20話 再会
「お久しぶりですユイハさん」
昨日ぶりに出会ったユイハさん。
彼女は昨日よりずっと元気そうだった。
髪も肌も昨日より綺麗だ。
服もドレスを着ていて、いかにもお嬢様らしい美しい姿である。
ほんとうにいいとこのお嬢様なのだと実感する。
いつまでも領主の部屋で話す必要もない。
とりあえず、俺たちはここを離れて客間に行くことにした。
「客間で待っていれば、こちらから向かいましたのに」
「すみません。待ちきれなかったので」
照れて小さく笑うユイハさん。
そんなに好意を持たれていたのかと少し驚いた。
「冒険者の試験に合格したと聞きました。おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「それでは、この後は初の依頼ですか?」
「それは先ほどもう既に行きました。ゴブリン退治ですけどね」
「ではこの後も依頼を?」
「いえ。今日はもうぶらぶらしようと思っていたんですよ。街に慣れるために」
「街に慣れる、ですか」
ユイハさんは一瞬考えて。
「それならデートしに行きませんか?」
と続けた。
「え?」
デート?
なんで急にデート?
「ああえっと、デートというのは言葉の綾で。なんていうか――」
「カリム君に街を案内する、ということですよね」
ノアさんが慌てるユイハさんのフォローをする。
「そう! そうです。案内です」
「あれ? でもユイハさんも昨日着いたばかりでは?」
街について日が浅いから、案内をするほど街に詳しいとは思えないのだが……。
「安心してくれ。ユイハ様も私も、この街には何度か来ているから」
ノアさんの言葉に、ユイハさんが合わせる。
「そうです! 実はかなり詳しいんですよ!」
えっへん、と胸を張るユイハさん。
彼女の大きい胸が強調されて、目に毒だった。
「ユイハ様。街に出るならばお着換え下さい。その恰好では目立つ故」
領主がユイハさんに告げる。
確かに彼女はいまはドレス姿。
その恰好じゃ街中では浮くだろう。
「私が街に溶け込みやすい服を用意いたします」
「ありがとうございます」
領主の提案に、頷くユイハさん。
というか領主さん。
ユイハさんと話すときは声は普通になるんだな。
彼なりに気づかっているのか。
「護衛は……、一人は付けて頂きます。カリム君やノア殿がいますから不安はしておりませんが、それでも万が一ということがありますので」
「ええ。わかっています。お気遣い感謝します」
領主の言葉に、頷くユイハさん。
ということで、俺とユイハさんとノアさん。そして護衛として俺を案内してくれた執事さんの四人で街に行くことになった。




