出会い
スタバとか著作権(?)いいのかな…
ピピピッ
「うーーん」
そういいながら俺は伸びをする。
……そうだ、今日スタバで勉強するんだった…
早く起きて朝ごはん食べよ……
そう思いながら、リビングへと向かいパンを取り出しオーブンで焼いているのを待ちながら、私服へと着替える。
今日は黒の綿パンに灰色のSTTUSYIESのトレーナーを着ようかな。
うん。そうしよう。
そうこう考えているうちにどうやらパンが焼けていたようだ。パンを皿に取り出すと、インスタントのコーヒーをコップに注ぎソファに座ってテレビを見る。
『今日紹介する人物は、最近とても人気が出てきている如月瑞樹くんです!」
ブフォオ
コーヒー吹き出しちった☆
はぁ…とうとうニュースにまで取り上げられたか…
『彼の目撃情報が出ていて写真も送られています。』
そう、テレビに映っていた男が言うと昨日の撮影を終えて愛車へと向かう日傘をさした俺の姿が映し出される。
えぇ……日傘さしてると俺ってこんな凛とした雰囲気を出すんだ…意外だ…
『わっ!とてもかっこいいですね!そういえば、私昨日の夜、彼のSNSを見たら今日スタバで勉強をすると投稿されていましたよ!』
そんな簡単にバラしちゃっていいんですかねぇ!!???
『……スタバ行ってきていいですか?』
『ダメに決まっているでしょう』
なんて言うやり取りをしてるんだこの人らは……
そう思いながら画面の端を見ると9:00の文字が映し出されていた。
そろそろ行くかな…今日はマセラティで行くか!!
そう思いつくと彼は壁にかけていた鍵を取って車庫へと向かい、自慢の愛車の一つであるマセラティに乗る。
ブォォォン
マセラティが狼煙をあげる、ランボルギーニと違って少し音が高い。
発進するとすぐに交差点で止まる。
ちょっ、今止められると困るんですけど…周りの人が写真撮ってるよ!…もう…すこしは自重して欲しいよなぁ…とりあえず、サングラスかけるか、眩しいし。
そう思いつき縁が丸いサングラスを手に取ると顔につける。
ピコンッ!
ん?これはSNSの着信の音だな…とりあえず近くに停車するか。
そう思いつくと、道路の脇にタクシーと並んで停車させる。
『いいね+999件リツイート+999件
・・・・明日はスタバにずっといようと思います!!
・・・・一目見たいのでスタバに浸かろうかな!
・・・・自撮りかっこよすぎる!!
・・・・瑞樹くんみっっけ!!』
えぇ……昨日と大違いだな…今日のニュースのせいかな?…まあでも人気になれば給料増えるかな?増えるよね!うん!もっと投稿しようかな!
そして俺は愛車のマセラティをはしらせ、スタバの近くの駐車場に止める。
「よし、行くかな。」
そう、日傘をさしながらスタバに向かうと
「な、なんだこの人集り……」
そう呟いた瞬間だった。
「あれって瑞樹くんじゃない!??」
「え!?」
「ほんとだ!!!」
「サインほしいい!!」
そう叫ぶとこちらに寄ってくる。
「ちょっちょ!ストップストップ!!!」
そう俺が叫ぶとみんな動きを止める。
「声かけないでねってSNSに投稿したよね!怒るよ!?」
「「「「………ドSな瑞樹くんもいい!!!!」」」」
やばいこの人たち全然話を聞いてない…
「ここにいるとこの店に迷惑だから!サインあげるから散って!」
「「「「サイン!??!!?」」」」
そう言うと即座にファンたちは並んでカバンから色紙を取り出す。
サイン貰う気満々だな……
「はぁ、散々だった……」
あのあと一人一人に思いつきでかいたサインを書いていってなんとか散らした。
「チョコチップフラペチーノのLください…」
「かしこまりました〜!」
そう受け取ると空いてる席を探すが、空いていない……
辺りを見回していたらある女性と目があった。目があうと女性は俺に向かって微笑みかけてきて手招きをして彼女の隣の席をポンポンと叩く。
わっ、すごい美人だ…モデルさんかなんかかな……とりあえず好意に甘えてみようかな…
「すいません、席をあけてくれたんですか?」
「うん、如月瑞樹くんだよね、前々から気になってたんだ。私あなたと同業者の界ゆり(さかいゆり)だよ。よろしくね。」
「はい、よろしくお願いします。ゆりさん」
そう言いながら俺はゆりさんの正面に座ろうとした、
「隣に座ってちょうだい。」
「え?で、ですが」
「教えてあげる、勉強。」
「いいんですか?」
「もちろん、私暇だしね」
「で、では」
う、すっごい美人だな…身長は160cmぐらいだけど鼻は高くキリッっとした顔でショートヘアーの髪型でオシャレだ…俺なんかと一緒にいていいのかな…
「瑞樹くん、敬語はいいわよ。」
「わ、わかった。でも一応俺の先輩に当たるから…」
「あら、私が先輩ならあなたは先輩のゆう事を聞くべきでしょ?」
「うっ」
一理ある…
「わかったよ、ゆりさん。」
「さん…まぁ今はいいわ。」
呼び捨てはしないからねっ!!??
