うろるちゃん
「んぅ...」
ちゅんちゅんっ、と雀が泣いている。
ぱちっ
瑞樹は目をそっと開ける。
「...う、うきゃああああああああああ」
目の前には絶世の美女が裸で寝ていた。
「おはよう瑞樹君...朝から騒がしいわね...」
「...ぉにいちゃん、ぉはょ...」
やばい、理性が...
「と、とりあえず服着て!!」
「「............やだ!」」
おうまいじーざす
「じゃあ、朝ご飯はファミレスかな?」
「「服着ます。」」
「「「ごちそうさま~」」」
「やっぱお兄ちゃんの朝ご飯は最高だー!」
「ええ、お店出せるんじゃないかしら?」
「ありがとう、喜んでくれてよかった。」
「瑞樹君、私今日撮影あるから17時ぐらいに帰ってくるね。」
「そっか、もう行くの?」
「うん。」
「わかった。いってらっしゃい。」
「いってらっしゃ~い」
「いってきます\\\」
ゆりは少し照れ臭そうにして、家を出て行った。
さあ、生配信見るかな?
「俺今から昨日言ってた動画見るからね。」
「んーわかったー。後で構ってねー」
「はいはい。」
苦笑しながら俺は返事をした。
妹か...いいね。
「はーい!どうもーうろるちゃんだ、う!」
そう、俺が好きな動画配信者というのはうろるちゃんである。
「今日はね!リスナーさんに、凸してもらっておしゃべりしようかと思うの!相談凸って感じかな?まあ!そんな感じでやっていこうかと思うの!さっそくskypeかけてきてね!!」
「よし!もう予約は取ってあるぞ!3番目に凸するんだよな!テンションあがるなぁ!」
「じゃあ最初にうきうきさん!」
ぽっぽっぽっぽ
きゅぽっ
ちなみにこれは着信音だ。
「もしもしーうろるちゃんだ、う!」
「う、う、う、うーーー生う!聞けたあああああああああ!!」
「うー!!!!」
「「うおおおおおおおおおお」」
うきうきさんとハモってしまった。
って、興奮している間に2番目の終わりのほうだ。
緊張する...
「はい!じゃあ次はー...アルビーさんかな!凸どーぞー!」
「もしもしーうろるちゃんー?」
やばい、緊張する。
「そうだよ!うろるちゃんだ、う!」
「いいね!生う!」
「ふふっ、今日はなんで凸してきたの?相談??のろけ話?後半だったらころすから!!」
うろるちゃんが言うとなぜかかわいい。
さて、ばらすか。
「相談だよ!でもその前にこの声聞きおぼえない?」
「んーーーーーー、ないかな?」
「じゃあ、ヒントで俺の名前とモデル!」
「ん~...アルビー...モデル...アルビー...アルビノ...アルビノ!とモデルって!」
「うんうん」
「如月瑞樹君だぁ!でも、偽物でしょ?本物が私の放送なんて見ているわけないしー」
「ビデオ通話にするねー。」
「え?まじ?」
びっくりした声が聴きたいな!
「や!モデルこと如月瑞樹ですっ!」
「え、え、え、え、え、え?嘘!え、でも、本物だ、え!やばっ!チュウィッタァーで拡散しなきゃ!瑞樹さん!宣伝していいですか??」
「どうぞどうぞ!驚いた声いいね!」
大成功だぜ!
「え、え、わっ、本当に瑞樹君だ!やばい!リア凸したい!でも、さすがにだm」
「まじか!リア凸したい!」
まさか、すきな配信者からリア凸許可されるとか!すごいうれしい!俺が高校3年生のころから見てる動画配信者だから夢にも見てなかった!
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!それアリなの???仕事的に!」
「ありありだよ!ちょっと出かける準備するね、待ち合わせは渋谷駅前の像の前ね!」
「え、ちょっ、本当に凸するの!?やばい!生瑞樹君見れそう!リスナーさんたち来たらぶっ殺すから♪」
そういえば、俺って相当知名度が高いんだな...最初は3500人程度だったリスナーさんたちが今じゃ22000人にも増えてる...俺もしかして、もしかしなくてもすごい人?
とりあえず準備はできた。
玄関に瑞樹が向かおうとしたら加奈が出てきた。
「あ、今から友人に会いに行こうと思うんだ。少し出かけてくるよ。」
「うん。浮気は、ダメ、だよ?」
「わ、わかってるよ。」
そもそも付き合ってないけど...
「いってきます。」
「いってらっしゃい。」
「さて、私も準備するかな...うふふっ」