣く俺を横目に気男は公園から出ていった。俺も家に向かって走り出した。今日は零にとって忘れられない日になった。そして次の日、俺達は早速企画を考えた。メントスコーラ、大食い、商品紹介……etcを思い付いたがどれもありきたりだ。とは言ったもののオリジナリティー溢れる企画を考えるのは難しいので結局、ありきたりな商品紹介動画になった。お金を気男に出してもらい俺は早速買い物に出掛けた。「今俺がやっているニートのバイオレンスハザードにも使えるコントローラーの紹介をしよう。気男に貰った1万円で丁度買えるから良かった良かった。」そう安心した零は紹介を手に取り会計を済ませた。「これでようやく動画がとれる!」そう思うと安心感と達成感に包まれた。早速家に帰って気男と撮影を開始した。「オィィィィィス。どうも~零でーす。今日はニートのバイオレンスハザードの実況をします。私は動画外で何度か遊んでいるんですけども、今日は実況しながらこのコントローラーのレビューをしていきたいと思います!」気男は「良いぞ良いぞ」とうなずいているのを横目に俺は実況と商品紹介を続けた。このゲームはゼローステイションXでプレイできるんだがプレイ映像を綺麗に撮る事ができないのだ。なので仕方なくカメラでなるべく綺麗に撮るしかないのである。なんだかんだ撮影を無事に終えて気男がパソコンで編集をしているのを横目に次の企画を考えていた零。結局編集をやらせてしまっているが零の編集能力は0に等しいのである。なのでなくなく気男に頼るしかないのだ。そしていよいよ動画を投稿する時がきた。零のテンションは最高調になって投稿ボタンをクリックした。いよいよ動画が全国の人に見られるんだと思うと謎の優越感が沸いてきた。そして無事に再生回数を伸ばしていき、100再生まで上がった。零と気男は共に喜びを分かち合った。「これからは俺達の時代だ!」零は大声でそう叫んだ。そう、俺達の時代はこれからだ。








次回再生回数零編

次回再生回数零編

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