このような経緯でゆりさんに勉強を教えてもらった。2時間ほど勉強を教えてもらうとあっという間にわからないところがわかった。
すごい…頭すごくいいな…俺頭悪いからモデル業界で生きていこうかな、なんて
「いいんじゃないかしら?」
「え?」
「口に出してたわよ」
「まじか…恥ずかしい…」
「いいんじゃないかしら、モデルとして生きて行くこと。あなたの顔ならばトップとれるかもよ?」
「本当?」
「うんうん、わたしの勘は外れないわよ。」
「……考えてみます。ところで、勉強を教えてもらったお礼をしたいんですが…」
「あら、うーん…それじゃああなたの愛車に乗せてもらえるかしら?それと敬語になってるわよ?」
「ご、ごめん…慣れなくて…いいよ、乗せてあげる。それだけでいいの?」
「それとね、行きたいところがあるからそこに連れてって」
「わかった。」
そう言うとスタバから出て、愛車のマセラティの自慢のガルウィングを開き瑞樹はゆりを車に乗せる。
「わっ、すごい!シートふかふか!すごくいい匂いがするし、瑞樹くんに包まれてるみたい!」
「ははっ、そんなに良かったのか、乗せて良かったなー。」
と満面の笑みで言うとゆりは顔を赤くして小さく「ばかっ」と呟いた。
ん?なんか言ったのか?まあいいや。
「行きたい場所ってどこ?」
「あ、そこを左に曲がって、、、」
と指示を受けながら車を走らせると
「ここ、僕の家なんですけど……」
「そうよ、ここが来たかった場所なのよ。」
「まぁ、いいけど…」
とだべりながら家に入る。
「広いわね…大学生が住むには、だけど。」
「そうですかい…」
そのコメントに困る意見はやめて……
「あなたの部屋はどこかしら」
「あ、えっと、こっちだよ」
そう案内して部屋に入れるとゆりはベッドにダイブして布団にくるまる。
「瑞樹くんの匂いがすごい!きゃっ!」
ちょ…やることが変態じゃないか…
「ちょ!ゆりさん!なにしてるn」
そう言おうとしたらふと、布団の中から手が出てきて連れ込まれる。
「つっかま〜え〜た〜♡」
ガチャ
手を後ろに手錠が手と足にかけられる。
なんと言う早業だ。
「え?え?えぇぇぇ!!!!???」
「もう!うるさいわね…これからよろしくね!あ・な・た?うふっ」
「ちょっこれ外して!ゆりさん!」
「ダメよ、これを外すとあなた他の女の子と話すでしょう?私だけをみてちょうだい」
「ちょっと、全然展開が見えないんですけど…」
「いいわ、話してあげる。」
彼女の言い分は、昨日の撮影現場に偶然居合わせて一目惚れをしたそうだ。それに加え、笑顔で栄香さんと話す俺が気に食わなかったからスタバで待ち伏せして自然な形で居合わせた。そして監禁すると。自分の家に監禁はやだな。だからって他の家ならいいってわけじゃないけど。
「納得できないよ、ゆりさん」
「してちょうだい。とりあえずあなたは私のものだからね。誰にも渡さないから。」
「せめて足の枷でもとってくださいよ…」
「…それじゃあ、大学かモデル、どっちかやめるならいいわよ。」
「え……」