積極的だわ
「え!?」
いや、まてよ。ここで、あえて堂々としたほうがいいだろうな、オドオドしてたらおされてしまう!
「…いいよ?ゆり、早くお風呂場いこう??」
「え?わ、わかったわ」
(もっと動揺するかと思ったのに…でも、こんなに堂々としてる瑞樹くん素敵…)
「こっちだよ。」
そう言ってお風呂場まで来た。
そして俺は服を脱ぐ。
うっ、恥ずかしい…ものすごく恥ずかしい…けど、主導権握るにはこれくらいしか…って、ゆりもすごく堂々と脱いでるし、羞恥心ないのかな…
「ゆり、早く行こ?」
「わ、わかったよ瑞樹くん…」
(恥ずかしくないのかしら、彼は…タオルも巻かずに…でも私の方をあえて見ないのはやっぱり恥ずかしいってことだよね…)
ガラガラ…
扉を開けてみるとそこは自分の部屋ぐらい広いお風呂場が広がっていた。
ふぅ…堂々と行こう。堂々と。俺の貞操が奪われる前に。
「瑞樹くん背中流すわよ。」
「ありがとう、ゆり」
「いいのよ、彼女としての務めだから」
「え?彼女?」
「そうよ、彼女よ、文句あるかしら?」
文句しかないんですけど……ゆりもモデルだから付き合ったりしたら流石にだめだよね、付き合う気はさらさらないし、そりゃあ美人だしスタイルいいし優しいと思うけど、彼女とかはもっと関係を深めるべきだよな。ここはうまく言いくるめよう。
「まだ、告白とかしてないけど…」
「あら、あなたは私を愛している。私はあなたを愛している。十分じゃない?」
「ゆり、まだ出会って1日だよ、もっと関係を深めるべきだよ」
「あなたは、私のことを愛してないの?言葉だけなの?もし言葉だけなら許さないからね。殺しちゃうかも。」
いや、あかんやろ……
「も、もちろん愛してますとも、ええ、ええ、愛してますとも、でもそれだけじゃなく、おなじモデルとしてファンに申し訳ないじゃないですか。もし俺たちが付き合っていることが誰かにバレたら荒れますよ?」
「うっ、言われてみれば…わかったわ…お付き合いはしないけどお互い愛しているという認識で間違いはないわよね?」
「ええ、間違いありませんよ。」
そうこう話しているうちに両者共体が洗い終わり、湯船に浸かろうとしたが、
「…なんでそんなにひっつくの?スペースはたくさんあるよ?」
「あなたと、くっつきたいからよ、なにか不満でもあるのかしら?」
「……あーのぼせそうなのでもう出ますね…」
「むっ…まあいいわ。」
危なかった…あそこで引いてくれなかったら、俺の息子が『HI』するところだった…それにしても体スベスベで気持ちよかったな…
そして服に着替えたところだが…
「ゆり、なんでパンツしか履いてないの?」
「これから服なんて必要ないからね」
静まれ息子!
「さ、さすがに下着はつけましょう。」
「いやよ、苦しいのよ?」
「そ、そ、そうですか…」
いや…引けよ!!
「ご飯はどうする?」
「今日はもう、食欲がないし、勉強して疲れたから寝るよ。リビングに冷蔵庫があるから適当に何か食べていいよ。」
「…私もお腹すいてないし疲れたから一緒に寝るわ。」
「そ、そうですかい…」
「ええ、そうよ」
ま、予想はしてたけど。
一緒に寝るのか…そういえば、誰かと寝るというのは久しぶりだな…なん年ぶりだっけ…ってか、下着つけてないじゃん!くっ…息子がオーバーヒートしちまいそうだ…
「やっぱり、一緒のベッドで寝るの?…」
そう、恐る恐る聞いてみた。やはり返答は、
「あたりまえじゃない。これは妥協しないわよ。」
そういい、一緒にベッドの中に入る。
「わ、わかったよ…その前にSNSに投稿しなくちゃ行けないから…」
いつもの日課になっている自撮りを行うためにべっどからでようとすると、
「私も映るわ。」
「え?で、でも…」
「私も映るわ。」
「勘違いとかおこ…」
「私も映るわ。」
「…わかりました…」
虚ろな瞳でこっちをみながらそんなに言われると怖いなぁ……
「映るなら服着てくださいよ…」
「…しょうがないわね…」
そう、渋々了承しながら俺は近くにあったTシャツを彼女に渡す。
そして布団で下半身を隠しながら、ゆりと自撮りをして、こう投稿する。
『今日スタバに行ったらモデルの界ゆりさんにあったので俺の家で遊んでます!へんな勘違いは起こさないでねっ!?』
そしてゆりさんもなにかスマホをいじっている。
ちょっと覗くとこんなことが書かれていた。
『彼氏とデートなう〜〜〜〜〜♡♡♡』
「ちょっとゆり!?それはやばいって!」
「ざんね〜〜ん、もう投稿しちゃった!きゃっ♡」
こんの!やばいってまじで…
「ゆり…今すぐ消さないと、怒るからね、今日しようとしてたおやすみのキスもやめるからね!?」
「えっ!わ、わかったから!キスして!!」
俺が低い声音でいうと、ゆりはものすごく焦った声でそう言う。
流石にだめだからね、ってかキスとか普通の流れで言っちゃった。あかん、訂正したいけど、訂正したら面倒なことになる…もうキスするしかないのか…
「消したわ!だから!おやすみのチューして!」
「良い子だね、いいよ、」
恥ずかしい…良い子だなんて…垂らしですかっ!?俺は垂らしでしょうか!?
顔面冷静な顔して内面すごく焦っている瑞樹であった。
「んちゅっれろ♡」
おやすみのキスは軽いちゅっ程度だと思っていたんですけど…
「んちゅっれろれろむちゅ、れろ、んちゅ♡ぷはっ」
(瑞樹くんの顔がこんな近くに…もう、死んでも良いかも!!幸せすぎる!)
「ゆり、おやすみ。」
「うん、瑞樹くんもおやすみ。」
「明日は大学があるから、早く起きるね。」
「わかったわ、そういえば言いそびれてたけど私瑞樹くんとおなじ大学よ、それにおなじ学科だからね?明日私の家に連れてって着替えを用意して欲しいわ。」
「え!?おなじ学科だったなんて、気づかなかった!わかった、明日ゆりの家に行くのか、」
「不満?」
「ううん、初めて女の子の家に行くから。」
「あら、そうなんだ。」
(意外だわ)
「意外でしょ?昔は日光がどうしても嫌だから家からあまり出なかっただけだよ。」
「なるほどね。」
そう少しだけ話すと、今日はよほど疲れていたのか、すぐに二人とも眠りについた。
時々敬語になるのはミスじゃないからね!?まだ慣れていないと言う設定だからね!?ミスじゃないから!!!