9.ペンションにて
「ふぁぁぁよく寝た」
本当によく寝た、雫さんの膝の上快適すぎる
1時間近く寝ていたらしい、でも何より気にしていたのは寝顔を見られたことだった
「ふふっ、ふう君っていつもかっこいいけど寝顔はやっぱり男の子って感じで可愛いよね」
そんなことを言われて少し顔が熱くなる感覚がある
「やめよ?流石に恥ずかしいよ?」
こんな感じでいちゃついてる?ものだから後ろの方の席から視線を感じる
「翔ー?変なこと考えてるならやめな?別に付き合ってるわけでもないしさー」
と念のため言っておくがたぶん変な妄想する事はやめないのだろう
「いや、別に俺はただカップルよりもイチャイチャしてる奴らがいて良いのかなぁって思っただけだよ」
それは反論出来なかった
たぶん中学生のカップルってここまでのことをしない気がする、なのにカップルでもない人たちがここまでしているのか
そしてふざけたような会話をしていると目的地についていた
「結局あんまり外の景色見れずに目的地についちゃったか」
少し残念だったが帰りにまた見れば良いかと思った
それにしても空気が澄んでいて良いところだと感じる
「さぁさぁ早く早く荷物置いて探検しよっー!」
と雫さんに呼ばれた時に
「ほら、彼女さんが呼んでますよ?颯太」
とそんなふうに茶化される
「別に彼女でもないし別に俺のこと好きでもないだろうし雫さんも迷惑するだろうからやめな?」
と翔に注意を入れる
その時に雫さんが少し寂しそうにしていたことに気づく事は無かった
「とりあえず早く荷物置きに行かないとだよ、時間も決まってるんだからさ?」
とまとめてくれたのは彩葉さんだった
この人あんまり知らなかったけどしっかりしてる人なんだなぁっと思う
そして荷物を置き終わりペンションの説明を全て聞き終わり部屋で自由に出来る様になった
「今の時刻は14時か、とりあえず今日はもう部屋でゆっくりしねー?動くのめんどくせぇ」
と翔が言うとみんなが頷きゴロゴロし始めた
ペンションでの使える部屋はこの4人部屋と医療用に一部屋あるだけだ
「何気に昼ご飯食べてないけどどうするのー?」
と声をかけるがもうみんな動きたくないらしく
夜までご飯食べずに過ごすことになった
ちなみに持ち物までも自由なので何を持ってきても許される
「今からトランプするぞー!負けた人はLINEチェックしまーす」
中学生らしい罰ゲームが設けられトランプが始まった、ちなみにババ抜きをするらしい
そして二試合するので負けは二人まで出される
「「よっしゃぁぁ勝ったぞー!」」
最終的に勝ったのは男子二人だった
確認は翔が雫さんのLINEを俺が彩葉さんのLINEを確認するらしい
「おー!颯太って雫と通話してるのかアツアツやんけ」
翔にそんなこと言われて恥ずかしくなってしまう
でもこっちも負けじと
「彩葉さんにどんなラインしてるのかな〜?愛してる、大好きだよ、会いたいな、寂しいな、とかとか通話してたりだとかねー?ふむふむふむふむふむ」
俺もだいぶ性格悪いなぁと改めて自覚する
そうして二人ともヒートアップして
お互いがLINEを読み上げるという不思議な状況になっていた、もちろん女子のお二人は顔が真っ赤になっていた
その終止符となったのは夕食の時間になったからだった